「リラの季節」というのはフランスで初夏の一番快適な季節を言うようです。
夫が旅した5月末の東北は、まさにリラの季節だったようで、盛岡の盛岡城
跡公園の紫色のリラつまりライラックが満開。ライラックは北海道が有名な
ように、この川崎あたりは暑すぎるのか、あまり見られない花だけに、余計
ロマンチックな感じのする香りの良い花です。「リラ冷えの街」という渡辺
淳一の小説がありました。もっと薄い紫や白いライラックもきれいですね。
この花が咲いていたのは、盛岡城跡公園。正式名称は岩手公園ですが、
ニックネームのほうが幅を利かせているようです。もっとも盛岡城跡であ
ることは確かなので。
南部氏の居城であった盛岡城には建物はほとんど残っていませんが、
土塁の多い東北地方では珍しく立派な花崗岩の石垣が残っています。
庭園も美しいですね。盛岡の古名である不来方(こずかた)を用いて、不来
方城とも呼ばれます。石川啄木の
不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心
という歌碑が立っているそうです。