緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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池田を散策 オムライス半強制お持ち帰り

2021年03月07日 | お出かけ
茶道の先生宅にお稽古に行ったら、そこで先輩が逸翁美術館の開催中の展示物が良かったという話をしてました。
で、翌日、雨でしたが、私もさっそく観に行きました。

逸翁というのは阪急の創始者、小林一三の雅号です。
彼が集めた茶道具を所蔵し、展示しているのが池田市にある逸翁美術館。
今回のテーマは「花のある茶道具」でした。

同じ阪急ですが神戸線にある我が町から十三まで行き、そこで宝塚線に乗り換えて池田で降りました。
池田で降りたのは何十年ぶり?
池田には「かき峰」という、稀に見る美味しい牡蛎料理専門店があり、そこに行って以来です。

逸翁美術館には池田の駅を出てから北へと上がっていきます。
自転車なら電動自転車でないと移動できないと思えるほど坂道が多い町です。

この白い塀の内側は池田文庫です。

池田文庫には主に演劇や民俗芸能に関する書籍・雑誌が所蔵されています。詳しくはここ
今回はここには入りませんでした。
逸翁美術館、池田文庫、小林一三記念館は近接してあるのですが、三つとも阪急文化財団によって運営されています。

逸翁美術館です。


ウィークデーで、その上雨にもかかわらず、来館者は途切れずありました。
館内は撮影禁止です。
掛け軸も含め、春らしく花を取り入れた茶道具の数々が展示されていました。
茶室もあり、コロナでなければ美術館所蔵の茶道具での呈茶もあるのですが、今は閉鎖中でした。
こじんまりとしていましたが、雰囲気のよい美術館でした。

その後は小林一三記念館へ。
坂道を曲がりながら登っていきました。

ここです。

ここは元は雅俗山荘と名付けられた小林一三の自宅でした。
今は記念館と高級フレンチレストラン「雅俗山荘」になっています。

お庭も広くて綺麗。

茶室もあります。
池田文庫にも茶室があるとのことですが、小林一三は茶の湯をことのほか愛していたようです。

小林一三の書斎だった部屋。

和洋折衷の広大な住宅でした。

記念館では主に小林一三の業績に触れられていました。
よく知られていることですが、大阪・神戸間、大阪・宝塚間に電車を走らせ、田んぼや畑だった沿線を宅地開発し、サラリーマンが購入できるように分譲地をローンで売り出し・・・。
電車の利用客を増やす為に動物園から始まって、野球場、宝塚歌劇、ターミナル百貨店などを作り、要するに電車を走らせて街と文化を作るという私鉄経営のビジネスモデルを彼は創出したわけです。
(私もそうやってできた住宅街の延長に住んでます!)

家にあった「百の手すさび ‐近代の茶杓と数寄者往来‐」という本によると、当時の財界人は関西関東を問わず、私生活では茶の湯に夢中になる人が多かったようです。
関西にいた小林一三もその一人だったみたいです。
彼のコレクションは、作者の有名無名にこだわらず、自分の美意識で集められていたようでした。

茶道はなぜか近現代では若い女性の嫁入り道具の一つで「おしとやか」なものに思われがちですが、そもそも戦国武将が夢中になり、近代でも大物財界人が夢中になってその文化を支えたもの。
ちょっと世間一般のイメージと違うのかも。
確かに、金持ちでなければ良い道具は集められませんけど。
でも近代の数寄者(茶の湯好き)は、ホントにお茶を楽しんでいたみたいです。

というわけで雨の中、小林一三が作った池田の街を楽しみましたが、時間を見ると1時30分近く、お腹空き過ぎ~。
駅まで行けば食べるところもあるみたいでしたが、とにかく早く食べたくて途中にあったカウンター席だけの小さな食堂に入りました。
メニューを見てオムライスを注文。

先客の男性もオムライスを注文していたらしく、出来上がったオムライスをチラッと見ると、ギョギョ、物凄いデカ盛り。
別のものを注文していた先客の料理も見ればギョギョギョ、物凄いデカ盛り。
肉体労働する男性相手の、ボリュームで勝負する、そういうお店だったのか。
値段はオムライスが650円で、デカ盛りだけど高くないです。

出来上がった私のオムライスもデカ盛り。
食べようとするとマスター曰く「余ったら持って帰ってね」
せっかくだからスマホで写真を撮りましたが家に帰って見たら写っていませんでした。
どこへ行ったオムライスの写真。

食べてる最中も、マスターはしきりと余ったら持って帰るように言うのです。
ついに『それって強制?』って思いました。
どうせ食べきれないと思われたみたいです。
オムライスは味は普通、チキンは沢山入ってました。

