「日常空間を活かした観光まちづくり」(戸所 隆著、古今書院)という本から、印象に残った点。
---------------------以下、引用---------------------
○次世代の観光資源は、従来型の集客を目的とした特別な観光地・観光施設にも増して、地域の人々が地域資源を活かして創り上げた日常の「暮らしぶり」や「生活空間」が観光吸引力の中心になると考えられる。こうした流れにおいて、観光地化の成否は、いかに地域の人々が住み良くて魅力的な生活空間を創造できるかにかかっている。
○その地域の人々にとっては何でもないことでも、外国人や域外の日本人には、非日常的な地域における固有の文化や人間活動として興味深いものがある。また、地域の人々は、観光客(交流人口)を意識することで、地域資源の大切さや地域アイデンティティを再認識し、地域への愛着を深めることにもなる。
○成熟社会での息の長い観光資源は、従来型観光資源ではない。ビジターに持続的に刺激を与えるものの多くは、その地域の人々が日常生活の中で常に磨きをかけ、新陳代謝しているものである。地域の人々にとっての日常性がビジターには非日常性を感じさせるものが、観光における地域資源であり、成熟社会における息の長い観光資源となる。
○今日の知識情報化社会では、地域の個性が売り物になる。それぞれの地域における自然・人文環境から生まれる日常性と地域資源を活かしたまちづくりこそ、情報革命時代のまちづくりであり、新たなビジター産業創出の鍵を握っているといえよう。日常性と地域資源を活かしてビジターを吸引できる都市への再生が地方都市には求められている。
○人々が住みたい・行きたい街…①安全で美しい街並みを持つ街 ②特色ある美味しい料理・酒を提供する街 ③魅力的な商品をそろえ、楽しくショッピングできる商店街のある街 ④もてなしの心で満ち溢れた人と街の存在 ⑤思い出に残る地域性豊かな芸術・エンターテインメントのある街
------------------引用ここまで-----------------
以前からよく言われていることですが、整理されていてわかりやすいですね。