梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

遠州弁、”おぞい”と”つび”は古語の様だ

2021-05-21 11:44:33 | 雑記
悍ましいと言う文字を読めますか、と言うSNSが有った
「おぞましい」と読むことは知っていたが念の為答えを見たら合っていたが元は「おぞい」と言う読み方がだったとなっていた
これを見たて思い出した、まったく忘れていたが子供の頃田舎の遠州地方ではこの”おぞい”と言う言い方は普通に使っていた
遠州弁は言葉の最初と次の音のあいだに”ん”を入れる事が多いのでこれも”おんぞい”と言う事が多い、
意味合いは”ボロイ”に近いか、これは駄目だな、と言う様な場面で使う
品物を見てちょっと酷いなと言う様なときに「おぞいじゃん!」の様に使う
身に着けるものが惨めだと「おんぞい!」と使ったりする
東京に来たら全く使わなかったので忘れていたが古語だとは思わなかった
遠州は古来京から東国に行く古街道だったので古の言葉が残っている、
今昔物語集35に「東の方に行く者、蕪をとつぎて子を生みし語」と言うのがあってそこのは

 何れの國郡とは知らで一つの郷を通りける程に、
 俄に淫欲盛に発(おこ)りて、女の事の物に狂ふが
 如くに思(おぼ)えければ、心を静めがたくて思ひ
 わづらひける程に、大路の邊に有りける垣の内に、
 青菜といふ物いと高く盛に生ひしげりたり。
 十月ばかりの事なれば、蕪の根大きにして有りけり。
 此の男忽ちに馬より下りて、其の垣の内に入りて、
 蕪の根の大きなるを一つ引きて取りて、それを彫りて、
 その穴を娶(とつ)ぎて淫をなしてけり。さて即ち垣の内
 に投げ入れて過ぎにけり。

と言うのがある、
この中で女性器の事を「開」と書いて{つび}と呼んでいる、
お知っている人は知っているがこの地方では女性器を「つんび」あるいは「つんびい」と呼ぶ、女の子はおを付けて「おつんび」と言う、
女性器に関しては日本各地でかなりいろんな言い方をする、
関東地方の放送禁止用語はマスコミが発達するまでは地方語であり我々のこども時代はこの言葉を聞いてもべつに卑猥には感じない
しかし「おつんび」は大衆の前で口にすることは憚られる言葉である、
ぼぼ、へっぺ、まんじゅう、やち、琉球語ではホーミーだ、
若い時乗っていたのは日産のホーミーだった、親しい友人の奥方が沖縄生まれで笑いながら教えてくれた、
どこの呼び名でも女性器の呼び名は行為そのものをさす事が多い様だ、男性器の名称は略全国共通だが行為そのものを指すことは無い、
男の性欲の強さの成せる技か、
しかし、現代は売春婦ならぬ女性が買う売春夫もいるしホストに大金を落とし借金まですると言う、世も様々だね
因みに今昔物語の結末はこの蕪を食べた処女が身篭って子供を産み数年後都に帰る男がそれを知ってその娘をめとってこの地に暮らしたと言う
しかし男の性欲は昔から手を焼く様だ、まさしく「厄介棒」だ