箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

隠していたことが明るみになった2023年

2023年12月31日 07時36分00秒 | 教育・子育てあれこれ
2023年が過ぎようとしています。

今年は、隠していたことが明るみになった年でした。

宝塚のパワハラ問題、ジャニーズの性加害問題、政界派閥の裏金疑惑などが世間に明らかになりました。

今まではそのことが問題にならなかったことでも、今や社会の感覚や意識が変わってきています。

その点では好ましい方向に向いていると思われます。

日本経済はバブル崩壊から30年間ずっと停滞し、「失われた30年」と言われています。

この要因には、社会の女性への抑圧が続いてきたことにもあると考えられます。

日本経済が好調だった頃は、男性中心社会が回していたのです。

ところが、世界が女性が活躍する機会を拡充して、政治や経済を進めてきたのに、日本は依然としてジェンダーギャップを引きずってきました。

政治家に女性が少ないのは、その最たるものです。

社会が女性を登用をしてこなかっただけでなく、人種・性別・障害の有無などにこだわらず多様に「人財」をいかすダイバーシティ社会を実現してこなかったのは、世界の動きと逆行でした。

20世紀の終わり頃、「21世紀は人権の世紀」と言われましたが、20年以上が経ち、人権尊重を軽視してきた結果が今現れているのです。

日本の学校では1960年代から学校教育を通して、人権教育を推進してきました。

しかし、インターネット上の書き込みやコメントをみると、人権を侵害するものに溢れています。

その一方で、若い人がセクハラに対して、許さないという感覚・意識が高まっているとも思います。

ジェンダー平等やダイバーシティ社会の実現に向けては、学校での人権教育、社会での人権啓発の推進が強く求められます。





年齢を重ねるごとに思考を深める

2023年12月30日 13時39分00秒 | 教育・子育てあれこれ
校長をしていれば、生徒の情報、教職員の情報、地域の情報、教育に関する情報などさまざまな多くの情報が、自分に寄せられます。

そこから、思考し、判断して、言葉で必要なことを伝えるのです。

先延ばしにできない案件もあります。

的確・適切な判断・決断か求められます。


しかし今は、校長をしているときよりも、自分に入ってくる情報は少なくなってきています。

でもその一方で、考える時間は長くなっていると感じています。

思えば、そのことはどんな仕事であれ、定年退職した人には、共通して言えるのではないでしょうか。

ですから、わたしは意識して多くの情報に触れ、集めて、思考につなげていこうとしています。

思考することを年齢を重ねるほど深めていこうと思います。

ワクワク感は楽しい

2023年12月29日 08時18分00秒 | 教育・子育てあれこれ
仕事でも、日常生活でも、初めてのことや新しいことをやらなければならないとき、それを「やりたくない人」と「やってみようという人」に分かれます。


