11月19日(土)浜田市世界こども美術館 図書室
作品名:「カントリースクール」(1871年 ウィンスロー・ホーマー)
鑑賞者:7名(内みるみるメンバー5名)
ナビゲーター:金谷直美
<はじめに>
この作品を選んだ理由として
・小学校低学年での鑑賞の授業をしたい作品。
・様々な年齢の子どもたちが、一つの部屋で一緒に勉強をしている。先生らしき女性の方を向いている子どももいれば、窓の方を向いて書き物か何かをしている子どももいる。様々な年齢、服装、たたずまいの子どもたちが、何かを学ぼうと一つの部屋で過ごしている姿があたたかく印象的だった。
現在私が、小規模の小学校で勤務していることもあり、このホーマーの作品は、自然豊かな地で異学年の子どもたちがお互いに関わりながら学んでいる、勤務校の子どもたちに通じるものがあります。
作品をゆっくりとよくみて、描かれているものや起こっていることを聴きあいながら、考える楽しさのある作品だと思い選びました。
<鑑賞会をふりかえって>
・ナビゲーターとしての基本の役割、特に話をよく聴いてかえすことを意識した。
・鑑賞者の発言の中の一番大切な所をとらえて、かえしたりまとめたりできるように心がけた。
・「靴を履いていない子どもがいる」という意見が出たときに、「子どもたちの足元や服装に注目してみていきましょう」と、みるところを焦点化したが、そのあとはほとんど焦点化をすることなくみていったが、鑑賞者にとってみやすさ、考えやすさ等はどうだっただろうか。
<みるみるの会メンバーから>
・ナビが準備した画像が幾分暗かった。もう少し全体的に明るい作品ではなかったか?もう少し明るい画像であれば、鑑賞者が子どもたちの様子ももっとよくみることができたのではないか。
・描かれている要素が多い作品なので、「向かって右側にいる子どもたち」「左側の子どもたち」と焦点を絞ってみることで、それぞれの子どもたちの違いやそこから想像できる背景などについても、より深く考えることができたのではないだろうか。
・アメリカの幼稚園や学校の様子など、実際に住んでおられた方の話も聴けて面白かった。
・人物の服装、建物、室内の様子など全体をみていく中で、子どもたちの間に貧富の差がありそうなことに気が付いた。話を総合的に考えて気づいたので、納得した。
・学校が舞台となっているので、もしかすると教員と一般の方とでは、みる視点など違いがあるのかもしれない。また、(学校に通っている)子どもたちがみると、どんな発見をするのか楽しみな作品。
・話には出てこなかったが、黒板の上にある白っぽい物が何なのか気になった。たくさんの発見ができる作品。
<おわりに>
ナビをするたびに、「聴くこと」の難しさを痛感します。でも、鑑賞者の方が(大人でも、子どもでも)自分が思ってもみなかったことを発言されると、それがとても面白く、凝り固まっている自分がふっとゆるむ感じがします。ことばの「キモ」をつかみ、かえし、つなぐ…作品を通して鑑賞者のみなさんと楽しい「ラリー」を続けることができるよう精進していきます。
鑑賞会に参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
12月の鑑賞会は、17日(土)14:00~浜田市世界こども美術館にて
みるみるメンバーといっしょに、作品を通して「みる・考える・話す・きく」時間を楽しみましょう!