先日の日記に、米澤穂信さんの『春期限定いちごタルト事件』を読んでいる・・・と書きました。

その時の感想は、まだ、前半途中までしか読んでいない状態での感想だったのですが・・・・・・。
↓↓↓(コチラ)
【10月21日『春期限定いちごタルト事件』】
最後まで、読み終わって、超ビックリ!!!!!
見事に、前半の人物描写に騙された!・・・・・・というか、衝撃の結末でした。
というのも。
冒頭から、ずっと、痛々しいほど脆く儚い印象だった、主人公の2人。
小鳩クンと小左内さん。
この2人は、恋人でも何でも無いんだけど。
2人一緒に居ることで、まわりに「恋人同士」と思われ、それを隠れ蓑に、とにかく目立たないように、あまり周りの人間と深く関わらないように生きてる感じで。
互いに互いを助け合う、守り合うって、約束を交わしてるのですよね。
特に、高校生なのに、小学生くらいの体格しかない小柄な小左内さんは、人見知りも激しく。
知らない人が来ると、すぐ小鳩君の背中に隠れてしまうような、内気な子。
この2人が、学校生活における、不可解な謎を、色々と解く短編集なのですが。
とにかく、この2人が「目立たないこと」、「普通でいること」に固執する所が、ちょっと異様なまでで。
そして、2人には共有する秘密がある。
なので、私はてっきり、この2人は、例えば、中学時代にイジメにあったりして、それで、高校生からは、目立たないように大人しくしているのかな~等と勝手に想像していた訳ですが。
なんと!
全然違った・・・・・。
っていうか。
小鳩クンの方は、なんとなく、最初から分かってたような気もするのですが。
何事にも無関心、ごく普通の「小市民」をモットーに掲げている小鳩クン。
昔は、物凄く推理好きというか、人よりもよく智恵が回るのを良いことに、何にでも首を突っ込み、小賢しい推理をし、もったいぶる・・・・・・探偵の真似事のようなことが大好き・・・・・というか、そうせずには居られない性格だった模様。
詳しくは語られていないのですが、彼は、その小賢しい性分で、中学時代、人を傷付けたり、はたまた、自分が痛い目にあったりしてて。
それで、もう、そういう小賢しい智恵を見せびらかすようなことは、一切止めて、何事も無関心、とにかく目立たない、ごく普通の高校生を目指している~~~ということだったのですよね。
まあ、これは、物語の中で、彼が心ならずも、謎解決を迫られ、そして、探偵のように謎を解いていく姿でなんとなく分かりました。
がしかし!
ビックリしたのは、ヒロイン小左内さんの方。
本当に、内気が服を着て歩いているような・・・・そんな大人しく弱々しい女の子だと思っていたのですが。
後半になるにつれ、徐々に
「?????」
と違和感を感じてきます。
そして、そんな彼女の真の姿とは・・・・・・。
小鳩クンが「狐」なら、小左内さんは「狼」。
その小学生にも間違われそうな幼い(シャレみたいになっちゃった)容姿からは想像も付かないほど、怖いんです(>_<)
かつての彼女の趣味は「復讐」。
自分に嫌な想いをさせたり、自分に危害を加えた相手に対しては、徹底的に、完膚無きまでに、復讐する・・・・・・という性格の子。
でも、やっぱり、その性格がアダになって、過去に、なにやらあったようで。
それで、小鳩クンと共に、自分のその嫌な性格を封印して、一切目立たない、普通の高校生になる・・・・・・と決めていた様子。
「いちごタルト事件」では、短編ながらも、1つの大きな物語が軸にあって。
小左内さんの自転車が盗まれ、彼女が楽しみにしていたいちごタルトが台無しになった・・・という些細な事件から、法律に触れる大きな犯罪に巻き込まれます。
そこで、小鳩クンは封印していた探偵の真似事で、事件を推理し。
そして、小左内さんは、タルトと自転車の恨みから、犯人に封印していた復讐を決行する・・・。
まあ、そのお陰で、犯罪の方は未然に防がれ、めでたしめでたしなのですが。
