アップするのが遅くなりましたが、少し前に見た、映画の感想を。
映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』。
この映画、今年の春くらいから、ずっと映画館で予告編を見ていました。
シャフトの美麗映像と、耳に残る切なげなメロディ、独特なタイトルに、とても惹かれまして。
実は、私、この夏の帰省中に、映画を見るより先に、文庫のノベライズ版を購入して、読んじゃったのですよね。
なので、映画より前に、ネタバレ・・・というかストーリーを知ってしまいました。
そして、その文庫のあとがきで、この映画が24年前の実写ドラマをアニメ化したものだ・・・というのも初めて知りましたです!
全然知らなかった!!
でも、見たことはないけど、確かに、むかーし、「if」っていうドラマ、あったように朧げに記憶しています。
人生の分岐点などで、こちらを選べばこういう結末を迎える、また、もう一方を選べばこういう結末を迎える~~みたいなドラマ。
なるほど。
確かに、この『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』も、「もし、あの時・・・!」という選択肢によって、その後の展開が変わって来るお話でしたものね。
で。
わたし的には、正直言うとノベライズ版がイマヒトツでして。
また、映画を先に見られたネッ友さんのご感想も、皆さん、イマヒトツな感じだったので、「もう、映画はいっかなぁ(^^;;」って思っていたのですよ。
ノベライズも読んで、ストーリーも知っちゃったし。
でもでも、やっぱり、あの美麗な映像と、切なげなメロディが気になって。
映画館に足を運んだという訳でした。
■映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』予告編
物語は・・・というと。
舞台は港町・茂下町。
中学生1年生の典道は、夏休みの登校日、学校のプールで、親友の祐介と、クラスメイトの気になる女の子なずなと、競泳対決をすることに。
泳いでいる時も、なずなのことが気になって仕方がない典道は、ターンを失敗し、足を負傷。
そのため、祐介に負けてしまいます。
典道が遅れてゴールした時、先にゴールしていた祐介となずなは、何かを約束していた様子。
実は、なずなは、この競争に勝った方を、花火大会に二人っきりで行こうと誘うつもりだったのです。
という訳で、花火大会に誘われた祐介。
けれども、なずなのことが好きなはずの祐介は、いざ誘われると、照れ臭さもあるのか、彼女との約束をすっぽかしてしまいます。
こうして、花火大会直前の夕方。
典道は、ひょんなことから、祐介にすっぽかされたなずなと鉢合わせます。
そして、彼女から、水泳の競争で勝った方と花火大会に行こうって賭けていたのだ、と聞かされるのでした。
そこに、血相を変えたなずなの母親が現われ、まるで、家出するかのような大荷物を持ったなずなを、強引に家へ連れて帰ってしまいます。
その時の「典道君、助けて!!」というなずなの必死な表情に、典道は、彼女を助けられなかった自分を悔います。そして、「もし、あの時、水泳の競争で、自分が勝っていたら・・・?」と思い、なずなが落として行った、不思議なガラス玉を投げると・・・。
その日の午後。なずなと祐介との水泳競争の直前に、時間が巻き戻っていたのでした。
そして、今度は祐介に勝った典道。
なずなに花火大会に誘われ、そこで、駆け落ちをしよう・・・と言われます。
しかし、電車に乗る直前で、またもや母親に連れ戻されてしまうなずな。
「もしあの時・・・」
典道は、自分が誤った選択をしたことを悔い、そこに、なずなが落とした不思議な玉を投げると、またしても時間は巻き戻り・・・。
そんな感じで、なずなと2人で逃避行するため、選択を失敗したポイント、ポイントで時間を巻き戻し、同じ日を繰り返す典道となずな。
しかし、タイムリープを繰り返す度に、その世界は段々、非現実的なものとなっていき・・・。
というストーリーです。
正直、ノベライズ版もわたし的にはイマヒトツだって、あまり過度な期待をせずに見たからでしょうか・・・思っていたよりは、良かったです。
ただ、先にノベライズを読んでしまったためか、いくつか混乱するポイントもあって、「???」と思う事も多かったのです。
まず、その時代設定。
ノベライズ版では、はっきりと「6年前の震災で、茂下町の漁港も壊滅し、今も、まだ復興していない」という表記があるので・・・6年前の震災とは、東日本大震災。つまり、この物語の時代設定は現代だと思うのですよね。
でもでも、映画の中では、特に時代設定については言及されておらず、その所為か、全体的に、古~い雰囲気がしました。
