いまの子どもたちは、一人で ぼっちでいることがイヤで、誰かといっしょにいることを求める傾向が強いようです。三中の子どもたちも例外ではありません。
もちろん友だちといっしょの時間を過ごすことで、子どもは安心感を覚え、それが、その子にとっての居場所になります。
そして、友だちといっしょにいることで、充実した時間を送ることができ、生活が楽しくなり、豊かになったりもします。
でも、友だちといっしょにいることを好むのは、グループの中でしか自分の居場所を見つけることができず、誰かと
いっしょにいないと不安でしようがない。
このような、思春期の子どもの心理の裏返しであるということも、養育者や教育者はとらえておく必要があります。
ただし、誰かといっしょにいることの重要性と同時に、思春期の子どもたちにとっては、「一人でいること」も成長を支えていく側面がある点にも留意しておかなければなりません。
とくに思春期の子どもでは、友だちとワイワイとにぎやかに過ごす行動と同時に、一人で時間を過ごすことが多くなる場合があります。
自分の部屋にこもって、好きなことに夢中になったり、本を読んだり、また出かけていってアイドルに没頭したりする・・・。
友だちといっしょにいるときと同様に、子どもが一人で好きなことに夢中になっているときには、一つの世界を
もっていることになり、充実感を得ており、心が豊かになっているのです。
一人になっていることを心配して、親が「何かあったの? 話してみなさい」・・・。
子どもが一人の世界に没頭しているとき、これは迷惑な声かけです。
親から見たら、「くだらない、つまらない」と思うことでも、子どもの好きなことを否定するべきではないでしょう。
それよりも、その子の好きなことについて尋ねたりすると、「うっせいー!」とめ言わずに子どもは喜んで話してくれます。
子どもが「一人の世界」を楽しんでいるときには、距離を置いて、静かに見守るようにしたいものです。それが、思春期の子どもの成長をうながします。