緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

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森の中でボランティア

2015年06月21日 | ボランティア
単発のボランティアに行ってきました。

私が10年くらい前から入会している自然保護団体があるのですが、そこが行政からの委託を受けて行っている自然関係のボランティア活動が幾つかあり、その内の一つです。

関西にある、かなり広い都市公園の生物調査のお手伝いです。

今回の調査対象は昆虫全般。

私もこんな経験は初めてで、どんな作業をするのか分からなかったのですが、だいたい以下のような感じです。

生物調査も、トンボだけとか、チョウだけの調査もあるのですが、昆虫全般の場合、公園内に十数か所の特定地域をロープで囲むように決めて、1か月毎に、その中にどんな昆虫がいるか探していくというもの。
要するにどんな昆虫が棲息しているか定点観測しているわけです。

ボランティアの仕事は昆虫を探すことです。決して捕まえるわけではないのです。
人数は10人足らずで、男女は半々。先生以外、シニアで、男性は半世紀前は昆虫少年だった様子の人達。女性は自然好きな人達。皆さん、以前から継続して携わってらっしゃる様子。

探す時間は、一つの場所で10分と決められていて、昆虫を見つけると同行している昆虫専門の先生に報告します。昆虫の名前が分からない場合(というか、私にはほとんど分からない)は、先生を呼んで種の同定をして貰うので、昆虫に詳しくなくてもできます。
(このボランティアを続けていると自然と昆虫に詳しくなるとのことです。)

探す場所はたいていは森の中なのですが、そんなに簡単に入られる所ばかりではありません。
薄暗い藪の中みたいな所が多く、覚悟して、細い草木を踏み倒すようにして入って、昆虫を探します。

昆虫は意外といません。朽ちた葉が積もっている森だと、足元には森林性のゴキブリがワンサカいるのですが、そういうものは真っ先にチェックされてしまうので、それ以外の昆虫を目を皿のようにして探します。

と、ここまで読むと虫嫌いの人はドン引きだと思いますが、たぶん、このボランティアは虫嫌いな人は無理というか、虫嫌いの人にとっては拷問です。
私は自然観察が趣味ですし、虫は平気で、多少の興味はありますが、入れ込むほどではありません。

昆虫は、地味で無害なハバチかカメムシの仲間が多いのです。
ほとんどが知らない昆虫ばかりで、最初のうちは、昆虫を見つけると「先生!ここに変なもんがいました」などと、しろうと丸出しで叫んでました。

『変なもん』は、さすがに専門家の前で言ってはいけないと思いますが、本当に『変なもん』と言いたくなるような昆虫もいます。

例えばこれ。



葉っぱの真ん中にいる白いものですが、クサカゲロウの幼虫だそうです。
虫だと分かりづらいのはゴミを背負っているから。

クサカゲロウは、卵は優曇華(うどんげ)の花と言われて吉兆とされ、成虫は透明な羽が美しい繊細な虫ですが(ここまでは私も知ってました)、幼虫時代は背中にゴミを背負って暮らしているのだそうです。
昆虫好きの人にはたまらなく興味深い知識だと思います。

リーダーの女性には、団体が7月以降もこの仕事を請け負うことが決まったので、来てもらえないかと打診されましたが、暑さに弱い私には体力的に無理といわざるをえませんでした。
10月になったらまた屋外活動もできるのですが、昆虫のハイシーズンは気温が体温近くなる夏なのです。

活動はそんなにきついものではなく、池や小川など、よく整備された公園内を見て歩く楽しみもあります。

ハンゲショウです。群落のようになっていました。



池に突き出た木の枝に、モリアオガエルが泡に包まれた卵塊を産み付け、卵が孵化して泡と一緒にオタマジャクシが池に落ちる場面に出くわしました。中央少し上の白っぽいものが泡。矢印の先の部分からポタポタと落ちます。



落ちても池に届かず、途中の枝に引っかかってしまう泡+オタマジャクシもあります。
時折、雨が降る日だったので、そのまま乾いてしまうことはなく、無事に池に行きつくと思います。
手を伸ばして途中の枝に引っかかった泡+オタマジャクシを採ってみたのですが、小さなオタマジャクシはピチピチと、とても元気でした。

これはキツネノエフデでしょうか。キノコの一種であることは確かです。



珍しい経験をした一日でした。