緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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茶道教室 顛末

2018年10月04日 | 茶道
4月から始めた半年間限定の茶道教室ですが、9月で終了しました。

少し長くなりますが、この半年間の私の体験を書いておきます。
関心のない人はスルーしてください。

教室に通っていて、3か月ほどして、何かおかしいと思うようになりました。
たとえば、客としてお茶をいただく時、2度、時計回りに茶碗を廻して正面で飲むことを避けます。
その後、飲み口を指で拭って、今度は元に戻すように反時計回りに2度廻すと教えてもらった筈だと思い、そうすると、先生から廻し方が逆だと指摘されました。
なんだかおかしいと思いながらも言われた通りにしたのですが、それでもおかしいと思って、家に帰って、買っていたテキストやDVD、またネットで調べたりしても、やはり私のやり方が合っているのです。
ところが次回行くと、また同じことを指摘されます。先生の言うことだからと思い、その通りしますが、やはり納得がいかず、私の勘違いなのかと思い、帰って色々と調べても私の方が正しいのです。
次に行っても同じ指摘が繰り返されます。
「本当にそうなのですか?」と念を押すと先生は「いつも時計廻りです」という答え。
一緒に習っている人にそれとなく聞いてみると「先生が勘違いしただけでしょ」とのこと。
でも、同じ人に同じ勘違いを3回も繰り返すものでしょうか。
似たようなことは別にもあって・・・。

私は茶道を習うのは初めてです。
だから何も知りません。
先生に言われたら言われた通りにするしかないのです。
おまけに、決して覚えの良い方ではありません。
それでも『おかしい』と思うようになりました。
同時に、先生の口調がとてもキツクなってきました。
あれこれ頭ごなしに言われていると、自然と泣きそうになる程キツイのです。(泣きはしませんが。)

どうやら先生に嫌われているらしいとは分かりました。
しまいにお茶の稽古に行くのが嫌になってきました。
でも60歳過ぎて登校拒否みたいな子供っぽいこともできません。
そこで、先生にあれこれ言われないように、前日に手順を予習して、所作をすべて記憶して行きました。

すると、その日のお稽古では、まだ次の動作に移っていないのに「今、あなたは間違ったことをしようとした」となじるように言うのです。
何もやっていないし、先生が言うような間違ったことをやろうともしていないのに間違ったことをやろうとしたと怒られるのです。
そのようなことが同じ日に二度ありました。

それで分かったのですが、その先生は私に難癖をつけるためだけに難癖をつけているのだと。
このような教室に通っても、茶道を学ぶことはできないと思いました。

そうは言っても、その頃には、お稽古はあと3回を残すのみとなっていましたし、その教室は、その先生と、あと2名、助手の先生がいて、いつもその先生に教わるわけではなかったので、とにかく我慢して通おうと思いました。
半年分の受講料は前払いで、途中で止めても戻ってはこないのです。
ただ、茶道に対するモチベーションはドカ下がりに下がりました。

最後の3回は、先生が他の受講生にどのように教えているかしっかりと見ました。
すると、物覚えが私以上に悪い人が複数いましたが、私の時みたいにキツイ言い方はしていないことが分かりました。

私は特別に嫌われていたらしいのです。その原因については分かりません。
友人に相談したりしたのですが、着物を着て行ったのが悪かったのではと言われましたが違うように思います。(私は着物の許可を得ていましたし、先生達は3人ともいつも着物)
私が先生の何か気に障るような事を、言うなりするなりしたのかもしれません。

先生の言動から私が何となく理解したのは、先生自身、茶道が嫌いらしいということ。
人物が特定されてしまうので詳しいことは書けませんが、家が家業として茶道を教えていて、茶道をマスターしないと家の中で居場所がなくなるので、大変な努力して先生になったらしいということ。

私が通っていたその教室は、全国各地で展開されている半年間の初心者向けコースだったのですが、先生によれば、そこの教室が終った後の受講生の進路について、家元がいる本部に報告が必要とのことで、受講生全員が進路を聞かれました。

同じクラスの人の中には、教えてもらった先生の茶道教室に通う人もいれば、しばらく(数年)間を置くという人もいました。
私は知人が近くの公民館で茶道教室があることを教えてくれていましたので、私は近くの公民館で習うと答えておきました。

ところが公民館の茶道教室は、電話して聞いてみると流派が違うのです。
気持ちはまるで乗らなかったのですが、半年間の教室が終わった時点で一度見学に行くことにしました。

