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minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

リオ・デ・ジャネイロ、デビューの長い一日(後編)

2014年11月09日 | ライブとミュージシャンたち
7時にスタートする、というトニーニョのライブに行くと、フルートの女性グループが演奏していた。なんと、この女性は大きなお腹でバリバリとフルートを吹きまくっている。ブラジル恐るべしと思っていたら、マリア・トーロというスペインから来たフルート奏者だった。







ステージで準備していたクリフに客席から手を振ると、気がついたクリフが「こっちにおいで!」と合図。バックステージに私たちを喚んでくれて、トニーニョたちに紹介してくれた。さっき、リハーサルしたばかりのドラマー、クレベルソンもいた。「友達がいっぱい出演してたから、ちょっと立ち寄ったんだ。これからシャワーあびて、着替えてくるよ。あとでね。」


トニーニョ・オルタgグループと。


クレベルソン・カエターノdrと。

15分ほどの転換のあと、クリフの参加するトニーニョ・オルタGroupの登場!大歓声。やはりパット・メセニーの師匠だけあって、貫禄、人気は凄いものがある。トニーニョの音楽はパットメセニーを彷彿とさせる。というか、こちらが本家なのだけどw。歌も素晴らしい。彼のオリジナルはみんな知っているようで、最後の2曲は大合唱。鳥肌ものだった。





感動しつつ、自分のステージが9時半からなので、クリフより一足先にトリボッツに向かう。さて、このお店にどれくらいお客様が来てくれるのだろうか。日本でもここでもやはり集客はいつも心配の種。ましてや、無名の日本から来た私たちの為にどんな人達が来てくれるのだろう・・・。



トリボッツに入ると、マイクの彼女が受付で私たちを迎えてくれた。

「今日は凄いお客様が来てるわよ。彼は世界で5本の指に入る素晴らしいサックスプレイヤーなの。パスコアールのグループにも15年以上いた人よ。」

うっそ~~~???エルメートのグループのサックス???ちょ、ちょっと待ってくれ~。憧れの・・・「カルロス・マルタ」だ。どんな人だろう?緊張が走る。

客席もほぼ満席状態だ。2階までいっぱいに・・・。やはり、この店の人気が高いのだろう。心配しなくてよかったw。



今夜は3セット。2セットは50分くらいのステージ。最後は20分くらいでいいと言われている。たった一度のリオでのライブだから、クリフたちと一緒に演奏できる時間はたっぷりあったほうが嬉しい。あれも、これも、演奏したい曲ばかりなのだ。

カルロスはどこにいるのかな?と気になりつつ、1セット目がスタートした。まずはTReSのみで、「K's Ring(カナビスの輪、名称変更)」。リオは全く緊張することもなく(知らないというのは恐ろしいw)、いつになく快調にソロをとった。1曲目が終ったとたん観客の大きな拍手。あっという間に50分が終ってしまった。クリフたちの美しいサポートには本当に感謝。

ステージのすぐ横にニコニコしながら、人一倍大きな拍手を送ってくれるカップルがいた。もしかすると・・・やはり、彼が「カルロス」だった。クリフの友人でもあり、近所に住んでいるそうな。

「何週間も前に市場でクリフに会ったときに、今日の事を聞いていたんだ。『絶対聴きに来たほうがいい』ってね。いや~、本当に君たちの演奏は素晴らしいよ。Happyになれる、エネルギーに溢れた演奏だね!」と大喜び。優れたミュージシャンは常に謙虚さを持ち合わせている。緊張がいっきにほどけた。

2セット目もトシキやリオのオリジナルまで演奏し、ハッと気がつけば50分以上演奏していた。

お昼に市場で出会っていきなり自分のCDをくれた、サックス奏者のアントニオも聴きに来てくれていた!しかも私のCDを買ってくれているではないか。「さっきの御礼に私のも差し上げます。」と言ったのに「いいよ、私が買いたいのだから。」と言いながら、さらにもう一枚彼自身のCDをプレゼントしてくれた。感激・・・。

最後のステージで前日、サンパウロでクリフと共演していた歌手が来ていて、彼女と一緒にMy Favorite Thingsを演奏。もの凄い歌手で、ほとんどインタープレイで素晴らしいスキャットを聴かせてくれた。もう、ステージも観客も大喜び。締めに「子供たちをよろしく」を演奏して終了。

