宿題をいただいた。
「この本の感想を教えてください」
本屋さんに行かなくてもKindleで購入ができるので、さっそくダウンロードした。
1937年に出版された本が2017年に漫画化され出版された。
もともとは児童文学として出版されたようだが、最近のヒットは大人たちが購入しているらしい。
主人公は中学2年生の少年、コペル君。
本を読んでいて気になった。
これを書いている人はかなり上から目線。
良く考えたら、戦前に中学に通っているということは裕福なお家の子。
将来は日本を背負って行くような人に伝えている感じがした。
私が読んでの感想は、自分が52年生きてきて色々なこと経験した。
その経験から、おじさんがコペル君に教えようとしていることはとても理解ができる。
でも、経験が無くてこの本で深くまで理解しなさいというのは難しい。
だからあえて「君たちはどう生きるか」と問いかけているのかもしれない。
また、これが出版された1937年は戦前だとは言え、農村と町では貧富の差があった時代だと思う。
「一億総中流」と言われた時代が過ぎ、今では貧困問題が色々なところで取り上げられている。
当時と時代背景が似てきて、起きている事象に理解ができるようになったのだろうか。
それとも、何年経っても物事は変わらないことを示しているのだろうか。
世の中の物の考え方を教えているが、コペル君という高い教育環境にある子供が習うことである。
そのため、すこし一方的な教え方の感じがする。
世の中は自分ひとりだけではなく、多くの人に助けられ成り立っている。
その中にはお金もちも貧乏な人もいるが、お金で人を差別してはいけない。
偉大な人は人類の進歩に携わった人であり、初めにそれを行った人である。
自分が苦しいと思うことは、正しい道に向かおうとしているからである。
生きて行くことの基本中の基本なのかもしれない。
私は、自分がこうやって生きているのは多くの人の助けがあるからで、それは今は他界した人もいる。
だから、すべての人に感謝する。
自分の父は4Kと呼ばれる職業についていた。
貧乏だったが、父は父なりにその仕事に誇りを持ち、私たちを育てていくために毎日まっ黒になって仕事から帰ってきた。
だから、私は職業に差別はしない。
体を動かしてでも、頭を使ってでも、お金を得て生活することは簡単なことではない。
偉大な人になるつもりはないが、誰かのためになる人にはなりたい。
それが、多くの人ではなくたったひとりの人のためでも良い。
自分が苦しくなった時は、自分の進むべき道はわかっている。
だから苦しくなる。
そんな時は物事をシンプルに考えるようにしている。
進むか、辞めるか。それだけである。
「君たちはどう生きるか」
「私は、何のために生きるのか」
私が真剣に考えたのは、大事な人を失った時だったのかもしれない。
大人たちは、自分が生きてきた人生を振り返り、残された時間にできなかったことを見つけるために読んでいるのだろうか。
考える機会を与えてくれることに関しては、良い本だと思う。