アイドル
グループ「欅坂46」を卒業し、いま女優として活躍する長濱ねるさんは、長崎県出身です。
彼女は長崎出身だけあり、原爆、戦争、平和等の問題に高い見識や考えをもたれています。
今回の日本被団協のノーベル平和賞受賞に寄せ、若い感性でしっかりと自分の考え、意見を述べられています。
以下、『毎日新聞』2024年12月7日号の「思いつないで 被団協ノーベル平和賞」から引用します。
日本被団協がノーベル平和賞に選ばれたことはとてもうれしかったです。
被爆者の皆さんの活動が評価され、実を結んだのだと思います。
核兵器を巡る問題が解決に向かっていない中で、世界はまだまだ平和を諦めていないんだと感じました。
今の日本では戦争は遠いものとして生活される方が多いと思います。
アイドルの仕事を始めて高校2年生で上京した時、同世代で終戦記念日や原爆の日を知らない人もいることにすごく驚きました。
長崎に原爆が投下された8月9日午前11時2分も、地元のようにサイレンは鳴らないし、黙とうをしない。
「原爆って戦争を終わらせるために仕方なかったんじゃないの?」と言われたこともあります。
生まれた場所によって環境が異なるのは当たり前のことで、その人に非があるわけではありません。
ただ、自分だけが黙とうしていた瞬間に、「こんなにも認識が違うのか」と強く感じました。
まず事実を知らないことが大きいのではないでしょうか。
原爆でどういった被害があったのか、戦時中はどのような生活をしていたのか、どれだけ多くの人が亡くなったのか。
長崎で平和について学ばせてもらったので、同世代が事実を知るきっかけの一つに私がなれたらという気持ちがあります。
ニュース番組で原處や沖縄戦について取材させていただく機会もありました。
私が発することで「戦争って怖いんだな」と思ってもらえたら、日々の生活での選択が変わっていくかもしれない。
歴史や人間の過ちを知ることで、身の回りの人を大切にしようと感じたり、生きるのがつらくても頑張ってみようと思えたりするかもしれない。
直接的ではなくてもそういったところから平和へとつながっていくのだと信じ、これからも発信を続けたいと考えています。(長濱ねる)