東京駅のすぐ近く、丸の内ブリックスクエアにある三菱一号館美術館の前
庭です。暑い真昼、木々で覆われた柱からウォーターミストのシャワーが。
涼しい!このミスト・シャワー、初めて出会ったのは十数年前カリフォルニ
アのディズニーランドでした。今じゃ日本中どこでもありますね。
この美術館は、明治中期に英国人建築家ジョサイア・コンドルが設計した
三菱銀行の事務所だったビルを、かなり忠実に再建したものだそうです。
いわばフィレンツェのウフィッツィ美術館の小型版、現代版といったところ
でしょうか。中も当時の雰囲気そのままですが、さり気なくハイテクです。
私の好きな英国ラファエル前派のエドワード・バーン・ジョーンズの展覧会
が開かれているというので、行って来ました。中は以前の事務所の造りの
まま再現されているので、小さい部屋を3階からへ1階くねくねと巡り歩いて、
作品を見ていきます。他の美術館とはちょっと違う新鮮な感覚。たくさんの
バーン・ジョーンズの作品が、テーマごとに分けてうまく展示されています。
彼の絵は一見イタリア・ルネッサンス期の絵のように見えるものもありま
すが、装飾性が強く、より幻想的かつ神秘的です。同時代のフランス印象
派とは、かなり趣が違います。好みの分かれるところでしょう。
建物のあるブリックスクエアは、ごく最近造られた人工的な空間ですが、
とても上手に植物を使って、爽やかな憩いの場所になっていて、ベンチ
でランチするサラリーマンやオフィスレディーがおおぜいいました。
帰りはまたこの東京駅からJRで川崎へ。たまにしか行きませんが、毎回
この近辺の垢ぬけさ具合に、完全にお上りさん状態になる私です。遠い
ところから初めて来たように、ポカンと口を開けて建物や人々を見てし
まいます。自分が住む下町で感じる日本のイメージとはかなり違うので。