命あるものをいただいていることに感謝し、捕獲した魚や鳥獣を野に放す仏教の放生会(ほうじょうえ)に
ちなんだ小浜の放生祭を見る機会がありました。
かつての城下町であり、京への魚などを水揚げする商人町であった小浜で、
二日間にわたり、12の地区の神楽や神輿、囃子などが町を練り歩き、
八幡神社に奉納される、若狭地方最大のお祭りだそうです。
小浜の街は、小浜西組といわれる一帯に、昔ながらの町人の町屋が残り、
風情ある街並みを醸し出しています。
「ふくいの伝統的古民家」という表札が掲げられた家も多数あります。
その街並みに、朝から、笛や鉦の音が鳴り響き、法被を着た地区ごとのグループが
暑い中を練り歩いています。
街並みのところどころには、本陣といわれる場所が地区ごとの拝所となっているようで、
兜や獅子舞の面や榊が飾られており、練り歩く一団は、その本陣の前で囃子や舞を披露しながら、
八幡神社を目指します。
昔ながらの細い路地に笛や太鼓の調子が響くからか、
「懐かしい感じの日本の祭り」という感じがします。
二日目には、すべての神楽や囃子のグループが一堂に会する盛大な催しもあるようですが、
お囃子の練り歩きを街角で眺めるのも、しめやかで情緒がありました。