春の沈丁花と同じく、秋の金木犀の香る今頃は一年で一番芳しい季節です。
この時期になると、ああ又秋が来たなと、何故か物悲しいような、なつかし
いような気分になります。そして以前に「金もくせい」という合唱組曲をコー
ラスで歌ったのを思い出します。その何曲目かに「公園通りの金もくせい」
というのがありました。「金木犀の香る道、時が逆さに流れだす、、、」
毎年金木犀を見て、香りをかぐ度に、このフレーズを思い出します。
お彼岸も過ぎて、そろそろ彼岸花は終わりですが、萩の花はまだ盛りです。
赤い萩、白い萩、こんなふうに赤と白が混じった萩の花もあります。
そういえば今夜は仲秋の名月、萩の花から「萩の月」というお菓子
の連想で思い出しました。でも今空は厚い雲に覆われていますが。
紫式部の実もつややかな紫色になりました。紫式部のライバルの
清少納言の「枕草子ニ五五段」に「月のいとあかきおもてにうすき
雲、あはれなり」なんていうのがあります。もう少し晴れて、風流な
薄雲のかかった名月が見られるといいのですが。