終了してから受講生だけで初めてランチ会を催しました。
それまで教室が終わるとさっさと帰る人ばかりで、話をすることもあまりなかったのです。
ランチ会では、受講生の一人は先生に対し批判的でした。
理由は性格のキツさ。助手の先生に対する言い方が、そばで聞きたくないほど酷かったということでした。
確かにそういうこともあったと思い出しました。
ただ、他の受講生はよく分からない様子。
私は黙っていました。

9月の終わり頃、公民館の茶道教室に見学に行くと、そこは私くらいの年齢の女性達ばかり。
半年通った教室とは雰囲気が異なり、人も多く、おしゃべりの花が咲いていました。
そこで思わず出来た一句。

姦しや お茶のお稽古 秋の午後

ただ、流派が違うので、見ていると、所作が何から何まで少しずつ違います。
その茶道教室では、私のように流派を乗り換えた人も多くいるとのことで、最初は大変ですよと言われました。
そこの先生からも「今まで習ったことはすべて忘れて下さい」と言われました。

公民館のお稽古は月に2回で、家から近く、月謝も前の教室に比べると安いものでした。
負担にはならなさそうなので11月から行くことにしました。
続くかどうかは、もちろん分かりません。

以上が顛末です。



最近、公民館の茶道教室の世話人さんから、近所の神社の献茶式で先生のお点前が見られるので是非見に来て下さいという電話がありました。
その翌朝、私は印象的な夢を見ました。
その夢は、この半年間の経験を、私の心が私なりに受け止めた夢のようなので記しておきます。

私は窓のない薄暗い部屋の中にいます。
沢山の棚があり、どの棚も上から下まで、切断された血まみれの手足が隙間もないくらいにびっしりと並べられていました。
おまけに、手足は切断された面を私が通る方に向けて置いてあったので、部屋全体が凄惨なまでに血まみれの様相でした。
私は気持ち悪さを堪えながら何とかその部屋を通り抜け、奥の白いドアを開けました。切断された手足の並べてある棚はドアの間際まで続いていたのですが。
私が隣室に入ると、そこは明るい会議室のような部屋で、数人の人達が隣の部屋のことなどまるで知らぬ気に和やかに話していました。
私は血まみれの部屋を思い起こしながら「あの部屋には耐えられない」と独り言なのか、頭の中で思うか、しました。
場面は変わり、私は鉄道のターミナルのような駅で乗っていた列車を降り、違う列車に乗り換えるようです。
乗り換える列車は違うホームから出るので、階段を上がって連絡橋を通って行かなくてはなりません。
人が多く、なかなか大変そうでした。
場面はまたも変わり、私はおくるみに包まれた健康そうな赤ん坊を抱いています。
おくるみを開いてみると赤ん坊はうんちをしていました。
そこで私は『あらあら、きれいにしてあげなくちゃ』と思いました。
そこで目が覚めました。


この夢は久しぶりに見た記憶に残る印象的な夢でした。
ふだんは夢を覚えていません。

目覚めてすぐ、夢の中での列車の乗り換えは、現実には茶道の流派の乗り換えを意味しているのではないかと思いました。
そこで、落ち着いて夢全体の意味を考えてみました。
この夢全体は、最初は紛うことない悪夢でしたが、最後は赤ん坊を戸惑うこともなく抱いていて、今後も面倒をみるらしい、悪くない印象の夢でした。

夢が私の半年間の茶道体験を意味しているのなら、最初の凄惨な部屋は茶道教室での体験が象徴化されたものだと思えます。
考えてみれば茶道のお稽古は、具体的な形として一挙手一投足を学ぶのです。
夢では、動かし方を学ぶべき手足が切断されて血まみれになって並べられていました。
その状況に私は耐え難いほどの嫌悪を覚えていました。

その部屋を通り抜けて、次の明るい会議室のような部屋は、教室を終了してからの受講生達とのランチ会を表しているようです。
列車の乗り換えは茶道の流派の乗り換えを意味すると考えて間違いないと思います。
最後に登場する赤ん坊は、新しい教室での新たな可能性を表しているようです。
そこの先生が言われたように前の教室で教わったことは全て忘れて、それこそ赤ん坊に戻って、一から出直しということだと思います。
夢は一つの体験を整理し、まさに一つの体験として受け止めましたという私の深層からのメッセージのようでした。