人は未経験なことは、やる要領がわからなかったり、失敗したくないという気持ちが起きることも多いものです。それで緊張が高まることもあります。

とくに、その新しいことに責任がついてくるときは、「失敗したくない」という思いになります。

しかし、考えてみれば責任は、英語でresponsibilityとなります。

この言葉はもともとresponse(こたえる)+ability(力・能力)です。

したがって、人が新しいことに直面し、責任が伴うのは、「あなたにはこの課題に応える力がある人です」と託されているのです。

とするならば、未経験なことに尻込みするのではなく、挑戦してみればいいのではないでしょうか。

「やってみよう」という意思は、「ワクワク感」につながることもあるでしょう。

経験のないこと、初めてのこと、行ったことのない場所に対してワクワクして、楽しくなる。

 
ものごとに緊張するか、ワクワク感をもつかで、結果は自ずから変わってくるのでしょう。



増えるミュージカルファン

2023年12月28日 08時25分00秒 | 教育・子育てあれこれ

最近、新作のミュージカルが相次いで上演され、たくさんの観客で賑わっています。

ミュージカルは、歌、踊り、芝居の三拍子がそろい、観客をひきつけます。

コロナ禍で劇場公演はオンライン配信が普及しましたが、ライブのエンターテイメントの魅力には、やはり大きいものがあるのでしょう。

ミュージカルでは、セリフを言っていたかと思うと、突然に歌いだしたり、踊りだしたりします。

ふつうの日常生活ではないようなことが起こるのがミュージカルの魅力ではないでしょうか。

でも、非日常の展開に2時間以上観客は、2時間以上、3時ほど釘付けになるのです。

新型コロナウイルス対策で、制限され、我慢を強いられた鑑賞が、堰を切ったようにあふれ出しているのです。

また、今はアニメ、ゲームが原作の2.5次元ミュージカルが好評です。

アニメファンやゲームファンが、ミュージカルにふれるきっかけとなり、劇場に通うようになる人も増えています。

自分の好きなものがミュージカルにつながっていくことを知り、ミュージカルの世界に入っていくファンが増えています。





「自由」がもたらした弊害

2023年12月27日 05時57分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私の地域では、子どもの頃と比較すると、近所の人や地域の人とのつながりは、格段に薄くなりました。

昔は、同じ組の中で、誰かが亡くなると、お葬式はその組の人が協力しあい、式を運営しました。

でも、今やお通夜も告別式も家族葬が9割以上で、式への参列もなくなりました。

コロナ禍も重なり、地域の夏祭り、秋祭りは中止された3年間でした。

地域の中での人と人の人間関係は濃く、助けられたぶんもありましたが、濃すぎる関係は煩わしさを感じることもありました。

その頃に比べると、人はある意味での「自由」を手に入れたと言えるでしょう。

今の時代は、個人が尊重され、一人でいること、好きなことをできることが認められて、周りの人が個人を束縛することがなくなってきたのです。

その反面、弊害も出てきているのではないでしょうか。

みんなが、家族の中でも、みんなが自由になり、好きなことをそれぞれができます。

子どもがスマホで外の人と自由にやりとりができます。

いったい、どれほどの親がわが子のSNSを介しての人間関係を把握しているでしょうか。

つまり、今という時代は、みんなが自由であるために、周りの人がどんな言動をとるかの予測が立たないのです。

昔の日本社会では、お互いの人間関係は縛りが強かったぶん、勝手なことはできませんでした。

その最たるものは、勝手なことをした人にあてがえられる「村八分」でした。

だから、コミュニティの中で、誰がどんな言動をしているかはみんなが知っていたのです。

自由は否定されるべきではありません。

しかし、今の世界は、国さえもが自由になります。

うちは、移民は受け入れません。

他国と戦争するのも自由です。

今の世界は、縛りがなくなり、世界規範も薄くなっているのではないかと危惧します。

自由が競争に結びつく息苦しい時代を、いま私たちは生きているのです。

人類が、封建時代や絶対王政時代の過去から求めてきた自由とは、そのような自由でなかったはずです。

個人が自立し、いざという時には助け合い、共に生きる。

そのような自由を渇望します。

増加した教員の休職

2023年12月26日 16時23分00秒 | 教育・子育てあれこれ
メンタル疾患で休職した教員の数が過去最高になりました。

2022年度は前年度より、約11%増えました。

年齢別にみても、20代、30代、40代でどの年代にあまり関係なく休職しています。

ただし、休職者のうちでメンタル疾患による休職は若手に多いという傾向があり、若手を支える学校組織の役割が重視されます。

また休職した数の増加だけを問題にするのではなく、学校としては復職に手厚い支援をしていく必要があります。

分かり合えないことから

2023年12月25日 07時47分00秒 | 教育・子育てあれこれ
世代というものごあります。

英語で言えば、ジェネレーション(generation)になりますが、40年以上前に先生から一世代はおよそ30年と教えてもらったのを覚えています。

ただし、人びとはあまり30歳以上の開きがある人たちもいう意味で、「世代」という言葉を使っていないように思います。

中年の人が「今の若い人のことは、世代がちがい、何を考えているかわからない」というように使います。

そもそも、人は他者のことはわからない、わかりあえないというのが本当のところだと、わたしは考えます。

若い人同士でも、年齢が近いから何となくただ気を遣いあっていて、「わかる」と言っているのかもしれません。

人間はわかればわかるほど、わからなくなります。

わたしが授業で接している教員志望の大学生も、わたしがいろいろと学校現場の話をしても、「よくわからないけど、そんなものなのか」と思っているでしょう。

現場のことは、現場に入らないと本当のことはわからないものです。

だから、他人はわからない、分かり合えないことがほとんどなのです。

分かり合えないことを前提とするのです。

それを、円滑なコミニケーションを通してわかりあう。
それが職場の人間関係だと思います。

光り輝かせるという役割

2023年12月24日 07時56分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校の教員もさまざまです。