本人達にとって見れば、ルールを破ってしまい、「普通の子」になれなかったことにショックを抱くわけですね(笑)
そんな「いちごタルト事件」の続きに当たる、「夏期限定トロピカルパフェ事件」。

こちらでは、2人は2年生になっており。相変わらず、小市民を目指して、目立たない高校生活を送っているのですが。
またまた、この2人が事件に巻き込まれるというか、犯罪の臭いを嗅ぎつけるというかで(^^;
やっぱり、小市民にはなれない・・・・のですね。
緊張の夏、小市民の夏・・・・!です。
展開としては、やはり、1つの大きな軸となる物語があって、その中に、短編で、小さな日常事件がチョコチョコ入ってきます。
で。
今回の大きな事件は、違法薬物に関わっている女子高生のお話で。
その事件に巻き込まれて、小左内さんは誘拐され、彼女の家には、身代金を求める電話までかかってくるのですよね。
そして、彼女を助けるために、またしても、封印していた探偵ごっこを再開する小鳩クン。
小鳩クンの名推理のお陰で、小左内さんは無事救出。犯人グループも逮捕。
やはり、事件解決めでたしめでたし。
そして、彼女の大好きな夏期限定トロピカルパフェで祝杯を挙げているときに。
小鳩クンは、その事件に対して、本当の真相を小左内さんに語って聞かせるのですが。
それが、かなり、衝撃的な結末です。(ある程度推理できたけど)
そして、そのショッキングな真相により、物語は、もっと切ない終わり方をするのです(>_<)
なんか、もう、読み終わった後、胸が締め付けられるような、悲しいような、淋しいような・・・・・・そんな気分になっちゃうのですよね(;;)
うん。
小鳩クンが知ってしまった事件の真相。
それによって、2人は「別れる」ことになります。
いや、「別れる」というと、いかにも、恋人同士みたいですが。
彼らの場合、恋人同士ではないので「別れる」という表現はおかしいかもしれません。
でも、2人は、周りから「恋人同士」と思われることを狙って、常に一緒にいる訳だから。
そういう意味では、「別れる」という表現でもあっているのかも。
2人一緒にいても、いなくても、自分たちの悪い性格は直らない。
小鳩クンは、ついつい、小賢しい智恵を働かせ、探偵の真似事をするし。
小左内さんは、復讐を止められない。
そもそも2人が一緒にいるのは、自分たちの、そういう嫌な性分を押さえるため。
どちらかが、暴走しそうになったら、一方がストッパーになる。
でも、2人一緒にいることで、余計に、その性分を直せなくなっている。
だったら、もう、一緒にいる必要はない。
そうやって、淡々とコンビ解消する2人だけど。
でも。
互いに互いは、恋愛感情は無いと言ってるけど。
単に、自分の性格を直すためだけに、一緒にいる「同士」だと言っているけど。
でも、やっぱり、一緒に居ることを「楽しい」と思っていたことは事実なのですよね。
多分、2人は、自分の嫌な性分を封印することにいっぱいいっぱで見えてなかったけど・・・お互い、好きなんだと思う。
だから、コンビ解消に納得しつつも、互いに悲しいと思ってる。
それが、凄く切なかったです(TT)
そしてそして、その続きの『秋期限定栗きんとん事件<上>』では。
学校でも、2人は「別れた」ことになっていて。
それぞれに、新しいカレシ、カノジョが出来るのですよね。
今、3巻目を読んでいるのですが。
1、2巻で見られた、小鳩&小左内コンビが見られず、互いに、違うパートナーと一緒なので、物凄く悲しい(TT)
小鳩クンも、カノジョと色々デートして、それはそれで「幸せ」と思ってるけど。やっぱり、本当は楽しく無さそうで。
ううううう(TT)
とりあえず、上巻は、もう読み終わりそうで、下巻に行きますが。
事件もさるこさながら、この2人の恋(?)の行方にも気になります。

その時の感想は、まだ、前半途中までしか読んでいない状態での感想だったのですが・・・・・・。
↓↓↓(コチラ)
【10月21日『春期限定いちごタルト事件』】
最後まで、読み終わって、超ビックリ!!!!!