でもオムライスって、結局トマトケチャップで味付けしたごはんがメーンです。
とても食べきれるものじゃなく、持って帰ることに。
持って帰る容器もお店がタダで提供してくれ、コーヒーもサービスで一杯ついてました。
電車で帰ると聞くとマスターは紙の手提げ袋まで用意してくれました。
マスターの趣味か、店じゅう外国の映画俳優の写真を貼りまくった、凄い庶民的なお店でした。

その日はそのまま帰ったのですが、池田にはカップヌードルミュージアムもあり、そっちの方が有名かもしれません。
その日の夕飯は、もちろん余ったオムライスと自分で作ったおかずになりました。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
小林一三 (しまそだち)
2021-03-07 23:02:49
私が 実業家と言って先ず浮かぶのは 小林一三ですね 渋沢栄一よりは。
そう言えば サントリーの佐治さんも 阪急沿線にお宅が あったんじゃないかしら ?
池田は 友人の実家が あり、 若い頃一度お泊りに行ったことありました
懐かしい
(彼女も今堺に住まい ご近所です)

余談ですが、 今市長の横暴ぶりが ワイドショーで取り上げられているのは 
実に残念です
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阪急沿線も (みどり)
2021-03-08 10:00:08
多種多様で、池田辺りは阪神間とはまた趣きが異なります。
佐治さんは吹田にお住まいだったとか。
池田市庁舎、美術館に行く途中にありました。
とても小さいので驚きました。
関西では、実業家といえば小林一三ですね。
地元で大活躍してますから。

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かき峰 (pukariko)
2021-03-08 12:39:03
こんにちは。
「かき峰」には昔、父が何度か連れて行ってくれました。
シーズンだけやっている牡蠣尽くしのお店。
食べきれないほどの牡蠣、牡蠣、でした。

池田には他に行ったことがありません^^;
割と近いんですけどね。

てんこ盛りオムライス、店側から持ち帰りを勧めるなんて面白い。
食べきれない人続出なのかも。
食品ロスを意識して? おいしくないから残されたとは思いたくない?
でも量は減らしたくないようで。
何かマスターのポリシーがありそうですね。
オムレツの写真、どこ行ったのでしょう(笑)
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pukariko様 (みどり)
2021-03-08 17:09:31
池田といえば、「かき峰」ですよね。
何十年も前に同僚と行きました。
また食べに行きたいものです。

オムライス食べたお店、とにかく量が多い。
私の後から入った女性二人連れも以前来た時に持って帰ったみたいな話をしてました。
男性なら食べきれるかも。
マスターは一人で仕切っていて、小さい店ながら自分の思い通りにやっているって感じ。
やはり男性向けの食堂です。
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Unknown (keba)
2021-03-09 00:15:08
記念館素敵。
そしてその写真と、巨大オムライスと強制お持ち帰りのギャップがすごくて笑いました
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keba様 (みどり)
2021-03-09 10:44:50
長年サラリーマンやってたけれど、会社のやり方が気に食わず、衝突してリストラor脱サラ、その後に自分の思い通りの食べ物屋やってる。⇐私の勝手な妄想。
そんな印象のお店でした。
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池田市 (にゃんころりん)
2021-03-09 12:37:51
こんにちは。

今や、市長室にサウナを設置したことで有名になった池田市ですね。
ハローワークに3ヶ月通ったついでに、逸翁美術館は行った記憶があるようなないような・・・。
駅前商店街にいしだあゆみの実家があることの方が鮮明に覚えています。
お持ち帰り前提のオムライスは面白いですね。でもいらない人もいるでしょうに。
そうすると捨てることになるので、最初に希望をきいてくれたらいいのになぁと思いますね。
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にゃんころりん様 (みどり)
2021-03-09 20:44:05
市役所、前を通りましたが小さかったです。
あんな小さな市役所の中にサウナねぇ。

オムライスだけじゃなく、Sサイズがあれば良かったです。
でもデカ盛りがマスターのポリシーなのかも。
嫌ならその場だけ持って帰って、駅で捨てりゃいいんですけどね。
マスター、電車じゃポリ袋は恥ずかしいだろうから紙の手提げまで出してくれたので、家でちゃんと食べましたよ。
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Unknown (nana)
2021-03-14 06:54:45
関東に住んでいると、池田に足を運ぶ機会がありません。
歴史と趣の感じられる美術館ですね。
花のある風景というテーマに心が動きます。
素敵でしたでしょう。
機会があったら、一度訪ねてみたいです。
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nana様 (みどり)
2021-03-14 10:55:32
逸翁美術館、茶道具を中心とした地味な美術館です。
関西では阪急文化という独特な文化があります。
池田はその資料が残されている街なので、興味のない人には面白くないと思います。
来られるのなら牡蛎の季節、「かき峰」という牡蛎料理専門店でお食事なされば良いと思います。
絶品の牡蛎が食べられます。
牡蛎の季節だけしか開店してませんけど。
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