生徒と話をするのがうまい人。

保護者と良好な関係を築く人。

ICTの使用に長けている人。

部活動の専門的技能をもつ人。

そのように考えると、人はそれぞれ得意というか、輝くものをもっているのです。

ただし、それはまだ原石かもしれません。

だから、その輝く可能性を見つけ、いっしょに磨き上げ、光り輝くようにするのが学校という組織の経営をあずかる者の役割だと思います。

冬至の頃

2023年12月23日 08時27分00秒 | 教育・子育てあれこれ
きのう12月22日から1月5日までは冬至です。

12月22日は、1年でいちばん昼が短くなります。

太陽の高さも、いちばん低い位置にしか昇らないのです。

本格的な冬は、じつはこれからなのです。

風邪防止の為、かぼちゃを食べたりするのがこの日です。

また、柚子湯に入る習慣も残っています。

うちの家の横には柚子の老木があります。

私のものごころついた頃からあり、途中で場所を変えるため植え替えましたが、いまも少なくはなりましたが、なんとか柚子の実をつけています。

爽やかな香りとともに、新年を迎えたいです。


白の胡蝶蘭

2023年12月22日 06時51分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今から50年ほど前に、日本では蘭(洋ラン)が輸入されました。

原生は東南アジアの熱帯雨林の中と言われています。

胡蝶蘭はあまりにもきれいで、アフロディーテという名前をもちます。

なかでも白の胡蝶蘭は日本人の好みに応じて品種改良されました。

その後、白の胡蝶蘭は贈答される花としてもてはやされるようになりました。

じつは、花びらが統一して向きが揃っている花は日本固有の栽培の仕方により実現しているのです。

蘭が蜜を吸わせるのは決まった虫だけなので、花はそれを待ち続けて長期間花を開きます。

そのため、私たちは長い間花を楽しむことができるのです。

水を与えるの控えめにして、直射日光を避け、あまり寒くないようにケアすると長持ちします。

白い胡蝶蘭は冠婚葬祭をはじめとして、様々な場面に使われます。

授業で自信を高める

2023年12月21日 08時15分00秒 | 教育・子育てあれこれ
中学校で生徒が不登校になる要因には、いろいろあります。

思春期の多感な時期にある生徒なので、対人関係、友だち関係などにあつれきや困難を感じたりすることが理由になることがあります。

いじめを受けて来れなくなることもあります。

それらはたしかに不登校の理由になります。

しかし、あまり注目はされていませんが、中学校という学校のしくみそのものに不登校になる理由があると、わたしは考えています。

中学校は、小学校とくらべて、他者との差が見えやすいしくみになっています。

定期テストの成績が点数という方にカタチになって現れやすいのです。

部活をすると、技能の差がはっきりしてきます。

中学校にはいると、家で家族にもらすもらす子がいます。

「お母さん、ボクって勉強がそれなりにできると思っていたけど、中間テストで60点しかとれなかったのに、隣の子は90点以上とっていた」

「わたしってバスケができると思っていたけど、1年生でももっと上手い子がたくさんいる」

このように、中学校では生徒間の差が見えやすいのです。

それは、いいとか悪いの問題ではなく、学校のしくみがそのようになっているのです。

そのような状況ですから、学年が進み、学習内容も難しくなると、授業がわからなくなったり、おもしろくなくなってきたりします。

その悩みは深く、自分に自信をなくし、意欲が下がり、不安が増大して不登校の下地になることもあるというのがわたしの考えです。

つまり、学習上の悩みや困難が不登校につながることがあるという見解です。

ならば、有効な手立ては授業を変えることも一つの方策です。

クラスメイトとの対話があり、思考する楽しさを感じられる授業の実践が学校に求められるのです。

教師の話をひたすら聞く受け身の授業ではなく、生徒に発言できる時間をもち、対話により友だちの意見や考えを知り、自分の思考を深め、意欲的に学習に向き合える活動のある授業が推進していくのです。

