マシューのゆめ―えかきになったねずみのはなし | |
谷川 俊太郎 | |
好学社 |
今大人になっている40歳位ぐらいから下の人は、国語の時間にレオ・レオ
ニの『スイミー』を習ったと思います。「みんなで泳げばこわくない。ボクが
目になるから」あの勇敢な小さな魚のお話です。そのはり絵風の絵の斬
新さと鮮やかさ、お話のちょっと悲しいぐらいの健気さと、そこはかとない
ユーモアには、子どもだけでなく大人も惹かれます。彼の絵本の主人公
はみんな動物ですが、そのうちでも圧倒的に多いのがネズミです。
アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし | |
谷川 俊太郎 | |
好学社 |
その可愛らしさと言ったら!ミッキーマウスにも負けません。でもその
性格は千差万別、賢いのや、オバカさんや、勇敢なのや、臆病なのや、
いばりんぼうや、我慢強いのや、才能に溢れたのや。名前も千差万別。
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし | |
谷川 俊太郎 | |
好学社 |
みんながせっせと働いているときに、じっと座って冬のために「ことば」
や「いろ」や「おひさまのひかり」を集めている、変わり者のフレデリック。
ぜんまいねずみとお友だちになったアレクサンダ、壁の向こうに最初に
冒険に行ったティリー、ジェラルディン、シオドア、マシュー、ニコラスetc.
シオドアとものいうきのこ | |
谷川俊太郎 | |
好学社 |
自分の中に絵かきの才能を見つけたマシューや、チーズの中に音楽
を見つけたジェラルディンなんていう感動的なお話もありますが、私
のお気に入りはこの『シオドアとものいうきのこ』。「クィルプ」と言う
言葉だけをしゃべる8月の空のように青いきのこが秀逸です。臆病なシ
オドアは「クィルプ」というのは「ネズミが動物のうちで一番偉い」とい
う意味だとみんなに信じこませ、王様になるのですが、その嘘がバレ
て、大慌てで逃げました。おばかさんの、いばりんぼうのシオドア、
一体体どこへ逃げていったのでしょう?今度は赤いきのこをさがし
ているかもしれません。