★ベルの徒然なるままに★

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映画『テルマエ・ロマエ』

2012年05月15日 | 映画鑑賞記
GW中に見に行った、映画『テルマエ・ロマエ』。
まだ、感想をUPしていなかったので、今日は、その感想を♪♪

凄く面白い作品だったので、めっちゃオススメしたい映画ですよ~(*^^*)v


■映画「テルマエ・ロマエ」予告編


古代ローマの浴場(テルマエ)設計技師ルシウスは、生真面目すぎる性格から時代の変化に戸惑いを感じていました。

本来、風呂とは、落ち着いて疲れを癒す場であるのに、最近のローマ人は、絢爛豪華で巨大な浴場を求めるようになっていく・・・そして、そんな風呂は人で混み合い、騒がしく、のんびりと湯船に浸かる事も出来ないという有様。

風呂を愛するが故に、このような流行に則った浴場ではなく、本来の風呂のあるべき姿に拘るルシウス。
けれども、そんな時代に逆行するような考えが受け容れられるはずもなく、彼は、とうとう職を失ってしまうのでした。

そんな彼は、騒々しい風呂の中で、「静かに考え事が出来るのは、湯の中だけだ・・・」と、湯に潜り、水中で考え事をしていたのですが。

いきなり、排水溝の水流に巻き込まれてしまい、風呂の中で溺れてしまいます。

そして。

やっとの想いで湯の中から顔を出した彼が居たところとは・・・・。


なんと、現代日本の銭湯にタイムスリップしていたのです!!!!!


平たい顔の日本人を見た彼は、風呂場の排水溝を通って、属州の民か奴隷用の風呂場に紛れ込んでしまったのだ・・・と思うものの。

そのローマを遥かに凌駕する風呂文化の素晴らしさに、感銘を受けるのでした。

そして、現代日本で目にした風呂文化にヒントを得て、ローマでもテルマエを作ると、それは一気に大人気。

瞬く間に、ルシウスは、ローマでテルマエ設計技師としての名声を得ていくのですが・・・・・・・・・。




人気コミックスが原作の映画、というのと、古代ローマ人を日本を代表する「濃ゆい顔」の俳優さんが演じる・・・くらいしか、元々、前知識は無かったのですよ。

なので、最初は、古代ローマの、テルマエ設計技師さんが、現代日本にタイムスリップし、帰れなくなって・・・その現代日本に滞在中に、日本のお風呂の技術を身につけ、最終的には、自分の時代に帰っていく話なんだ・・・と勝手に思っていました。

そしたら!

ちょうど、映画公開前に、本屋さんに置いてあった「お試し版」なる本を立ち読みしてみたところ、なんとっ!

主人公のテルマエ設計技師・ルシウスは、何度も何度も、古代ローマと現代日本とを行き来している~~という1話完結なお話で、超ビックリしました!!

なので、その原作を、どういう風に、映画という1つのまとまったストーリーにするのか?とか、上戸彩ちゃん演じる、ヒロイン・真実は、どんな風に物語に絡んでくるのか?とか、色々、公開前から気になってしまいまして。

とても楽しみに、映画館へと足を運びました。


それだけ、期待に期待を重ねて、楽しみに鑑賞した『テルマエ・ロマエ』・・・もう、文句なしに面白かったです!!!!!

特に前半は、容赦なく笑わせてくれましたですよっ。

この作品、『のだめカンタービレ』で監督をされた武内英樹さんがメガホンを取っている・・・ということもあって、漫画→実写の描き方に関しては、とても期待していましたが、もう、期待以上で凄かったです~(*><*)

そういえば。

以前、私、『のだめカンタービレ』の舞台挨拶を見に行ったことがあったのですよ。
その時、武内監督が、
「『のだめ』が終わっちゃったから、今後、自分は何を作っていけば良いんだ(>_<) 漫画原作で、こんな面白いことは、もう、出来ないんじやないかな?」
みたいなことを仰っていたのが印象的でしたが。

いやいやいやいやいや。
監督、凄いですっ。
『テルマエ・ロマエ』、本当に面白くて、視覚的な面でも、ストーリーの面でも、色々なセンスの面でも、漫画→実写を見事に成功させていらっしゃると思います!