それが不登校をなくす遠いように見えますが、有効で必要な手立てです。

後悔なく生きるには

2023年12月20日 07時02分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今は価値観が大きく変わる時代です。

数10年前まで支持されていたことや許容されていた価値が変わることがあります。

学校の教師からの体罰も昔とは違い、今では許されません。

学校だけでなく、世の中全体でと価値観が次々と更新される時代です。

その時代を生きていくには、他者の意見や考えに耳を傾け、常に学ぶ態度をもつことです。

そうすれば、人生を後悔なく生きることができます。

「〜だからできない」と言わなくなり、柔軟な行動ができるのです。

自分が置かれた状況を言い訳に使わず、課題を一つずつ克服していくことが必須なのです。

このように柔軟に対応できれば、「変わってしまった。昔はよかった」と嘆きながら歳をとっていくことへの不安がなくなっていくでしょう。

性的マイノリティの児童生徒

2023年12月19日 07時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校には、いわゆる性的マイノリティに位置する児童生徒が、学年に何名かはいます。

自分が男子であることに違和感を感じ、女子でありたいと願う子、女子とされるが男子でありたい子(性自認)。

どんな性の人を好きになるか(性的指向)。

それらの児童生徒は、性的マイノリティとなる子です。


そこで、学校はその子たちのために、さまざまな配慮をします。

制服の問題、トイレの問題などいろいろとあります。

また、子どもたちが多様な性を理解できるための学習を行います。

そのような配慮や取り組みを検証する視点として大切なのは、それらが当事者の子にとって使いやすく、安心できる学校生活につながるかどうかです。

また、性自認とか性指向は、ハイレベルな個人情報になります。

どのような内容か、どの範囲まで他の児童生徒にまで広げるかは、当事者本人、その保護者に相談して、同意できたことをオープンにしないと、当事者が望まないカミングアウト(アウティング)になってしまいます。

また、配慮や取り組みは、性的少数者のみを対象にするのではなく、すべての児童生徒にとって使いやすく、安心できるようにする方が効果的です。

一般的に言って、マイノリティを大切にすることは、すべての人を大切にすることにつながるのです。

なぜなら、マイノリティがかかえる課題は、多くの人びとが多かれ少なかれかかえる課題が焦点化されたものだからです。



自らに問う

2023年12月18日 07時57分00秒 | 教育・子育てあれこれ
仕事には期限があるのが普通で、私たちは期限を意識して、進捗を気にします。

このように、私たちは日々仕事に追われるのです。

私もそのようにずっと仕事に追われる生活を送ってきました。

これは提示された問題に答えるようなものです。

ならば、問われるばかりでなく、自らに問うことも大切にしたいのです。

問うことで理解が深まり、思考を究めることができます。

自分のことがよく見えてきます。

自らを問うことを大切にしたいと思います。

街路樹がつくる景観

2023年12月17日 07時11分00秒 | 教育・子育てあれこれ
道路沿いの街路樹の風景は、殺風景になりがちな街並みにうるおいを与え、街の景観を維持する役割があり、貴重なものです。

今年、車販売の会社が店舗前の街路樹に除草剤をまき、刈らせて木を樹木を撤去していたということが報道されました。

そのように意図的に街路樹を取り除くのは問題外ですが、それとは別に、自然災害や病気で倒れる樹木もあります。

北海道がいちばん多いそうです。

次いで大阪、東京となります。

自然災害や病気で倒木すると、物損事故や人身事故につながりことがあります。

点検にはお金も人手もかかります。

そのようにして、メンテナンスを自治体は行なっています。

それを除草剤で枯らせて、切断するのは社会的責任を果たす企業として、言語道断な行為です。