原作となったドラマが90年代のものとのことなので、90年代が舞台っていうとシックリくるというか。
出て来る芸能人の名前とか、主人公達がプレイしているゲーム画面も、昔っぽいですし。
また、ケータイもスマホもPCも出て来なかったような。
とはいえ、部分的に、現在の人気コミックスのタイトルが出て来たり・・・。
ノベライズ版の時代設定が後付けだったと考えても、でも、やっぱり、イマイチ、映画世界の時代がいつなのか分からない。
現代のようでもあり、昔のようでもあり。
でも、敢えて、そういうちょっと不思議な雰囲気の世界観を作っていたのかもしれないですね。
ストーリー自体は、ノベライズで感じた通り、少し中途半端感はしましたが、先ほどの、謎の時代設定も含め、「微妙に不思議な世界」という雰囲気は楽しめました。
うーん。
雰囲気アニメ・・・というか。
元々、タイムリープを繰り返すというファンタジーですし、良く分からない不思議な雰囲気を楽しむには、良い感じだったりかな。
そして、実にシャフトらしい映像美でしたね。
ちょっと『物語シリーズ』のアニメを彷彿とさせられました。
独特なアングルから描く風景や、とても多い数の風力発電の風車。
要所要所で、妙にアップになる登場人物達の「目」。
『物語シリーズ』っぽかったです。
なずなの中1には見えない、妙な色気も、まるで『物語シリーズ』の戦場ヶ原ひたぎっぽい!!
なので、私は、ストーリー自体より、シャフト感溢れる雰囲気を楽しんで鑑賞した・・・って感じかな?
映像は文句なしに綺麗でした。
ただ、やっぱり、色んな所でアンバランスなものを感じずにはいられなかったですA^^;;
原作ドラマでは、登場人物達は小6とのことですが、この映画では、それが中1になっています。
確かに男子は中1らしい幼さのある言動でしたが・・・でも、イラスト的には、高校生くらいに見えちゃうのですよね~。
てか、私、最初、前知識無く予告編を見ていた時は、高校生のお話かと思っていましたもの。
そして、ヒロインのなずな。
女の子は男の子よりませている、と言いますし、また、家庭環境的なものもあるのかもしれませんが、絶対、中1には見えない(^^;;
その辺りに見られるアンバランスさと、物語がシックリ来なかった感はありました。
っていうか。
親の再婚、それに伴う引っ越し。
どんなに、今の生活を手放したくないと思っても、まだ中1という子供の身ではどうしようも出来ない事ってあるのですよね。
このお話では、そんな、どうしようも出来ない事実から、どうしようも出来ないと分かった上で、子供なりに抵抗してみた・・・それが、なずなの「駆け落ち」として描かれています。
そして、典道も、大人には叶わないと分かった上で、それでも、なんとか、上手くいく選択肢を模索してタイムリープを繰り返す。
そんな子供二人のひと夏の不思議な冒険と想い出・・・って感じで。
だからこそ、ラストの何とも言えないファンタジックな世界、摩訶不思議に変化する打ち上げ花火などが、際立って美しかったと思うのですよ。
でもでも、それなら、原作通りの小6の方が、よりお伽噺めいてて良かったような・・・って思ったのは私だけかな?
ちょうど大人と子供の境目くらいの中学生というお年頃を描きたかったのかもしれませんが・・・こういうファンタジックな結末に持って行くなら、小学生の方が合ってたような。
うーん。
どうでしょう??
でも。
ラストシーン、打ち上げ花火として打ち上げられてしまった、タイムリープのガラス玉。
それが、粉々になって砕けるシーンは印象的でした。
その破片ひとつひとつに、色んな世界が描かれてて。
主人公達は、まだまだ若いのだから、あの破片に映っているような、いろんな自分、いろんな世界が待っている、選択肢は無限大なのだ・・・って思えて、感動的でした。
良いシーンです。
若さがちょっと羨ましくなっちゃった(笑)
全体的に見て、若干、ツッコミたいポイントは、いくつか有りましたが、美麗な映像と独特な雰囲気を楽しめましたです。
映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』。
この映画、今年の春くらいから、ずっと映画館で予告編を見ていました。
シャフトの美麗映像と、耳に残る切なげなメロディ、独特なタイトルに、とても惹かれまして。
実は、私、この夏の帰省中に、映画を見るより先に、文庫のノベライズ版を購入して、読んじゃったのですよね。
なので、映画より前に、ネタバレ・・・というかストーリーを知ってしまいました。
そして、その文庫のあとがきで、この映画が24年前の実写ドラマをアニメ化したものだ・・・というのも初めて知りましたです!
