minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

オブリガーダ、ミナスの熱き人々!

2014年11月06日 | ライブとミュージシャンたち
たった2日間の滞在なのに、もの凄くタイトなスケジュールだったから、一周間くらい滞在した気分だ。本当に美しくて、優しい人達が溢れる素晴らしい街だった。

今日はホテルOTHONの豪華朝食を食べ、朝から会場でリハーサル。






2時間たっぷりあったので、昨日と違い、クリフのブラジル講座を受けつつの楽しいリハーサルとなった。大好きなマリーザモンチ版「O xote das mininas」では、本来のO xoteのリズムや私たちが演奏しているリズム(バイオーン)やら、サンバとアフロブラジルのリズムの違い、などなど本当にただで教えて頂くにはもったいないくらいの収穫。

昨日は学校の備品を使っていたトシキに今日は同じ大学の教授自らベースを貸してくださり、彼も私たちのリハーサルから聴いていて大喜び。








一端ホテルにもどり、少し休憩して、再び会場へ。照明まで入って、サウンドチェック。昨日の場所よりもはるかにやり易い。楽器の調子はやはり本来のようにはいかないけれど、それでも楽器が鳴りまくってくれた。



一緒に演奏してくれた、ドラマーのアドリアーノも私たちのオリジナルにも快くつきあってくれ、素晴らしいリズムを叩いてサポートしてくれ意気投合。「もう、お別れなのか。僕も日本に行ってみたいよ!」

またまた会場はスタンディングオベーション。演奏中も終始みんなの笑顔が見えてとても勇気づけられた。本当に暖かい人達に感激。昨日も講義を受けていた学生たちが「僕たちはサックスを勉強しているのです。一緒に写真を撮ってください。」とわざわざ楽屋に挨拶に来てくれた。








演奏後にCD欲しいとサインをねだられたり、クリフは「La Maravilla(私のオリジナル)はオーケストラと一緒に演奏してみたい曲だね。次回はオーケストラとも共演しない?」と嬉しい事を言ってくれた。実は来週、クリフはオーケストラとの共演があるのだ。彼が書き下ろしたオーケストラのための曲もある。いつか実現できるといいなあ。夢はどんどん膨らむばかり。

さあ、またリオに夜行バスでもどります。今度こそ、楽器は棚に乗せないように気をつけねば。美しいミナス、オブリガーダ!!





ベロ・オリゾンチ大学の長~~~い一日

2014年11月06日 | ライブとミュージシャンたち
午後3時にホテルに迎えが来て、ここから30分くらいかかって郊外のキャンパスに。ベロ・オリゾンチの大学構内に[Musica]と書かれたスペース。大きな大学に音楽課がある。

案内されて入った建物ではそこらじゅうから、バイオリン、サックス、ピアノの練習の音が聴こえる。ドアを開けると、クリフ教授のレッスン室。3人の生徒が熱心に個人授業を受けていた。内容は全てポルトガル語だったから解らないけれど、バイオーンについて、ブラジルのリズムについてのピアノの弾き方などを教えていたようだ。





4時からリハーサルの予定が、クリフの忙しさでどんどん遅れている。しかも、朝に送った譜面が届いていなかったりとひっちゃかめっちゃか。急遽この学生で優秀なドラマーという男の子が参加することも解った。

トシキとリオはここの楽器を使用する、音楽大学の備品だから、メンテナンスはきちんとされていてバリトンは非常に吹き易い楽器だったようだ。とりあえず一安心。講義を行う広いホールにわんわんと音が響く。ここでドラムと一緒に演奏するのは結構大変そうだ。もちろん、マイクは使わない。







結局リハーサルは生徒が半分くらい集まっている中でバタバタと行うことに。約10分・・・汗。ええい、もうどうにでもなれ~。簡単な曲に変更し臨機応変に対応することになった。

まずは40分ほど、クリフ教授の講義。



今回のテーマは「オーネットコールマン」。学生たちはフリージャズに興味があるらしい。クリフは[Out of Nowhere]という曲を、エラのバージョン、パーカーのバージョンを聞かせ、最後にオーネットのバージョン(これは同じコード進行を使った演奏)を聴かせていた。ハーモロディック理論についても少し講義していたようだが、クリフは私に「オーネットに関してはサチの方が詳しいから、質問していい?」と言われて「無理無理~。」と丁重にお断りを・・・汗。

このあと、私たち3人がバトンタッチ。利樹が英語で「カナビスの輪」の韓国のリズム「チルチェ」の話から、私がどうやってメロディをつけていったか、を実演を交えながら簡単に説明。プリントを学生たちに配っていたので、とても熱心に聞いてくれていた。

講義のあとに、3人でカナビスを演奏。大きな歓声と拍手が!さらに、このあとクリフが入ってオーネットの曲を演奏し、最後は憧れのブラジルに来て演奏したかった「Cai Dentro」。ブラジルで、クリフと一緒に演奏ができるなんて、本当に考えても見なかった。しかも、リオが生まれた年にクリフは我が家にやってきて、リオを抱っこしてくれていたのだ。その赤ちゃんだったリオとも共演している・・・走馬灯のように長い年月の思い出が頭の中を駆け巡った。

演奏が終ると、学生たちがスタンディングオベーション。やんやの喝采。アンコールはTReSだけで「子供たちをよろしく」を演奏してめでたく終了。沢山の生徒たちがやってきて、「素晴らしかった!」と感激をそのまま伝えてくれる。こういう瞬間が音楽家にとって最高の幸せ。クリフもニコニコと満足そう。よかった~~~。


音楽課の校舎

クリフとオーガナイザーのギーダと共に若者が夜中じゅう集うお洒落なカフェレストランで晩餐。









お昼からなにも食べなかったので、さすがに一人前をたいらげてしまった。ホテルにもどってバタンキュー。ベロオリゾンチの夜景に満月が輝いて美しかった。