キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

身を削られる武甲山

2012-07-09 09:44:16 | 地球
       

        ここは秩父の羊山公園芝桜の丘。4月のシーズンには色とりどりの芝桜が

        見事な花の絨毯を織りなし、眼を見張るばかりでした。花に負けないほど

        の数の観光客もいて。でも今は人っ子ひとりいない緑の草原です。

       

        丘のむこうには武甲山が見えるはずなのですが、こんなふうにね。それも

        雨に煙って見えません。この武甲山、日本二百名山にも数えられる名山

        す。大和武尊が甲を奉納したのでこの名がついたのだとか。有名な秩父の

        夜祭りは、武甲山の男神様と秩父神社の女神様の年に一回の逢瀬を祝

        う祭りです。

        

        でもこの山、石灰岩質であるために、昔は漆喰の材料に、明治以降はセ

        メントの材料として、大規模に採掘され、北斜面は山姿が変貌するほど

        切り崩され、高さも変わってしまったとか。

        

        切り出しの現場あたりは、驚嘆するほどの建物設備群です。今もどんどん

        山が削られているのだと実感します。身を削られ続ける神の山武甲山。

        人間とは恐ろしいものです。
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