五十からでも遅くない (光文社知恵の森文庫) 価格:¥ 691(税込) 発売日:2014-04-10 |
とても気になる存在であったが、彼女が怖かった。
いつもニコニコ説教している様子が、私の心を見られているようでドスンとやられてしまいそうな気がした。
何度も彼女の本を手に取りながら買うことをためらった。
私も過去に出家してしまおうかと思ったことがあった。
どこにも逃げることが出来ず、死ぬこともできないことを悟った時。
でもそれは、自分だけが助かって周りの人の辛さは変わらない。
人のために祈るのではなくて、ただ自分が助かるため。
そんな気がした。
49歳になって、50という文字に敏感になった。
人生の大先輩が語る50について読みたくなった。
この本は2005年に出版されたものを文庫本にしている。
そして、1編1編は1970年代や1980年代に書かれた文章である。
時代はずいぶん流れたが、女性の本音は変わっていない。
怖かった彼女は私と同じ女であることがわかり、親しみと安心感を感じた。
「私はこのまま生きて行けばいいのだ」
そう思えた。