2016.08/16 (Tue)
再び.「こうやって並べられてみると、実に分かりやすい」。
(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」から)
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」から関連の投稿コメントを部分転載します。
例によって読者の投稿欄からです。
先日来、数度、「日本共産党の現状(或いは真実)」に関して読者同士で意見のやり取りがありました。
何かを「見詰めよう」とする時、情報はジグソーパズルのように「全ピース揃っていなければ駄目」、というものでもないし、また、「どうしてもここにしか当てはまらない」というものでもない。
でも、情報は多いにこしたことはありません。共産党のことを、時系列ではあまり見ることがないせいか、重要なことを教えていただけた気分です。
いきなり脱線しましたが、読者同士の意見のやり取りというのは「日本共産党は本当に筋が通っているか否か」についてが主になっていたようです。その全部を転載しようとすると4990号から、ですから少々長くなります。
それで直近の数回だけ、転載します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(読者の声1)貴誌前号投書欄ですが、最近、日本共産党は「暴力革命を放棄していない」「その本質は変わらない」式の標題の批判を散見する。小生はそれらを読んでいないのだが(いずれ読むつもりではある)、日本共産党に暴力革命をやる意志も力もない、つまり、かなり的外れの批判なのではないか、と予想している。
そもそも彼らには、暴力的にせよ平和的にせよ革命的精神や気力はとっくに失せている。たんなる臆病者・反日主義もしくはそれへの追随者とみるべきなのだ。
貴誌第4990号(読者の声2)多田彰矢氏の論考は、小生の考え方を裏付けてくれるものであり、一服の清涼剤であった。多田様、ありがとう。
(等々力孝一)
~平成28年(2016) 8月15日(月曜日)弐 通算第4996号から~
・・・・・
(読者の声1)読者の声欄の貴コメントを拝読しました。日本共産党に対する私見にご賛同いただき恐縮です。等々力様がいわれるように、共産党はもはや革命政党ではありません。確かに「敵の出方論」は堅持していますが、むしろユーロ・コミュニズムに近い立場と思います。
平和、憲法擁護などを叫んでいればそれなりの票数と議席が確保できますから、激減した小さな「左翼市場」で行き場のない少数者を取り込むこと自体が自己目的となっています。もちろん真面目に社会主義革命を夢見る左翼原理主義者もいるので、科学的社会主義(=マルクス・レーニン主義)の旗はおろさないでしょう。
野党統一戦線も、今や滅亡寸前の社民党や民進党内部の旧左翼の連中を取り組むための戦術であり、これにまんまと乗った他の野党はいまや滅亡に向かってひた走っているのです。そういう意味では「反帝国主義反スターリン主義」を唱えてきた極左集団も同じ道を辿っているのは皮肉なことです。
結局旧ソ連圏が崩壊したときに、マルクス・レーニン主義についての何の総括も出来なかったことが原因です。共産党も極左勢力も労働者大衆とは無縁の存在なのです。
(多田彰矢)
~平成28年(2016) 8月14日(日曜日)通算第4993号から~
・・・・・・・
(読者の声1)貴誌4993号「読者の声」欄で多田彰矢氏が「等々力様がいわれるように、共産党はもはや革命政党ではありません。確かに『敵の出方論』は堅持していますが、むしろユーロ・コミュニズムに近い立場と思います」とかかれています。
日本共産党は大正11年(西暦1922年)に共産主義インターナショナル日本支部として創設されました。私は日本共産党が共産主義インターナショナル日本支部から日本共産党に自身を変革したと発表したことを聞いたことも読んだこともありません。
ということは日本共産党はいまだに共産主義インターナショナル日本支部なのかそれともある時に変革したが発表しなかったのか、なんとなくいつともなく変革したのかのいずれかです。
