キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

壁の向こうには何がある?

2011-07-28 16:53:26 | 
Tillie and the Wall (Dragonfly Books)
Leo Lionni
Dragonfly Books

どうするティリー?
Leo Lionni,谷川 俊太郎
あすなろ書房

          その壁はずっと前からそこにあって、壁の向こうに何があるかなんて

          誰も気にしません。ティリーを除いては。ティリーは朝も夜も考えま

          した。壁の向こうには素晴らしい世界があって、きれいなものや面

          白い生き物がいるにちがいないって。ティリーは壁の向こうへ行く

          ことにきめました。登ってみたり、穴を開けようとしたり、きっと端っ

          こがあるだろうと壁に沿って歩いてみたり。でもどうしても行けませ

          ん。ある日ティリーは壁の下からミミズが這い出てくるのを見ました。

          そうだ!ティリーは壁の下にぐんぐん穴を掘って、とうとう壁の反対

          側へ出ました!ところがそこにいたのは、やっぱり同じネズミたち。

          やってきたティリーを大歓迎してくれました。ティリーがそこのネズ

          ミたちを連れて、壁の下をくぐって戻ると、そこでも大歓迎パーティー

          が開かれました。それからは、壁の両側のネズミたちは自由に行き

          来するようになりました。

          

          因習や常識を打破するパイオニアというのは、特別な者なのかもし

          れません。それにティリーみたいに歓迎されるより、「触らぬ神に祟

          りなし」で、たいていの場合は、余計なことをするやつと、排斥され

          る場合が多いのではないでしょうか。このかわいらしいネズミのカラ

          フルな絵本は、案外と深い意味を持っているようです。

          

          また、この絵本の初版は1989年、ベルリンの壁が崩壊した年です。

          ユダヤ人であったレオ・レオニは、二次大戦中亡命をよぎなくされた

          とか。戦後長い時間が経ってやっと壁が取り除かれました。それゆえ、

          これは彼が特別な思いを持って作った絵本なのでしょう。壁のこちら

          にも向こうにも、同じ人々が、生き物が住んでいるんだという思いを。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カタカナの花々

2011-07-28 09:31:40 | 季節の花々
              

            お花屋さんのカジュアルな花束には必ず入っている花、アルストロメリア。

            よく見るけど、名前は何だっけ、カタカナで覚えられないっていう花の

            代表です。こういう花は案外たくさんあります。

              

            これはアスチルベ。割とよく見かけますが、目立つような目立たないよう

            な中途半端な感じがなんだかかわいい。アスチルベというのはギリシャ

            語で「輝きがない」という意味らしいです。なるほど。アワモリソウなん

            ていう和名もあるようですが。

             

            これはジュランタ。この時期あちこちに咲いています。濃い紫に、くっきり

            した白い縁取りで、房になって咲くきれいな花です。タイワンレンギョウ

            とも呼ばれるとか。でも先に覚えたジュランタのほうが合っているような。

            カタカナ名前の花々、他にもまだまだあります。割と新しく日本に入って

            きたものが多いのでしょうね。エキゾチックな感じがすてきです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする