毎年、2月20日と3月2日に、鯖江の中道院というお寺で行われる伝統行事「すりばちやいと」に行ってみました。
この行事、受付で一人500円を払って参詣すると、参詣者の頭上にすりばち型の護摩炉をかぶせ、その上からお灸(お灸のことを「やいと」と言うそうです)を施して無病息災を祈祷してくれるというものです。976年、天台宗中興の祖として名高い元三大師がこの地で護摩を焚いて、流行していた疫病をに苦しむ庶民を助けたという故事に由来するそうで、毎年テレビや新聞で様子が報道されるので、興味を持っていました。
(受付すると、裏に名前が書かれた下のお札を渡され、これをお灸の際に提出します)
この日は朝7時半からやっているようですが、11時ころに行ってみると、それほど広くない境内には、老若男女50人くらいの行列ができています。
護摩堂では、3人くらいの檀家衆がすりばちを持ち、その後ろにお坊さんが立って、祈祷の言葉を述べてくれます。よく聞いていると、7つの災難を取り除くおまじないの呪文のようで、数十秒ほど唱えた最後に、「成就!」と力強く言っています。(連れ合いは、この言葉を聞いて、ミョーに願いがかないそうな気になったらしい。。。)
私もやってみましたが、頭の上にかすかにお灸の熱さを感じつつ、呪文を聞いていたら、願い事をするのをし忘れました・・・。また、2歳の息子は、何をされるのか不安そうな表情でした。
しかし、こんな昔の故事に由来する行事が生活に定着して脈々と受け継がれているところが、福井らしい と感じます。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に参拝している子供たちも多く見受けられましたが、三世代同居が多く、豊かな歴史と仏教文化が浸透している福井ならではの光景ですね。