選択はやっぱり間違いだった。
「暗い空の下に向かう」か、それとも「青空の見える方にむかう」か。
「先見の明」というやつで「これまでの経緯と現状から鑑みて何たらかんたら」とやることはまずない。
こういう時は単純に勘で動く。そして失敗する。
結果は「だからあれほど~ www」と他人から言われる。
三津田を過ぎた辺りで、頼りにしていた青空は姿を消す。
御坂で小雨に遭う。三津田、御坂の間、僅か数百メートル。
これはたまらん、とハンドルを左に切る。納豆を買うのは諦め、帰宅することにする。
前方、帰路の景色は白く霞んでいる。雨の降っている証拠だ。後方は全て暗灰色の世界。青空は欠片すら見つからない。
雨が段々強くなる。歩く分には小雨かもしれないが、そこに飛び込んでいくわけだから十分にしっかりとした雨になる。
帰り着いた時にはすっかり濡れてしまっていた。
SRにも路面の凍結防止のために盛大に撒かれた塩化カルシウムの白い模様が付いている。放っておけば白い錆になる。
帰り着いたのとほぼ同時に、雨は止んだ。
十数分掛けて白い汚れを拭き取る。
考えてみれば、ここ数年で何度も同じ経験をしている。
なのに青空が一片でも見えたら、ほとんどためらうことなくそっちに行ってしまう。懲りないというか、バカというか・・・。後者だな、やっぱり。
そしていつも「やれやれ」と苦笑しながらバイクを拭く。
70を過ぎても、それが楽しい。
(被虐嗜好、Mではないと思う。)