全然知らなかった!!
でも、見たことはないけど、確かに、むかーし、「if」っていうドラマ、あったように朧げに記憶しています。
人生の分岐点などで、こちらを選べばこういう結末を迎える、また、もう一方を選べばこういう結末を迎える~~みたいなドラマ。
なるほど。
確かに、この『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』も、「もし、あの時・・・!」という選択肢によって、その後の展開が変わって来るお話でしたものね。
で。
わたし的には、正直言うとノベライズ版がイマヒトツでして。
また、映画を先に見られたネッ友さんのご感想も、皆さん、イマヒトツな感じだったので、「もう、映画はいっかなぁ(^^;;」って思っていたのですよ。
ノベライズも読んで、ストーリーも知っちゃったし。
でもでも、やっぱり、あの美麗な映像と、切なげなメロディが気になって。
映画館に足を運んだという訳でした。
■映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』予告編
物語は・・・というと。
舞台は港町・茂下町。
中学生1年生の典道は、夏休みの登校日、学校のプールで、親友の祐介と、クラスメイトの気になる女の子なずなと、競泳対決をすることに。
泳いでいる時も、なずなのことが気になって仕方がない典道は、ターンを失敗し、足を負傷。
そのため、祐介に負けてしまいます。
典道が遅れてゴールした時、先にゴールしていた祐介となずなは、何かを約束していた様子。
実は、なずなは、この競争に勝った方を、花火大会に二人っきりで行こうと誘うつもりだったのです。
という訳で、花火大会に誘われた祐介。
けれども、なずなのことが好きなはずの祐介は、いざ誘われると、照れ臭さもあるのか、彼女との約束をすっぽかしてしまいます。
こうして、花火大会直前の夕方。
典道は、ひょんなことから、祐介にすっぽかされたなずなと鉢合わせます。
そして、彼女から、水泳の競争で勝った方と花火大会に行こうって賭けていたのだ、と聞かされるのでした。
そこに、血相を変えたなずなの母親が現われ、まるで、家出するかのような大荷物を持ったなずなを、強引に家へ連れて帰ってしまいます。
その時の「典道君、助けて!!」というなずなの必死な表情に、典道は、彼女を助けられなかった自分を悔います。そして、「もし、あの時、水泳の競争で、自分が勝っていたら・・・?」と思い、なずなが落として行った、不思議なガラス玉を投げると・・・。
その日の午後。なずなと祐介との水泳競争の直前に、時間が巻き戻っていたのでした。
そして、今度は祐介に勝った典道。
なずなに花火大会に誘われ、そこで、駆け落ちをしよう・・・と言われます。
しかし、電車に乗る直前で、またもや母親に連れ戻されてしまうなずな。
「もしあの時・・・」
典道は、自分が誤った選択をしたことを悔い、そこに、なずなが落とした不思議な玉を投げると、またしても時間は巻き戻り・・・。
そんな感じで、なずなと2人で逃避行するため、選択を失敗したポイント、ポイントで時間を巻き戻し、同じ日を繰り返す典道となずな。
しかし、タイムリープを繰り返す度に、その世界は段々、非現実的なものとなっていき・・・。
というストーリーです。
正直、ノベライズ版もわたし的にはイマヒトツだって、あまり過度な期待をせずに見たからでしょうか・・・思っていたよりは、良かったです。
ただ、先にノベライズを読んでしまったためか、いくつか混乱するポイントもあって、「???」と思う事も多かったのです。
まず、その時代設定。
ノベライズ版では、はっきりと「6年前の震災で、茂下町の漁港も壊滅し、今も、まだ復興していない」という表記があるので・・・6年前の震災とは、東日本大震災。つまり、この物語の時代設定は現代だと思うのですよね。
でもでも、映画の中では、特に時代設定については言及されておらず、その所為か、全体的に、古~い雰囲気がしました。
