キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

ぞう列車がやってきた--どんな反戦の言葉より心に響く合唱

2015-09-01 09:59:16 | 世界
ぞうれっしゃがやってきた (絵本ノンフィクション 23)
箕田 源二郎
岩崎書店


           第二次大戦中、空襲で動物が逃げ出して、人を襲ったら大変だということで

           猛獣処分令が出されました。飼育員たちの必死の抵抗にもかかわらず、どこ

           の動物園でも、次々と動物が処分されていきました。名古屋の東山動物園

           でも、ライオンや熊や、罪もない動物が殺されて行きました。でも、ゾウだ

           けはと、園長さんを始めとして必死に守りぬきました。しかし十分な餌がな

           く、4頭のうち2頭が衰弱死。2頭が終戦まで何とか生き残りました。東京の子

           ども議会が、日本に2頭しか残っていないゾウを見たい、貸してくれないかと

           東山動物園に頼んできました。餌不足で衰弱してしかも高齢のゾウを東京に

           連れて行くのは不可能でした。そこで、人々と子どもたちの熱意と、国鉄の

           計らいで、子どもたちを乗せた列車がゾウに会いに行くことになったのです!

               

          この実話が本になり、それを元に合唱組曲が作られました。毎年いろいろな

          ところで上演され「ぞう列車」を専門に歌う合唱団もあります。           

              

          川崎でも、8月30日のかわさきの風コンサートで、上演され、息子と孫娘が

          出演しました。4、5歳の子どもから高齢の方まで幅広い人が出ていました。

          とても重い悲しい内容ですが、健気に一生懸命歌う子どもたちがいじらしく、

          大人たちの思いのこもった歌声が感動的で、涙なしには聴けませんでした。

          戦争は悲惨だ、二度と絶対にしてはならないと、百万回言うより、ずっと強

          いメッセージでした。多くの人々が犠牲になった戦争、何の罪もない動物た

          ちも犠牲になっていたのですね。
           
コメント
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