少し前まで、新幹線の新大阪-東京間は3時間以上かかっていましたが、いまは2時間20分ほどになっています。
リニアモーターカーが実用化されれば、また速くなります。
今まで、能勢から高槻に行こうと思えば、山あいの道を車で走る方法もありますが、一般的には池田をまわり箕面に出て、171号線を京都に向かい、茨木を通り越して、高槻にたどり着きました。
しかし、最近では、新名神がついたので、川西から高槻インターまで、あまり時間をかけずに行けるようになりました。
これ一つとってみても、人が移動するスピードはどんどん速くなります。
飛脚がひたすら二足歩行で目的地までたどり着いた時代とは、隔世の感があります。
このように、科学や交通は進化発展し続けています。
ところが、大きな自然災害に見舞われた2018年を振り返れば、科学や交通の進化発展は、大自然の力の前にはなすすべがないことを、あらためて思い知らされました。
今年もあと1日となり、今年1年を顧みて、以上のことを感じます。
また、スピードが早くなれば、人間の心はついていけなくなります。
癒しや感情、情緒などは、もっと複雑で微妙で、深いものが求められます。
それらを育むのが教育の役割であるのですが、それ以外にも、私たちの身の周りにはたくさんのものがあります。
一つ例をとれば、私は食べ物や飲み物も、人は複雑で微妙で深い感覚を担うのではないかと思います。
日本には、おいしいもの、美しい料理がたくさんあります。
お正月に食べるおせち料理、雑煮などには、さまざまな癒し、感情、情緒を感じる、日本伝統の文化が息づいています。
それらを楽しむことは、スピードが優先される日本社会にあっては、大切なことかもしれないと感じます。
それでは、みなさまよいお年をお迎えください。