見事に、前半の人物描写に騙された!・・・・・・というか、衝撃の結末でした。
というのも。
冒頭から、ずっと、痛々しいほど脆く儚い印象だった、主人公の2人。
小鳩クンと小左内さん。
この2人は、恋人でも何でも無いんだけど。
2人一緒に居ることで、まわりに「恋人同士」と思われ、それを隠れ蓑に、とにかく目立たないように、あまり周りの人間と深く関わらないように生きてる感じで。
互いに互いを助け合う、守り合うって、約束を交わしてるのですよね。
特に、高校生なのに、小学生くらいの体格しかない小柄な小左内さんは、人見知りも激しく。
知らない人が来ると、すぐ小鳩君の背中に隠れてしまうような、内気な子。
この2人が、学校生活における、不可解な謎を、色々と解く短編集なのですが。
とにかく、この2人が「目立たないこと」、「普通でいること」に固執する所が、ちょっと異様なまでで。
そして、2人には共有する秘密がある。
なので、私はてっきり、この2人は、例えば、中学時代にイジメにあったりして、それで、高校生からは、目立たないように大人しくしているのかな~等と勝手に想像していた訳ですが。
なんと!
全然違った・・・・・。
っていうか。
小鳩クンの方は、なんとなく、最初から分かってたような気もするのですが。
何事にも無関心、ごく普通の「小市民」をモットーに掲げている小鳩クン。
昔は、物凄く推理好きというか、人よりもよく智恵が回るのを良いことに、何にでも首を突っ込み、小賢しい推理をし、もったいぶる・・・・・・探偵の真似事のようなことが大好き・・・・・というか、そうせずには居られない性格だった模様。
詳しくは語られていないのですが、彼は、その小賢しい性分で、中学時代、人を傷付けたり、はたまた、自分が痛い目にあったりしてて。
それで、もう、そういう小賢しい智恵を見せびらかすようなことは、一切止めて、何事も無関心、とにかく目立たない、ごく普通の高校生を目指している~~~ということだったのですよね。
まあ、これは、物語の中で、彼が心ならずも、謎解決を迫られ、そして、探偵のように謎を解いていく姿でなんとなく分かりました。
がしかし!
ビックリしたのは、ヒロイン小左内さんの方。
本当に、内気が服を着て歩いているような・・・・そんな大人しく弱々しい女の子だと思っていたのですが。
後半になるにつれ、徐々に
「?????」
と違和感を感じてきます。
そして、そんな彼女の真の姿とは・・・・・・。
小鳩クンが「狐」なら、小左内さんは「狼」。
その小学生にも間違われそうな幼い(シャレみたいになっちゃった)容姿からは想像も付かないほど、怖いんです(>_<)
かつての彼女の趣味は「復讐」。
自分に嫌な想いをさせたり、自分に危害を加えた相手に対しては、徹底的に、完膚無きまでに、復讐する・・・・・・という性格の子。
でも、やっぱり、その性格がアダになって、過去に、なにやらあったようで。
それで、小鳩クンと共に、自分のその嫌な性格を封印して、一切目立たない、普通の高校生になる・・・・・・と決めていた様子。
「いちごタルト事件」では、短編ながらも、1つの大きな物語が軸にあって。
小左内さんの自転車が盗まれ、彼女が楽しみにしていたいちごタルトが台無しになった・・・という些細な事件から、法律に触れる大きな犯罪に巻き込まれます。
そこで、小鳩クンは封印していた探偵の真似事で、事件を推理し。
そして、小左内さんは、タルトと自転車の恨みから、犯人に封印していた復讐を決行する・・・。
まあ、そのお陰で、犯罪の方は未然に防がれ、めでたしめでたしなのですが。
本人達にとって見れば、ルールを破ってしまい、「普通の子」になれなかったことにショックを抱くわけですね(笑)