我ながら、なかなか大変なようですが、元々は生活を豊かにする為に茶道をやろうと思っていたのです。
できれば、そういう方向で行けたらなと思います。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (keba)
2018-10-05 12:33:09
悪夢で悪夢の総括かぁ〜
人間の脳って粋なことしますね。

新たな茶道にある暮らし、楽しみですね
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いじめですね (にゃんころりん)
2018-10-05 14:02:24
こんにちは。

いじめですね。
何が気に入らなかったのでしょうか。
教室ってサービス業なのに何やってるんでしょう。
その先生もかつてはいじめられたのかも知れませんが。。。
私ならきっと文句を言ってると思います。
おっと、その前に証拠がいりますね。
スマホで撮影してホレッ!と突きつけてみたい(笑)


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茶道 (紫苑)
2018-10-05 17:42:08
とても興味深く拝見しました。茶道、に限らず習い事、なぜか意地悪な先生います。私も和裁、着付けなどで先生に嫌われたり、一緒に習っている方に意地悪されたことあります。仕事でもないのになぜかなあ、と思ったことあります。夢のお話も興味深々、こんな象徴的な夢を見るのですね。夢は助けになります。私も夢によって、何度か救われた経験があります。同じような経験をなさって、同じように夢に助けられた~~、そんな方の話は、とても力づけられました。ありがとうございました。
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keba様 (みどり)
2018-10-05 20:51:08
夢は本当に悪夢みたいに始まったのですが全体の印象は悪くなかったのですよ。
通り抜けてしまったことだからでしょうか。

今度行くところはおばさんばかりで(って自分もおばさんだけど)、それはそれで人間関係をこじらせたら恐そう。
楽しいお茶のある生活、遠そうだったりして・・・。
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茶道 (nana)
2018-10-05 20:55:39
せっかくお茶を習いに行ったのに、イヤな思いをしてしまったのですね。
それでも休むことなく最後まで通われたみどりさん、すごい。。私ならどうかな・・・と思いました。
茶道は作法が奥深く、お稽古には着物が相応しいと思うのですが、本当になぜなのでしょう。
生活を豊かにするためにお茶を習いたいという前向きなみどりさんを、私も見習いたいです♪
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にゃんころりん様 (みどり)
2018-10-05 21:03:02
やはりいじめですよね。
近頃流行りのって、昔からありましたがパワハラみたいです。
こういうのは、相手の方が圧倒的に知識の量があるので、事の正否を自分では判断できないのが辛いところです。
私も、本部にたれこむとか考えました。
ただその前に、一度は自分で抗議する必要があると思うのですが、大変なエネルギーがいりそうで、私はエネルギーを使いたくなかったです。
「もういい」って感じ。
その先生も、かつては辛い立場にはいたらしいですよ。


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紫苑様 (みどり)
2018-10-05 21:17:30
読み逃げばかりですが、紫苑さんのブログ、いつも読んでいます。
紫苑さんも経験があるのですね。
私も一体何が気に入らなかったのかとは思います。
夢については、紫苑さんもそうみたいですが、私も30代の頃、ユング心理学を学んでいて、ワークショップや研究会など、よく行っていました。
夢分析の手法などもその時に学びました。
当時は私自身、激動の時代(?)だったので、印象的な夢をたくさん見ていたものですから。
夢は思いがけない指針になります。
でも今は穏やかに過ごしたいというのが本音です。

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nana様 (みどり)
2018-10-05 21:26:59
一度も休むことなく、最後まで通ったのは自分でもすごいと思います(笑)。
イヤな思いをするくらいなら止めるのもありですから。
前向きというよりは、お茶に対する興味が根本のところであったからでしょうか。
この先はどうなるか分かりませんが。
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お茶 (あるばとろす)
2018-10-06 23:33:54
よく我慢しましたね。私なら辞めています。そういう人は言っても聞かないし、かなり深い不幸を背負っている人なのだと思います。茶道は流派でそんなに違うのですね。新しいところで、お茶と着物が楽しめるといいです。
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あるばとろす様 (みどり)
2018-10-07 21:57:30
今日、新しいところから誘われた近所の神社の献茶式に行ってきました。皆さん、素敵な着物をお召しになっていました。
その後、副席でお茶をいただきました。
教室の皆さんはお茶席のお手伝いのようでした。
流派での相違。相当にありますね。
前のところで覚えたことは、確かにすべて忘れた方が良さそう。
お茶と着物、できれば楽しみたいですね。

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