★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『LIFE!』

2014年04月04日 | 映画鑑賞記
今日は、一昨日見て来ました、映画『LIFE!』の感想を♪

この作品、予告編の「この映画の主人公はあなたです」というキャッチコピーに惹かれ、とても気になっていました。

やっと見に行けましたです(^^)


■映画『LIFE!』予告編




雑誌「LIFE」の写真管理部で働く主人公のウォルター・ミティは、特にこれと言った趣味もなく、ただただ自分がかっこよく活躍する場面の妄想をすることだけが特技の、凡庸な男性でした。

彼には、片想いの女性が居るのですが、声をかける勇気もなく。
彼女が入会したお見合いサイトに自らも登録するものの、自分の事について語ることが何もない・・・とのことで、プロフィールは空欄だらけ。
もちろん、意中の女性とお近づきになる機会すらありません。

そんなある日、彼の勤める会社が、他社に買収されます。

「LIFE」誌も、オンライン化されることとなり次号で廃刊。
ウォルターを含む、「LIFE」部の写真たちも大幅リストラされることに。

そんな時、最終号の表紙に使用する写真のネガが見当たらないことに気付いたウォルターは、ネガを求めてカメラマンを捜す旅へ出ることになりました。

ニューヨークからグリーンランド、アイスランド、ヒマラヤへと、旅を続けていくうちに、彼自身も、彼の人生も大きく変わっていくことになるのでした。





じわじわと静かな感動が湧き上がる、良い映画だったと思います。

とても面白かったです。

そして、どことなく、メーテルリンクの『青い鳥』を思い出すようなお話だったなぁ。


主人公のウォルターは、物語冒頭では、とにかく、魅力を感じられない男性だったのですよね・・・。

もちろん、真面目に働き、家族想いで、「良い人だなぁ」というのは分かるのですが。でも、お見合いサイトのプロフィールが「これと言って自分の体験を書くことない」と空欄だらけだったり、常に、何か空想の世界へ旅立っていたりで。
悪い人ではないんだろうけど、魅力を全く感じない・・・そんな雰囲気の人間だったわけです。


が!


とある事情により、消えたネガを探すため、彼は、職場を飛び出し、自費で、グリーンランドへ行ったり、アイスランドへ行ったり、果ては、ヒマラヤ山脈を登山したり・・・と、世界を股にかける旅に出ます。

いままで、空想の世界でしか冒険をしたことがなかった彼が、本当の冒険に繰り出す訳ですよね。

しかし、その冒険は、これまでの空想通りに格好良くは行きません。

空想の中では、彼は、ガス爆発寸前のビルに飛び込んで、逃げ遅れたワンちゃんを助けたり、雪山を平然と冒険していたり・・・と、アクション映画の主人公のように、何事もそつなく格好良く成し遂げているのですが。

現実の彼の冒険は・・・というと。

酔っ払いの操縦するヘリに飛び乗ったり、間違ってヘリから飛び降りておぼれかけたり、サメに襲われかけたり。
火山の噴火の非難に気が付かず、噴火に巻き込まれそうになって、大慌ててで逃げ出したり。

お世辞にも格好良くはないのですよね。

でもでも。

そうやって、失敗したりしながらも、たった一枚のネガを探すために、がむしゃらに進んでいく彼の姿は、アクション映画の様な空想シーンの彼より、カッコイイって思えましたです。


そしてそして。

最初は、とにかく、冴えない雰囲気だった彼が、段々と精悍なお顔になっていく過程も見所です。


これまでは、職場で言いたいことがあっても、発言することが出来ず、すぐに空想の世界に逃げていた彼。

でも、最後には、自分たちの会社を買収し、自分たちをリストラした新しい社員たちに、はっきりと自分の意見を言えてましたものね。

旅を通して、色々な経験をし、色々な人と触れ合い、一回りも二回りも大きくなったウォルター、素敵でしたよ。


「この物語の主人公はあなた」というキャッチフレーズですが、確かに、私達の生活にも通じるものを感じました。

毎日同じことの繰り返しの毎日、ちょっぴり不満を抱えている生活。

それって、誰にでも心当たりがあると思います。

「毎日変わり映えしないなぁ」って不満を言うのは簡単。諦めているのも簡単。

だけど、そこから、ちょっとでも自分から動く努力をした時、自分から変える勇気を持った時、もしかしたら、今までの生活はガラっと変わるのかもしれない・・・と。

それは、別に、この映画のように、ヒマラヤに登ったり~~みたいな大冒険じゃなくてもいいのですよね。

今まで諦めていたやりたいことにトライしてみる。
自分から積極的に動いてみる。
新しい事を始めてみる。

どんな小さなことでも良いのです。何か「変えよう」っていう意思と勇気があれば、不満だった日常が大きく変わる・・・そんな気がしました。

何かを変えていくのも、今まで通りの現状に留まるのも、結局は自分次第。

ちょっとしたことで、物事の見方も変わるんだなぁと思って。
私も努力してみよう・・・そんな気持ちになりました。



そうそう。

この主人公・ウォルターは、雑誌社の写真管理部に勤務しています。

雑誌を作る会社といえば、やっぱり、花形は、取材をしたり原稿を書いたりする記者や、写真を撮って来るカメラマン・・・と思われがちですよね。

もちろん、記者もカメラマンも大切なお仕事ですが、彼らだけで雑誌が出来ている訳では無いのですよね。

ウォルターのように、地味かもしれないけど、縁の下の力持ち的な人たちに、たくさん支えられて、そのおかげで1冊の雑誌が出来上がっていく。

『LIFE』誌のスローガンをちゃんと理解してて、心を込めて仕事に誇りを持って向き合っていたウォルター。

だからこそ、ラストのシーンには、とても感動でした。

仕事に誇りを持つことの大切さも感じた映画です。




そしてそして。

気になるウォルターの片想いの結末も(^m^)

心温まるラストで、良かったです。

お互いに、決してもう若者って年齢では無いカップルなのですが。

でも、最後、二人が並んで歩く姿はとても初々しくて、可愛らしいカップルだなぁと見ていて和みました。


もちろん、この先、職を失ったウォルターは、色々と大変かもしれません。

そういう意味では、決して、全てが丸く解決したエンド・・・とはいえないのかもしれないですが。

でも、色んな経験、冒険を通して、成長した彼なら、再就職もちゃんと成し遂げるのではないか・・・そんな明るい未来を感じましたです。



あ、あと。

気になる、消えたネガの行方・・・ね(^^)b

てか、私、最初から、「あの中」に入っているのでは?って思ったんだけど(笑)
だって・・・ねぇ?

これこそ、ホント、『青い鳥』みたいだなぁと思ったのですよね(*^^*)

とはいえ、すぐにネガが見つかって、あっさり、最終号の表紙が決まっていたら。。。。

きっと、彼自身も彼の人生も変わらないままだったと思います。

だから、あの旅は彼にとって、本当に必要な物だったのですよね。


でもでも、でもでも。

消えたネガの前後に写っていた謎の写真が、意外過ぎるほど身近な物だったり・・・というのは、大切な物は実は自分のすぐ近くにある、という風にも思えてきて。

普段は見過ごしがちな身の回りのなんてことない事や物も・・・ちょっと見方を変えて接してみたいなぁとも思えましたです。


この映画の主人公は、決して、何でもできるスーパーマン的な格好良いキャラクターではないけれど、だからこそ、身近に感じられるし、感動も大きい・・・そんな作品でした。