故郷から秋を風を運んでくれる奈良の二十世紀梨を、今年も弟夫婦が送っ
てくれました。大ぶりで、みずみずしくて、ちょっともっちりした食感のとても
甘い豊水や幸水とはまた違った味わいです。
今日9月19日は子規忌、正岡子規が35年の短い生涯を終えた日です。
子規といえば、柿の句が有名ですが、ここ川崎にも何度か訪れたようで
その度に名産の梨の句を作っています。
行く秋に梨並べたる在所かな
川崎や梨を食い居る旅の人
川崎や小店々々の梨子の山 など。
食いしん坊だったらしい子規のことですから、食べ物の句はたくさんあり
ますが、梨も好物の一つだったのでしょう。
もちろん、子規といえばあの句を思い出します。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
梨も柿も、故郷奈良と今住む川崎とどちらにも縁の深い日本の秋の実りです。
柿に至っては、実はもちろん、その葉も昔からとても馴染みの深いものでした。
山村のふるさとの食べ物としては唯一の名物と言えるでしょうか、鯖寿司を
柿の葉で包んだ柿の葉寿司です。母や叔母のなつかしい味です。
柿の葉に鮨を包める母系かな 岡本紗矢句集「向日葵の午後」より