という訳で、物語ですが。

主人公は、古代ローマのテルマエ設計技師のルシウス。
彼は、風呂に対するこだわりが並々ならず、それ故に、風呂本来の良さというのに拘り、伝統を重んじるタイプなのですよね。
けれども、目新しい物を求める世俗は、新進のテルマエ設計技師が作る、斬新なテルマエの方を好み・・・。
ルシウスは、段々と職を失っていく訳です。

とはいえ、彼は、融通の利かないカタブツ・・・という訳ではなくて。

風呂を深く愛するが故に、伝統を大切にしたい人なのですよね~。

そんな彼が、テルマエの排水溝を通って、現代日本の銭湯にタイムスリップ!!!!!?????

そこに見られる、ローマのテルマエを遥かに凌駕する、風呂システムの数々に、おおいなる感銘を受け・・・また、ローマに帰っていくんですよね。

そして、現代日本の銭湯で目にしたことにヒントを得て、それを模倣したものをローマで再現。

そのレベルの高いテルマエは、民衆に大いに歓迎され、ルシウスは一躍、人気テルマエ設計技師へと返り咲くのです。

けれども、また、新たな難問にぶつかり・・・それを解決すべく悩んでいると、またしても、現代日本にタイムスリップ!
またしても、現代日本の、お風呂技術を目にすることによって、問題解決の糸口を見付け、そして、また、古代ローマへと帰って行く・・・。

前半は、ひたすら、このエピソードの繰り返しな訳ですが。

ルシウスが古代ローマで風呂作りに悩んでは、現代日本にタイムスリップして、問題を解決していく・・・という、この繰り返される過程が、最高に爆笑なんですよ。

彼は、当然、自分がタイムスリップをしたとは思ってない訳で。

言葉も通じず、顔立ちも違う、現代日本人のことを、ローマの属州の民か奴隷だと思ってる訳ですね。

その勘違いモノローグが、最高におかしすぎる!

対する、現代日本人も。

いきなり現れた、古代ローマ人(それも、大抵、スッ裸!!)を訝しむ訳でもなく、「ガイジンさ~ん」と気さくに自然に受け容れてるし。
ヘルパーさんと間違えたりとか、もう、面白過ぎです。

そして、ルシウスの方も、「平たい顔族」の現代日本人を、属州の民か奴隷と思いつつも、蔑むことなく、風呂文化の技術の高さに敬意を抱いている所もイイ!! つか、面白い!!


個人的には、古代ローマのジャグジー風呂にウケました。

それから、現代日本での、自動で蓋が開く便器。
あれを見たときの、ルシウスの想像・・・影で奴隷達が、蓋を引っ張って開けている・・・というのにも、大爆笑!


それからそれから。
ルシウスが、日本の植物園の温室にヒントを得て作った、ハドリアヌス帝のナイル風呂。
史実でも、ハドリアヌスは、ナイル川を模倣した庭園を造っていた・・・とか、アンティノウスという美少年を愛人にしていたとか・・・らしいですね。

なるほど~、知らなかったです。

っていうか、ルシウスが作ったナイル風呂のシーン、大爆笑でした。

いや、お風呂の隅っこに、なんか胸像があるなぁと思ってたら、なんと、亡きアンティノウスの像だったらしく。
「↑アンティノウス」って字幕が出たときは、ウケまくりました。

はたまた、お風呂の中を泳いでいるワニにも「↑ワニ」ってテロップが(爆笑)

笑いのツボが多すぎ~っっ。


古代ローマで、風呂作りに行き詰まる度に、日本にやってくるルシウス。そして、そこから、ヒントを得て帰っていく・・・。

前半はこれのひたすら繰り返しばかりだったので、どうやって、物語を結末に持っていくのかなぁと思っていたら。

後半は、一気にシリアス度がUP↑↑↑

物語は、一気にローマの歴史が変わってしまうピンチに!!