もし、ある時をもって変革したのなら、どう変革したのか、なぜ変革したのかと変革前の共産主義インターナショナル日本支部にたいする批判があってしかるべきです。この質問に答えるのが、日本共産党の一番の義務と考えます。
もし、答えをご存知ならご教示願います。万一、こんなことにも答えられないなら、日本共産党は公党として存在する価値はありません。もっとも、日本には綱領のない政党すら存在しているので、日本共産党は「なんとなく公党」なのかもしれません。
(ST生、千葉)
~平成28年(2016) 8月15日(月曜日)弐通算第4995号から~
・・・・・
(読者の声1))貴誌前号「読者の声」の「千葉ST生」様へ。
まず日本共産党は公党ではありません。あくまで私党です。おそらく今の党員諸君は上層幹部を除いて共産党の歴史は何も知らないでしょう。
コミンテルン日本支部として創設されたこと、党の目的が労働者の祖国ソ連を守ることであったこと、天皇制打倒を掲げたことによって多くの労働者大衆が離脱したこと、戦後においては占領軍を解放軍と規定したこと、日本国憲法の制定に際してこれに反対したこと、昭和28年にスターリンが死去したときに盛大な追悼行事を行ったこと、昭和31年のハンガリー動乱についてソ連の軍事制圧を支持したこと、昭和39年の部分的各実験停止条約に国会で唯一反対したこと、昭和30年代後半から40年代初めまで機関紙「赤旗」は毛沢東と金日成の賛美記事で埋め尽くされていたことなど、今の日共党史には一切出てきません。
だから共産党員諸君は軍国主義と戦争に反対し、戦後は平和と民主主義のために奮闘したという公式党史しか教えられていません。
日本国憲法に反対した野坂参三は百歳になってソ連のスパイであったことを理由に除名されましたし、中国に逃亡した徳田球一は家父長的権威主義指導者として批判されました。
火炎瓶闘争など軍事革命路線を指導した志田重男は左翼冒険主義者として弾劾され、その他袴田里見も党規律違反で除名されました。獄中18年の志賀義雄や作家の中野重治はソ連派として除名。戦前から命脈を保ったのは宮本顕治だけです。宮本の愛弟子である不破哲三や志位和夫は正にスターリニスト官僚。自主独立の党という、うそで固められた党史を掲げる共産党には公党としての資格はありません。
(武蔵国住人)
~平成28年(2016) 8月15日(月曜日)弐通算第4996号から~
(転載了)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「共産党は結党以来ぶれない」「常に筋を通してきた」「共産党しか庶民の味方はいない」等々。
党も庶民も、つまり自他ともにそう言い切ってきたように思います。
それなのに、何だか知らん、もう一つ胡散臭いというか、何だか怪しい、というか、そんな気持ちを持ち続けて来たのは私だけではないでしょう。
それでも何となく切り捨てられないでいる理由は、学校は言うまでもなくテレビだって新聞だって、決して「胡散臭い」とか「怪しい」とか言わないから。
それで
「何も知らないから、そんな気がしているだけかな?何かそれを口にするとバカだ、って言われそうだから、黙っていよう」
、となる。
素直に思った通りを言えばいきなり「空気を読め」、みたいな目で見られるか、蔑みの目で見られるか。
でも、こうやって並べてあるのを見れば、共産党に対する「素朴な疑問」は間違ってなかった、となります。
酷いもんです。これでは民進党どころではない。将に「亡国の政党」」。
「売国の政党」も嫌ですけどね、「亡国の政党」に比べれば桁違いのもの。
何しろ「亡国の政党」は武力革命をせずとも、現社会の全否定はするんですから。
枝葉の部分になりますが、
「天皇制打倒を掲げたことによって多くの労働者大衆が離脱したこと」、
「戦後においては占領軍を解放軍と規定したこと」、(今は、「そんなこと、言った?」みたいな顔、してます)
「日本国憲法の制定に際してこれに反対したこと」、(今は、憲法護れ、ですよね?)
の三つ。
ちょっと驚いたのは一つ目の「天皇制打倒を掲げたことによって多くの労働者大衆が離脱したこと」。
日本人の面目躍如、といった気がします。
同時に、今の日本人だったらどうだろうか、という気もしますが。