そんな「いちごタルト事件」の続きに当たる、「夏期限定トロピカルパフェ事件」。

こちらでは、2人は2年生になっており。相変わらず、小市民を目指して、目立たない高校生活を送っているのですが。
またまた、この2人が事件に巻き込まれるというか、犯罪の臭いを嗅ぎつけるというかで(^^;
やっぱり、小市民にはなれない・・・・のですね。
緊張の夏、小市民の夏・・・・!です。
展開としては、やはり、1つの大きな軸となる物語があって、その中に、短編で、小さな日常事件がチョコチョコ入ってきます。
で。
今回の大きな事件は、違法薬物に関わっている女子高生のお話で。
その事件に巻き込まれて、小左内さんは誘拐され、彼女の家には、身代金を求める電話までかかってくるのですよね。
そして、彼女を助けるために、またしても、封印していた探偵ごっこを再開する小鳩クン。
小鳩クンの名推理のお陰で、小左内さんは無事救出。犯人グループも逮捕。
やはり、事件解決めでたしめでたし。
そして、彼女の大好きな夏期限定トロピカルパフェで祝杯を挙げているときに。
小鳩クンは、その事件に対して、本当の真相を小左内さんに語って聞かせるのですが。
それが、かなり、衝撃的な結末です。(ある程度推理できたけど)
そして、そのショッキングな真相により、物語は、もっと切ない終わり方をするのです(>_<)
なんか、もう、読み終わった後、胸が締め付けられるような、悲しいような、淋しいような・・・・・・そんな気分になっちゃうのですよね(;;)
うん。
小鳩クンが知ってしまった事件の真相。
それによって、2人は「別れる」ことになります。
いや、「別れる」というと、いかにも、恋人同士みたいですが。
彼らの場合、恋人同士ではないので「別れる」という表現はおかしいかもしれません。
でも、2人は、周りから「恋人同士」と思われることを狙って、常に一緒にいる訳だから。
そういう意味では、「別れる」という表現でもあっているのかも。
2人一緒にいても、いなくても、自分たちの悪い性格は直らない。
小鳩クンは、ついつい、小賢しい智恵を働かせ、探偵の真似事をするし。
小左内さんは、復讐を止められない。
そもそも2人が一緒にいるのは、自分たちの、そういう嫌な性分を押さえるため。
どちらかが、暴走しそうになったら、一方がストッパーになる。
でも、2人一緒にいることで、余計に、その性分を直せなくなっている。
だったら、もう、一緒にいる必要はない。
そうやって、淡々とコンビ解消する2人だけど。
でも。
互いに互いは、恋愛感情は無いと言ってるけど。
単に、自分の性格を直すためだけに、一緒にいる「同士」だと言っているけど。
でも、やっぱり、一緒に居ることを「楽しい」と思っていたことは事実なのですよね。
多分、2人は、自分の嫌な性分を封印することにいっぱいいっぱで見えてなかったけど・・・お互い、好きなんだと思う。
だから、コンビ解消に納得しつつも、互いに悲しいと思ってる。
それが、凄く切なかったです(TT)
そしてそして、その続きの『秋期限定栗きんとん事件<上>』では。
学校でも、2人は「別れた」ことになっていて。
それぞれに、新しいカレシ、カノジョが出来るのですよね。
今、3巻目を読んでいるのですが。
1、2巻で見られた、小鳩&小左内コンビが見られず、互いに、違うパートナーと一緒なので、物凄く悲しい(TT)
小鳩クンも、カノジョと色々デートして、それはそれで「幸せ」と思ってるけど。やっぱり、本当は楽しく無さそうで。
ううううう(TT)
とりあえず、上巻は、もう読み終わりそうで、下巻に行きますが。
事件もさるこさながら、この2人の恋(?)の行方にも気になります。