沢山のスタッフたちが私たちを祝福してくれた。さらに、最後にCDを買ってくれ「これはスタッフ一同で買ったものですが、サインしていただけますか?」「今年1番のライブだったわ。」それぞれが嬉しい言葉を私たちにかけてくれた・・・。オブリガーダ。

最後まで聴いてくれたカルロスたちともすっかり意気投合し、記念撮影。エルメート・パスコアールの興味深い話を沢山聞かせてもらった。しかも、次の火曜日に教会でソロコンサートをするそうな。「絶対に聴きに行きます!」と約束してお別れ。トリボッツのオーナー、マイクも本当に気に入ってくれたようで、最後、タクシーに乗り込むまで見送ってくれた。「君たちは家族同然。いつでもここで演奏してくれ。いつか、トリボッツ東京も作りたいなw。」

いやはや、こういう繋がりができるのがなんとも素晴らしい。これだからミュージシャンは旅にでなくては。




エルメートグループに長年在籍していた、スーパースター、カルロス・マルタと。










Rio De Janeiro デビューの日vol.1

2014年11月09日 | ライブとミュージシャンたち
何から書いてよいのだろう。あまりに素晴らしい出来事の連続だった・・・。

まずは一昨日ベロ・オリゾンチで分かれたクリフはそのままサンパウロで仕事。昨日、リオデジャネイロの自宅にようやく戻ったクリフと合流し、そのまま彼は、愛しい息子の授業参観へ・・・。その間に私たちは近所で土曜日に開かれる市場を見学。11時半くらいにブロッコというリオのカーニバルに向けての音楽チームの演奏があるので、ぜひ聞くといいよ、と教えられて待つ事1時間。なかなか音楽が始まらない。クリフの友人のCDショップに立ち寄るとたまたま居たおじさんが話しかけて来たので名刺をあげて挨拶したら、「俺もサックス吹きなんだよ。このCDは歌っているんだけれどね。君にプレゼントするよ。」とCDショップにある自分のCDを私にプレゼントしてくれた。なんて優しい人なんだろ!ミュージシャン同士意気投合。Antonio Mirandaというミュージシャンだった。はっと気がつくと、その横でCDショップのお姉ちゃんがとっても綺麗なので、トシキは写真を撮らせて!なんてデレデレしているではないかw。













リハーサルの時間が迫っていたので、ブロッコをあきらめ、慌てて本日の会場へ向かう。





今夜のクラブである「TribOz/トリボッツ」はオーストラリア出身の店主マイクの店。ジャズの老舗でもある。私たちのリハーサルために、昼の1時から店を開けて待っていてくれた。ドラマーのKleberson Kaetanoとも御挨拶。ブラジルのプロドラマーと演奏するのは生まれて初めての経験だ。嬉しい!

しぶ~い裏通りにあるTribOzの入り口を通ると、奥がステージ。











美しいピアノで生音がよく響く。トランペッターでもあるマイクは「この店は生音が気持ちいいから、マイクはピアノにしか建てないよ。」私たちもOK!臨む所だ。ただ、一つ気がかりは響きが良すぎる店でドラマーと一緒に演奏すると大変な事になる・・・。と思いきや、Klebersonのドラムはブラシを多用して、全くうるさく無く、それでいてご機嫌のグルーブ。リハーサルの時点でもう、私はHappy!!に。1曲演奏すると、マイクも大喜び。「なんて素晴らしいサウンドだ!お前たちはこの店のファミリーだ!!」リオに向かって「お前の音はモンスターだなw。」





1時間ほどリハーサルをして、クリフは次のリハーサルへ向かった。なんとこの日、クリフは7時からセントロの公園で開かれるジャズフェスティバルにトニーニョ・オルタ(g)のバンドで出演するのだ。9時に終って、其の足で私たちとトリボッツに出演、という超ハードスケジュール。クリフ・スーパーマンと喚ぶことにしたw。

リハーサルから素晴らしいサウンド。時々クリフは寝そうになっていたけれどw。私たちは一端家にもどる事にし、店を出ると、すぐ横でブロッコのサウンドが聴こえて来た。土曜日はあちこちでブロッコが聞けるのだ。ラッキー!店主のマイクが私たちを案内してくれ、一緒に踊っている。みんな、本当に陽気な人達だ。なんてチャーミングな街&人々なんだろう。なが~い1日はまだ始まったばかりだ。(つづく)







マイクと。