箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

言葉一つの大切さ

2025年01月04日 08時34分00秒 | 教育・子育てあれこれ




医学でのインフォームドコンセントの必要性は、およそ20年以上前から言われ始め、病院での実践がなされてきています。

医療関係者が、治療方針を患者に十分な説明をして、患者の意向を聴きとったうえで合意形成をしながら治療にあたるもので、情報開示と説明責任が病院側に求められます。

そして、今では一歩進んで、治療の合意だけでなく、方針を決めるプロセス自体にも関わってもらおうという「共同意思決定」の実践が一部の医療機関で行われています

関東地方のある病院では、患者を入れたカンファレンスに約30人が集まり、主治医、看護師、管理栄養士がそれぞれ経過を説明します。

糖尿病患者への質問を交えながら、検査で気になった数値や、警戒すべき合併症への対応について意見が述べられます。

その上で退院後の食生活の管理やインスリンの自己注射について、男性の仕事を考慮し無理なくできるようにする方針を確認しました。

その患者は、「カンファレンスを聞いて、先生たちがどういう考えで薬を処方したり、治療法を提案したりしているかが理解できた」と語ります。


生活改善が柱となる糖尿病治療は、患者の意欲が重要になります。


一方で、糖尿柄には「自分の不十分な健康管理による自己責任」という偏見が付きまとい、患者や家族らが病気と正面から向き合う妨げにもなっているのです。


それだけに言葉の一つ一つに気を使わねばならず、患者を傷つける不用意な表現をしないように注意しなければなりません。


このような「共同意思決定」を通して、医療における言葉の大事さを、医師や看護師らがより自覚するようになるという効果も現れてきています。


言葉一つで人を元気づけ、励ますこともできますが、人を傷つけることもあります。


SNSの利用で、言葉が軽視される傾向にありますが、言葉の大切さを再認識したいところです。







同じ世代に広めたい

2025年01月03日 07時20分00秒 | 教育・子育てあれこれ
アイドルグループ「欅坂46」を卒業し、いま女優として活躍する長濱ねるさんは、長崎県出身です。

彼女は長崎出身だけあり、原爆、戦争、平和等の問題に高い見識や考えをもたれています。

今回の日本被団協のノーベル平和賞受賞に寄せ、若い感性でしっかりと自分の考え、意見を述べられています。

以下、『毎日新聞』2024年12月7日号の「思いつないで 被団協ノーベル平和賞」から引用します。



日本被団協がノーベル平和賞に選ばれたことはとてもうれしかったです。


被爆者の皆さんの活動が評価され、実を結んだのだと思います。

核兵器を巡る問題が解決に向かっていない中で、世界はまだまだ平和を諦めていないんだと感じました。


今の日本では戦争は遠いものとして生活される方が多いと思います。


アイドルの仕事を始めて高校2年生で上京した時、同世代で終戦記念日や原爆の日を知らない人もいることにすごく驚きました。


長崎に原爆が投下された8月9日午前11時2分も、地元のようにサイレンは鳴らないし、黙とうをしない。


「原爆って戦争を終わらせるために仕方なかったんじゃないの?」と言われたこともあります。


生まれた場所によって環境が異なるのは当たり前のことで、その人に非があるわけではありません。


ただ、自分だけが黙とうしていた瞬間に、「こんなにも認識が違うのか」と強く感じました。


まず事実を知らないことが大きいのではないでしょうか。


原爆でどういった被害があったのか、戦時中はどのような生活をしていたのか、どれだけ多くの人が亡くなったのか。


長崎で平和について学ばせてもらったので、同世代が事実を知るきっかけの一つに私がなれたらという気持ちがあります。


ニュース番組で原處や沖縄戦について取材させていただく機会もありました。


私が発することで「戦争って怖いんだな」と思ってもらえたら、日々の生活での選択が変わっていくかもしれない。


歴史や人間の過ちを知ることで、身の回りの人を大切にしようと感じたり、生きるのがつらくても頑張ってみようと思えたりするかもしれない。


直接的ではなくてもそういったところから平和へとつながっていくのだと信じ、これからも発信を続けたいと考えています。(長濱ねる)









保育士の確保に向けて

2025年01月02日 12時05分00秒 | 教育・子育てあれこれ

2025年度の予算案が閣議決定されました。


そのうち、子育てに関する施策は.2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略加速化プラン」に基づく施策を本格化させるものとなっています。



1歳児に対する保育士の人数を国の基準(子ども6人に対して1人)より手厚くします。


一定の要件を満たした保育所には、人件費相当分を加算します。


また、保育士らの処遇改善として、人件費を前年度比10・7%増と大幅に引き上げることになります、


さらに、子育てと仕事の両立支援として2025年4月から、両親が共に育休を14日以上取得すれば最大28日間、手取り収入の実質10割に当たる給付金を支給します。



育児のために時短勤務をする場合の補助も盛り込みました。


中でも、保育士な処遇改善は、現在教員不足に加え、保育士の希望者が減っている現状を見据え、保育の質を改善するため、大幅なアップとなっています。


2024年を展望して

2025年01月01日 10時10分00秒 | 教育・子育てあれこれ
明けましておめでとうございます。

新年を迎えましたが、今年はなんといっても、戦後80年の節目の年です。

世界平和を脅かす昨今の状況です。

昨年、広島の平和記念資料館へ行き、平和への願いを新たにしました。

分断ではなく、人と人が助け合い、連帯して過ごす1年でありたいと願います。

国内では経済成長が滞り、高齢化が進み、自然災害が頻発します

また、今年は阪神大震災から30年の節目の年でもあります。

国まかせでは立ち行きません。

社会の力、民衆の力を育てねば。そんな意識転換が日本でも進んできています。

他者への共感で暴力と憎悪の連鎖を断ち切り、対話を通じて困難を解決する。

そんな「人間らしい社会」を再構築できるか。私たちに突きつけられた重い問いなのです。