そして、今度は、平たい顔族が古代ローマにタイムスリップし、彼らと力を合わせることで、歴史を正しい方向へ導く・・・という展開になるではないですか~。

前半はルシウスが。
後半は平たい顔族達が。

タイムスリップをする訳です。対照的ですよね~。

妻に愛想を尽かされ、皇帝の危機に対してもどうすることも出来ず、落ちぶれる一方のルシウス。

前半の、向上心を持って、飛ぶ鳥を落とす勢いで、新たなテルマエを造っていく(現代日本の風呂にヒントを得て、だけど・笑)姿とは、打って変わります。

けれども、そんなルシウスは、またしても、日本にタイムスリップし、温泉による湯治に目をつけ、戦場に戦士達を癒す温泉施設を作ろうと閃く。

そのルシウスの姿は、本当に、根っからの風呂を愛する、設計技師なんだなぁ~と感動。

けれども、自分1人では、どうしようも無いときに、心強い平たい顔族の助っ人が!!!!

凄~~~~~~いっっっ。

ローマの危機を救うために、風呂を愛する二つの民俗が、言葉の壁も、いや、それ以前に、時空をも越えて、熱く交流!!!!!!

風呂って良いねぇ~(*^^*)

あ。そうだ。

問題の「言葉の壁」ね。
古代ローマ人と、現代日本人がどうやって、意思疎通????
気になるところでしょ?

上戸彩ちゃん演じる真実は、時々、自分の目の前に現れるルシウスに惚れちゃってたから、一生懸命ラテン語を勉強していたけど、その他の平たい顔族達は・・・???(笑)

それは、パリが舞台の時の『のだめカンタービレ』でも、ありましたよね(^m^)

かなり笑える手法です。

めっちゃ、ウケました。

途中、スクリーン右上部に要注意(^^)b



こうして、ローマの危機を救い、やがて訪れる別れの瞬間は、ちょっとウルっと来ちゃいました(;;)

前半は有り得ないほど笑えたのに、後半は思わずホロリとするなんて、なんて、盛りだくさんな作品なんだ~。

そして。
映画のオリジナルキャラクターである、漫画家志望の真実。

彼女が、この不思議な体験を元に、『テルマエ・ロマエ』を描く・・・というオチは、最初から予想したとおりでした(^^)b

そしてそして。
時空を越え、叶わなくなったロマンス・・・と思いきやっっ。

あの、ラストに、思わずニンマリ(^m^)

まだまだ、ルシウスは、現代日本で色々と問題(?)を巻き起こしてくれそうな、そんな予感。
もちろん、真実とのロマンスも。

まだ、全部終わった訳では無かったのですね~。

きっと、ルシウスが風呂を愛し続ける限り、現代日本へのワープゾーンは開かれたままなのではないでしょうか?(笑)

こういうエンドって、大好きです。


本当に、気楽に楽しめるエンターテイメント映画でした。

映画を見ると、凄くお風呂が恋しくなります。
元々、お風呂大好きの私なんかは特に。
この映画を見た日は、おっそろしく長風呂しちゃいました(笑)

爆笑の連続ながらも、ちゃんと、1つの大きな物語としてまとまっていて。
そして、ラストはホロリ。
メッセージ性もあって。

素敵な映画でした。


・・・それにしても。

「濃ゆい顔」の俳優さんのオンパレードで、面白かったです(*><*)

北村一輝さんのケイオニウスが・・・ケイオニウスが・・・・良かったです(//▽//)
っていうか、彼って、なぜ、ああいう役どころが多いの?(笑)