緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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今やる? おもやい

2020年02月29日 | 茶道
“おもやい”という言葉、初めて知りました。
“おもあい”とも言うそうです。
漢字では思相とか催合。もやい綱などのもやいが語源とか。
意味は二人以上の者が一緒に仕事をすること。共同作業とか。
そして茶道では・・・。

この間、公民館の茶道教室でお稽古してきました。
さすがに、お茶のお稽古まで中止ではないんです。
準備の時、水屋で茶器にお抹茶を詰める仕事を言いつかりました。

薄茶用の抹茶を詰める器は色々あるらしいのですが、この日は棗と吹雪を使いました。
で、棗二つと吹雪一つを用意しました。
途中、「濃茶の準備はいいの?」と誰かに聞かれたのですが「今はコロナが流行っているし濃茶はいいんじゃないですか」と答えました。
濃茶は複数の人が一つの茶碗で飲み回しますから。

私が用意した茶器は特に何も言われませんでした。
そしてお稽古が始まり半ばを過ぎた頃「おもやいでやりましょう」ということになりました。
私は、『“おもやい”って何?』 状態。
お聞きしたその時の話では、要するに時間短縮のために、薄茶を点てる時に二人分を一つの茶碗で一緒に点てることなんだそうです。
濃茶ではもちろんやりません。最初から一つの茶碗で複数人分点てていますから。

おもやいでは、最初に頂いた人は濃茶の場合と同じように懐紙で飲み口を拭き清めます。
そして次の人が同じ茶碗で頂くのです。
『なるほど』とは思いましたが、でも、よりによって今やることかしらとも思いました。
1年半、そこで稽古しましたが、おもやいは初めてだつたのです。

前に通っていた流派が異なる教室では、サーズの時は濃茶は禁止されていたと聞いていました。
でもこちらの教室では、前回は濃茶のお稽古しましたし、今回はおもやい。
流派によって危機感が全然違うということなんでしょうか。

点てられたお薄は菌が死ぬほど熱いとも思えません。
私は一人目でしたが、次の人は私を信頼して飲むしかないです。

危機管理意識は人によってまちまちなので何とも言えません。
その時も新型コロナウイルスについては話題にはなりましたが「騒ぎ過ぎ」の一言で、誰も全然気にしていない様子、別のイベントに連れだって行くような話さえしていました。
電車に乗っていくような不要不急のイベントは、さすがに私はパスしました。




通っていたシニアの為の健康と医療の講座は、3月いっぱいまでの予定だったのですが、一斉休校の政府の要請に準じて休校の連絡がきました。
準備していた修了に伴う行事も全てキャンセルで、もう行くことはありません。
また会えると思っていた人達と合えなくなったわけで、なんだか人間関係が突然断ち切られたようで寂しいです。

それにしても、場所や人によって異なるこの温度差はちょっと不思議です。