てるてるぼうず | |
おぐま こうじ | |
くもん出版 |
雨が「ぽつぽつ」降ってきて、雷が「ぴかっ」、風が「ざわざわ」、雨が「ざーざー」、
やがてやんで雨粒が「ぽつんぽつん」、お星様が「ぴかぴか」、朝になるとおひさま
「ぽかぽか」、てるてるぼうずは、軒下で気持ちよさそうに「ゆらゆら」。
どのページにも短い擬音語や擬態語とてるてるぼうずだけ。てるてるぼうずが雨に
打たれたり、風に吹かれたりしているだけですが、そのシンプルさがいいんです。
たまらなくかわいい絵本です。
あめふりくまのこ(雨の日の詩) (季節の詩の絵本) | |
こわせ たまみ,矢合 直彦 | |
あすなろ書房 |
"お山に雨がふりました あとからあとからふってきて ちょろちょろ小川ができました
いたずらくまの子かけてきて そっとのぞいて見てました 魚がいるかと見てました
なんにもいないとくまの子は お水を一口のみました おててですくってのみました
それでもどこかにいるようで も一度のぞいて見てました 魚をまちまち見てました
なかなかやまない雨でした 傘でもかぶっていましょうと 頭に葉っぱをのせました"
作詞:鶴見 正夫 作曲:湯山 昭
大好きな童謡です。好奇心いっぱいの子ぐまが魚をいっしょうけんめい探してい
る様子がとてもかわいい。雨の日が楽しくなる歌です。金子みすゞの詩やこんな
童謡を声に出して読むと日本語っていいなと思います。優しくて、リズムがあって。
楽天や商社など、英語を社内公用語化しているところもあるようですが、それって
どうなんでしょうね? グローバル企業が競争に打ち勝つには必須ということでし
ょうね。でも、イタリアに行って思ったのですが、彼らはほんとによく喋る。他愛
もないことをリズミカルに。それって聴いていて気持ちがいい。もちろん同じアル
ファベットを使う言語同士だから、英語を話すにも、日本人なんかより有利だし、
外国人に対してはしゃべっていましたが。日本も公のところでも、もっと日本語を
大事にして、話してもいいのでは?なんて思います。
Where Do They Go When It Rains? | |
Gerda Muller | |
Floris Books |
雨がふったら、どこへいく? (児童図書館・絵本の部屋) | |
Gerda Muller,いとう なおこ | |
評論社 |
日本の雨の日絵本を2冊あげましたが、翻訳物にもとても良いのがあります。
この『雨がふったら、どこへいく?』は絵が秀逸。ちょっと安野光雅を思わせ
る細密な綺麗な色の絵です。町に住むマリオンとルークという男女の双子が、
いとこに連れられて、田舎のおばあちゃんちの周りへ探検に出かけます。
家畜や野原の虫や花や飛ぶ鳥や小川の魚や、色々なものに出会います。
雨が降って来ました。雨の中の動物たちのようすが詳しく描かれています。
双子は大喜び、水たまりをぴしゃぴしゃはねて、どろんこになって。やがて
雨が止み、楽しい一日を過ごした双子は町へ帰って行きました。
ちょっと科学絵本のような感じもありますが、双子も動物たちも虫や花も、
とてもいきいき描かれていて、読んだ人はきっと近くの野原や川辺へ行き
たくなるでしょう。そして、その時雨が降ってきても、ちょっと濡れてみたくな
るでしょう。子供の目で見た自然の世界って万国共通。英語で書かれたも
の(作者のゲルダ・ミューラーはオランダ人なので、元はオランダ語かもし
れません)の日本語訳にもあまり違和感がありません。