キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

桜桃忌

2011-06-19 13:33:08 | 
             

         今日6月19日は父の日、それから桜桃忌。太宰治の誕生日で、心中した彼の

         遺体が見つかった日。経歴だけからすると、とんでもない人ですね、太宰って。
 
         あちこちに愛人を作って、心中未遂を繰り返し、女性だけ死なせたり、あげくの

         果てに玉川上水で心中自殺。でもその作品は素晴らしく、私小説だけでなくユ

         ーモアにあふれた作品もあるのだとか。恥ずかしながら「走れメロス」と「斜陽」

         ぐらいしか読んだことがないんです。

             

         桜桃とはサクランボのこと。山形産の佐藤錦を食べるたびに思い出すのは

         十数年前、山形の実家へ戻った(らしい)友人のことです。すらっと背の高い

         美人で、それでいて東北の人らしく素朴で働きものでした。そんな彼女、ある

         時ご主人がある東南アジア系の女性と浮気をしていることを知り、悩んでいた

         のですが、潔癖症もあって、そんなご主人と同じ屋根の下で息をするのもけが

         らわしいと感じるようになり、(というところまでは私も知っていたのですが)

         ついに子どもを二人残して家を出てしまいました。その後は実家に帰ったので

         はという以外、だれに聞いても何もわからず今に至っています。どうしている

         のだろうと時々考えます。私だったら、悪い旦那を追い出して、自分は家にい

         続けただろうと思うのですが、とても控え目な人だったのでね。故郷に帰って

         心が落ち着いたのかもしれません。今の生活やしがらみを一時に一切捨て

         るなんてとても不安だと思うのですが、そういう意味で彼女は結構強い気持ち

         を持った人だったのかもしれません。パウンドケーキとサクランボでお茶しなが

         ら、とりとめもなくそんなことを考えている桜桃忌です。        
コメント
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