はい、旅行に行ってきました。
大雨の中、一泊二日のツアーです。
ツアー客は8名、ガイドさんにドライバーで総勢10名で、10人乗りのジャンボタクシーの利用です。
私がいつも利用している旅行会社で、お客さんは一組の姉妹以外、皆さん一人参加のシニア女性です。
シニア女性は元気で恐いもの知らずですね(笑)
一日目は三方五湖レインボーラインを走り、三方五湖を眺める筈だったのですが、大雨で霞んで景色が見えないとかで急遽変更。
若狭三方縄文博物館とその隣にある福井県年縞博物館に行くことになりました。
この二つは思いがけなく面白い博物館でした。
入り口が分からず、入るのに苦労した縄文博物館。HPはここ
コロナ完全防御のガイドさんが色々と説明してくださいました。
このガイドさん、なんでも私達の為だけに出てきてもらったらしいです。
説明によれば、若狭町三方五湖のあたりの泥炭地、鳥浜貝塚からは数多くの縄文時代の遺物が出ているとか。
年代にすれば今から約12,000〜5,000年前の遺物らしいです。
当たり前ですが、深く掘れば掘るほど古いものが出てくるそうです。
杉の木の根っこ。
土偶です。
ズラッと並んだ遺物。
縄文というと火焔型土器を思い浮かべますが、ここのはあっさりしています。
他に丸木舟とかが展示されています。
古いものでも保存状態はとても良いみたいです。
掘った断面を展示してます。上にいる人はモデルがいるそうです。
学生時代から発掘に携わっていて、後に偉い学者になった人だとか。
復元された縄文時代の織物。当時から布は織られていたらしい。
ストーンサークル。
縄文博物館は普通に面白い博物館でしたが、次に訪れた隣接する年縞博物館は異次元の面白さがある博物館でした。
年縞博物館のHPはここ
まず、年縞とは何かなのですが、HPから引用すると「長い年月の間に湖沼などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物」のことで、1年に1層形成されます。縞模様は季節によって違うものが堆積することで、明るい層と暗い層が交互に堆積することでできるものです。
どこの湖沼でも年縞が形成されるのかというとそうじゃなくて、幾つか難しい条件があるみたいです。
三方五湖の内、水月湖はその条件が奇跡的に揃っていた湖で、その結果、7万年分の連続する年縞が採取できたのだそうです。
これほどのものは世界でも他に類をみないそうです。
採取はボーリングを打ち込んで行われるのですが、年縞の長さが45mもあって、一度では採取できず、何度にも分けて採取します。
そうなると繋ぎ目が不明確になり、それを修正するために3本のボーリングを掘って、それを重ね合わせる形で7万年分を明らかにしたそうです。
年縞をステンドグラス状にして展示してます。3本ありますが、写真に写っていない部分も含め長さは45mです。
年縞の採取可能の限界だった7万年前の部分。
年縞の一層、つまり1年分は0.7mmくらいですが、それが7万層、積み重なっていたわけです。
そんなもんの何が面白いのかと思われそうですが、年縞はその年年の落ち葉や花粉が堆積してできており、そこからその時代の周囲の植生や気候、火山の噴火などの出来事が分かるのです。
要するに定点的にではあれ7万年の歴史が分かるのです。
しかも、それだけではないのです。
水月湖の年縞は世界標準として認められ、世界中の出土品の正確な年代を測定する際に利用できるのです。
というのも、世界各地の出土品の年代を測定するのに、その時代の生物に含まれている放射性炭素の残量から調べる「放射性炭素年代測定法」という方法が一般的に使われています。
ですが、放射性炭素の量は時代によってバラツキがあり、誤差が大きいものでした。
ところが、水月湖の年縞に含まれている落ち葉の放射性炭素の残量を測定のものさしとすることで、一気に7万年の時代測定が可能になったのです。
そういった事も学芸員の方や展示から知ることができました。
私も含めツアーの人達は、そんなことに興味のありそうな人達ではなかったと思うのですが、あれこれ説明を聴くうちに、すっかり年縞のロマンに魅了されてしまいました。
というわけで博物館の見学は終了。
雨の中、一路宿へと向かいます。
今回の旅行の、私にとっての最大の楽しみは宿の食事でした。
新鮮な魚がふんだんに食べられると聞いていましたので。
宿は若狭湾に突き出た常神(つねかみ)半島の、神子(みこ)という漁村にある「潮(しお)」という名の漁師宿でした。
旅館ではなく民宿で、私達のツアーで貸し切り状態でした。
新鮮な海の幸が食べきれないほど出てきました。
4枚の大皿に盛られたお刺身だけでなく、一人一尾の鯛の焼き物や煮魚等々も出てきて、とても食べきれるものではありません。
ツアー客の中には生魚はダメという人もいて、ガイドさんは宿に頼んで出汁を入れた鍋を持ってきてもらい、残ったお刺身でシャブシャブを作り、ポン酢で食べたり。
それでも食べきれずに残っていました。
内心『ああ、もったいない』でしたが、翌日の朝食の味噌汁の具に昨晩のお刺身が入っていて、とても美味しくいただきました。
この民宿は親子で漁師をやっておられ、晴れていれば朝、船にも乗せてもらえたそうです。
ガイドさんの話では、神子は山桜の名所でもあり、このコースのツアーは毎年4月に組んでおり、船に乗って海から山桜を見ることもできるのだそうです。
来年は4月に来てください、ということでした。
