


去年のカンヌ映画祭で、最優秀脚本賞と最優秀女優賞を受賞した作品です。
母、二人の娘、孫娘、叔母、隣人を演じた6人の女優全員が最優秀女優賞を
獲得する映画ってどんな作品なんだろうと興味がありました。
ペネロペ・クルスが出ている映画は過去「裸のマハ」「NOELノエル」しか観て
いませんが、今回どかっと根を下ろしたお母さん役を見事に演じきっていて
見ごたえがありました。また「海を飛ぶ夢」で印象的だったロラ・ドゥエニャスが
ライムンダ(ペネロペ・クルス)の姉役で出ていて、姉妹のやり取りが面白くって
楽しませてもらいました。今年に入ってまだ13本しか観ていませんが、1年終わった
時に自分のベストランキングをしたら 上位に入ると思う1本です。
ライムンダは決して弱さを見せないけれど 子供を産み育ててきた道程は言葉では
表現出来ないくらい辛かったと思うし、この現実をどう打ち明けるのか。
娘パウラには、父親は誰なのか いつかちゃんと話すと約束したけれど。。。
ライムンダのことだから この先起きるどんな試練にもへこたれることなく、精一杯
生き抜いていくんだろうなあ。
彼女が歌う「ボルベール」を聞いて涙を流す母親の姿が心に残りました。
映画の中でいくつもの『死』に出くわします。
死の迎え方、受け止め方も日本の感覚とは異なるので そこの辺りも見所なのかも。
煉獄、天国と地獄の間にあり、死者の霊魂が天国に入る前に火によって罪を浄化さ
れると考えられていた場所 といった言葉も出てきます。
登場する女性は皆 力強く地面に根を張って生きていて 愚痴っぽくない。
カラッとしていて見ていて気持ちいいです。
公式サイト
