福井市の中心部からほど近い足羽山公園の北側に愛宕坂があります。足羽山の上にある足羽神社への参道として、かつては茶屋や料亭が立ち並んでいた場所のようです。現在は、一軒料亭が残るほか、福井市の茶道美術館や、このあたりに住まいを構えた郷土の詩人・橘曙覧の記念館がある文化的なエリアとなっています。
こちらでは、春と秋の約2週間、会談の両側に和ろうそくの灯りがともされる「愛宕坂、光の回廊」というイベントが行われます。この期間、付近一帯はなかなか雰囲気のある空間になります。
先週の日曜日、子供の夕方の散歩を兼ねて行ってみました。日が長くなったので、点灯される18時過ぎはまだ明るかったのですが、薄暗くなってきた笏谷石の階段に光が仄かに揺らめくのはなかなか風情を感じました。
2歳の子供は、人気の少ない割に幅広い階段を我が物顔に上るのと、揺らめくろうそくの炎が楽しかったようで、もう帰るよーといってもどんどん登って行ってしまいました…。
ちなみに、東京ではあまり見かけなかった和ろうそく、福井では時々見かけるのですが、ハゼノキなどから採った木の脂から作り、洋ローソクより炎が強く長持ちするそうで、越前和蝋燭は福井県指定の郷土工芸品になっています。