続きます。
大雨の中、一泊二日のツアーです。
ツアー客は8名、ガイドさんにドライバーで総勢10名で、10人乗りのジャンボタクシーの利用です。
私がいつも利用している旅行会社で、お客さんは一組の姉妹以外、皆さん一人参加のシニア女性です。
シニア女性は元気で恐いもの知らずですね(笑)
一日目は三方五湖レインボーラインを走り、三方五湖を眺める筈だったのですが、大雨で霞んで景色が見えないとかで急遽変更。
若狭三方縄文博物館とその隣にある福井県年縞博物館に行くことになりました。
この二つは思いがけなく面白い博物館でした。
入り口が分からず、入るのに苦労した縄文博物館。HPはここ
コロナ完全防御のガイドさんが色々と説明してくださいました。
このガイドさん、なんでも私達の為だけに出てきてもらったらしいです。
説明によれば、若狭町三方五湖のあたりの泥炭地、鳥浜貝塚からは数多くの縄文時代の遺物が出ているとか。
年代にすれば今から約12,000〜5,000年前の遺物らしいです。
当たり前ですが、深く掘れば掘るほど古いものが出てくるそうです。
杉の木の根っこ。
土偶です。
ズラッと並んだ遺物。
縄文というと火焔型土器を思い浮かべますが、ここのはあっさりしています。
他に丸木舟とかが展示されています。
古いものでも保存状態はとても良いみたいです。
掘った断面を展示してます。上にいる人はモデルがいるそうです。
学生時代から発掘に携わっていて、後に偉い学者になった人だとか。
復元された縄文時代の織物。当時から布は織られていたらしい。
ストーンサークル。
縄文博物館は普通に面白い博物館でしたが、次に訪れた隣接する年縞博物館は異次元の面白さがある博物館でした。
年縞博物館のHPはここ
まず、年縞とは何かなのですが、HPから引用すると「長い年月の間に湖沼などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物」のことで、1年に1層形成されます。縞模様は季節によって違うものが堆積することで、明るい層と暗い層が交互に堆積することでできるものです。
どこの湖沼でも年縞が形成されるのかというとそうじゃなくて、幾つか難しい条件があるみたいです。
三方五湖の内、水月湖はその条件が奇跡的に揃っていた湖で、その結果、7万年分の連続する年縞が採取できたのだそうです。
これほどのものは世界でも他に類をみないそうです。
採取はボーリングを打ち込んで行われるのですが、年縞の長さが45mもあって、一度では採取できず、何度にも分けて採取します。
そうなると繋ぎ目が不明確になり、それを修正するために3本のボーリングを掘って、それを重ね合わせる形で7万年分を明らかにしたそうです。
年縞をステンドグラス状にして展示してます。3本ありますが、写真に写っていない部分も含め長さは45mです。
年縞の採取可能の限界だった7万年前の部分。
年縞の一層、つまり1年分は0.7mmくらいですが、それが7万層、積み重なっていたわけです。
そんなもんの何が面白いのかと思われそうですが、年縞はその年年の落ち葉や花粉が堆積してできており、そこからその時代の周囲の植生や気候、火山の噴火などの出来事が分かるのです。
要するに定点的にではあれ7万年の歴史が分かるのです。
しかも、それだけではないのです。
水月湖の年縞は世界標準として認められ、世界中の出土品の正確な年代を測定する際に利用できるのです。
というのも、世界各地の出土品の年代を測定するのに、その時代の生物に含まれている放射性炭素の残量から調べる「放射性炭素年代測定法」という方法が一般的に使われています。
ですが、放射性炭素の量は時代によってバラツキがあり、誤差が大きいものでした。
ところが、水月湖の年縞に含まれている落ち葉の放射性炭素の残量を測定のものさしとすることで、一気に7万年の時代測定が可能になったのです。
そういった事も学芸員の方や展示から知ることができました。
私も含めツアーの人達は、そんなことに興味のありそうな人達ではなかったと思うのですが、あれこれ説明を聴くうちに、すっかり年縞のロマンに魅了されてしまいました。
というわけで博物館の見学は終了。
雨の中、一路宿へと向かいます。
今回の旅行の、私にとっての最大の楽しみは宿の食事でした。
新鮮な魚がふんだんに食べられると聞いていましたので。
宿は若狭湾に突き出た常神(つねかみ)半島の、神子(みこ)という漁村にある「潮(しお)」という名の漁師宿でした。
旅館ではなく民宿で、私達のツアーで貸し切り状態でした。
新鮮な海の幸が食べきれないほど出てきました。
4枚の大皿に盛られたお刺身だけでなく、一人一尾の鯛の焼き物や煮魚等々も出てきて、とても食べきれるものではありません。
ツアー客の中には生魚はダメという人もいて、ガイドさんは宿に頼んで出汁を入れた鍋を持ってきてもらい、残ったお刺身でシャブシャブを作り、ポン酢で食べたり。
それでも食べきれずに残っていました。
内心『ああ、もったいない』でしたが、翌日の朝食の味噌汁の具に昨晩のお刺身が入っていて、とても美味しくいただきました。
この民宿は親子で漁師をやっておられ、晴れていれば朝、船にも乗せてもらえたそうです。
ガイドさんの話では、神子は山桜の名所でもあり、このコースのツアーは毎年4月に組んでおり、船に乗って海から山桜を見ることもできるのだそうです。
来年は4月に来てください、ということでした。
続きます。