原作となったドラマが90年代のものとのことなので、90年代が舞台っていうとシックリくるというか。
出て来る芸能人の名前とか、主人公達がプレイしているゲーム画面も、昔っぽいですし。
また、ケータイもスマホもPCも出て来なかったような。
とはいえ、部分的に、現在の人気コミックスのタイトルが出て来たり・・・。
ノベライズ版の時代設定が後付けだったと考えても、でも、やっぱり、イマイチ、映画世界の時代がいつなのか分からない。
現代のようでもあり、昔のようでもあり。
でも、敢えて、そういうちょっと不思議な雰囲気の世界観を作っていたのかもしれないですね。
ストーリー自体は、ノベライズで感じた通り、少し中途半端感はしましたが、先ほどの、謎の時代設定も含め、「微妙に不思議な世界」という雰囲気は楽しめました。
うーん。
雰囲気アニメ・・・というか。
元々、タイムリープを繰り返すというファンタジーですし、良く分からない不思議な雰囲気を楽しむには、良い感じだったりかな。
そして、実にシャフトらしい映像美でしたね。
ちょっと『物語シリーズ』のアニメを彷彿とさせられました。
独特なアングルから描く風景や、とても多い数の風力発電の風車。
要所要所で、妙にアップになる登場人物達の「目」。
『物語シリーズ』っぽかったです。
なずなの中1には見えない、妙な色気も、まるで『物語シリーズ』の戦場ヶ原ひたぎっぽい!!
なので、私は、ストーリー自体より、シャフト感溢れる雰囲気を楽しんで鑑賞した・・・って感じかな?
映像は文句なしに綺麗でした。
ただ、やっぱり、色んな所でアンバランスなものを感じずにはいられなかったですA^^;;
原作ドラマでは、登場人物達は小6とのことですが、この映画では、それが中1になっています。
確かに男子は中1らしい幼さのある言動でしたが・・・でも、イラスト的には、高校生くらいに見えちゃうのですよね~。
てか、私、最初、前知識無く予告編を見ていた時は、高校生のお話かと思っていましたもの。
そして、ヒロインのなずな。
女の子は男の子よりませている、と言いますし、また、家庭環境的なものもあるのかもしれませんが、絶対、中1には見えない(^^;;
その辺りに見られるアンバランスさと、物語がシックリ来なかった感はありました。
っていうか。
親の再婚、それに伴う引っ越し。
どんなに、今の生活を手放したくないと思っても、まだ中1という子供の身ではどうしようも出来ない事ってあるのですよね。
このお話では、そんな、どうしようも出来ない事実から、どうしようも出来ないと分かった上で、子供なりに抵抗してみた・・・それが、なずなの「駆け落ち」として描かれています。
そして、典道も、大人には叶わないと分かった上で、それでも、なんとか、上手くいく選択肢を模索してタイムリープを繰り返す。
そんな子供二人のひと夏の不思議な冒険と想い出・・・って感じで。
だからこそ、ラストの何とも言えないファンタジックな世界、摩訶不思議に変化する打ち上げ花火などが、際立って美しかったと思うのですよ。
でもでも、それなら、原作通りの小6の方が、よりお伽噺めいてて良かったような・・・って思ったのは私だけかな?
ちょうど大人と子供の境目くらいの中学生というお年頃を描きたかったのかもしれませんが・・・こういうファンタジックな結末に持って行くなら、小学生の方が合ってたような。
うーん。
どうでしょう??
でも。
ラストシーン、打ち上げ花火として打ち上げられてしまった、タイムリープのガラス玉。
それが、粉々になって砕けるシーンは印象的でした。
その破片ひとつひとつに、色んな世界が描かれてて。
主人公達は、まだまだ若いのだから、あの破片に映っているような、いろんな自分、いろんな世界が待っている、選択肢は無限大なのだ・・・って思えて、感動的でした。
良いシーンです。
若さがちょっと羨ましくなっちゃった(笑)
全体的に見て、若干、ツッコミたいポイントは、いくつか有りましたが、美麗な映像と独特な雰囲気を楽しめましたです。