「アベ、辞めろ!」→「辞任の意向表明」→「アベ、逃げるな!」
・・・・どうせぇ、っちゅうねん。
一昨日の記者会見後のレポート中、テレビにはずっと耳障りな音声が流れていたけど、正体はこの「アベ、逃げるな!」の連呼だったようです。
以前、日記に書いたんですが、佐藤栄作総理が辞任するとき、「新聞は言ったことをちゃんと書いてくれないから」と発言したら、腹を立てた記者の一人が「じゃ、我々は出ましょうか?」と言った。
売り言葉に買い言葉?「ああ、出てくれて結構」と総理が返す。そしたら記者も引くどころか「みんな、出よう、出よう」と周囲の記者を煽る。
結局、一分もたたないうちに会場から記者の姿はみんな消えてしまって、残ったのはNHKのテレビカメラのみ。
それでも、予定通り、佐藤総理はガランとした会見場の中で、カメラだけに向かって辞任の弁を結構長時間にわたって喋っていたのを覚えています。
今、確認してみたら、十年前の日記でした。以下がそれです。
・・・・・・・・・・・・・
(略)
思い出しましたよ。佐藤栄作総理が、職を辞する時でした。
新聞記者に対して、おそらくは売り言葉に買い言葉だったんでしょう、
「君らは言った通りを書いてくれないから、答えたくない」
、とやったんです。
すると、新聞記者の方も、頭に血が上ったか、
「それじゃ、我々は居なくて良い、ということですか」
「ああ、そうだ」
「だったら、引き揚げますよ」
「ああ、そうしてくれ」
「おい、みんな、引き上げよう。やめだ、やめだ」
本当に記者連中、みんな引き揚げてしまった。
で、テレビカメラ(おそらくNHK)だけで、辞任の会見をやったことがあります。
当時の新聞記者は「真実を報道するのだ」という、プライドというより、鼻持ちならないくらいの傲慢さを持っていました。
それは、或る意味、必要なことだと思います。
麻生少年に対して、「お前んとこのじいさんは~」と悪口を言ってみたり、時に、小突いたりする最低の連中も、やっぱり他の記者と同じく、向こう意気は強いから、政治家相手に大ゲンカもする。
だから、さっきの佐藤総理に対しても気後れせず、ケンカ腰です。
(略)
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新聞記者に対して、おそらくは売り言葉に買い言葉だったんでしょう、
「君らは言った通りを書いてくれないから、答えたくない」
、とやったんです。
すると、新聞記者の方も、頭に血が上ったか、
「それじゃ、我々は居なくて良い、ということですか」
「ああ、そうだ」
「だったら、引き揚げますよ」
「ああ、そうしてくれ」
「おい、みんな、引き上げよう。やめだ、やめだ」
本当に記者連中、みんな引き揚げてしまった。
で、テレビカメラ(おそらくNHK)だけで、辞任の会見をやったことがあります。
当時の新聞記者は「真実を報道するのだ」という、プライドというより、鼻持ちならないくらいの傲慢さを持っていました。
それは、或る意味、必要なことだと思います。
麻生少年に対して、「お前んとこのじいさんは~」と悪口を言ってみたり、時に、小突いたりする最低の連中も、やっぱり他の記者と同じく、向こう意気は強いから、政治家相手に大ゲンカもする。
だから、さっきの佐藤総理に対しても気後れせず、ケンカ腰です。
(略)
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安倍総理の辞任の意向表明に関してはどうでしょうか。
「君らは言った通りを書いてくれないから」、までは一緒でしょうね。
でも、佐藤総理とは違って、「だから答えたくない」とは言わない。
それよりも「病気が快方に向かえば、支えになりたい」ということははっきり言いました。
青山繁晴議員は「準備万端整えて辞めると表明したから、三度、ということもあり得る」と。
普段の総理の言動から見えてくるもの。それは・・・・。
以下も以前の日記です。
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大鉈をふるって大改革、政治的決断を行う。それで世の中は大きく動く。大半は良い結果となるけれど、そのために苦汁を味わう人は必ず出る。版籍奉還然り、廃藩置県然り。四民平等だって、武士はすぐに苦汁を味わうことになる。
安保条約改正のことで社会が混乱した。更にその混乱の中で、尊い人命を失うことになった。責任は総理「にも」ある。
だから苦汁を味わうことになった人々に対する責任として「辞任する」。
今回の参院選挙で青山繁晴氏が「西郷南洲翁遺訓」にある、「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」を何度も口にされていました。政治家たるもの、かくあるべきではないか、と。
この遺訓は誰しも納得されること、これこそ理想の政治家、となるのでしょうが、能く読むと、これは大変なことです。と言うか、ちっともカッコよくない。下手すると、人格否定どころか存在さえも否定される。国家のために「馬鹿にされ、踏みつけられ、でくの坊と呼ばれ、常に襤褸をまとって、いつでも平気で命を投げ出せる者」。
例えば青山氏は名誉棄損で文春を訴えた。又、親からもらった大事な名前だから、ひらがなで立候補の届け出はしなかった。
これは人間の尊厳、また親孝行そのもので、褒められるべきことではあっても蔑まれる謂れは全くない。
けど、それは「名も要らず」の反対、です。親孝行だって国家のために捨てる。それが「名も要らず」。
以前、こんなことを書きました。
↓
近思録党は、確かに決死の覚悟で改革に取り組みました。
西郷隆盛が「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人」でなければ、国のことはできない、と言ったのは、まずは、近思録党のことだったのでしょう。
でも、西郷は知らなかった。
自分が嫌っていた笑左衛門が、きたない手を使ってまでも、藩の財政を考え、250万両の蓄財をしていたことを。
そして、それを使って、斉彬が自分を育ててくれたことを。
笑左衛門もまた、汚名を着てまで、藩のために命を投げ出したことを。(2010年3月30日の日記)
・・・・・・・
これは500万両もの借金を片づけ(踏み倒し)、藩政を立て直し、逆に密貿易等で250万両の蓄財をし、全責任を取って敢えて卑怯未練に見えるよう、毒をあおいで死んだ調所笑左衛門のことです。おかげで、つい最近まで鹿児島では大変に嫌われていました。
でも、これが「名も要らず」でしょう。藩のために自分は言うまでもなく、一族までもが「石持て追わるる」ことになるようなことだって、平然として行なった。
青山氏は「かくあるべき」と提言しました。たとえ「狡い」、「卑怯」、「叩っ切ってやる!」と言われたって、「国家のためと心安く思い込み」、決断する。この時の岸信介は、確かにそうです。
今の総理は??(私は、やっぱり岸信介の孫、と思いますけど。)
安保条約改正のことで社会が混乱した。更にその混乱の中で、尊い人命を失うことになった。責任は総理「にも」ある。
だから苦汁を味わうことになった人々に対する責任として「辞任する」。
今回の参院選挙で青山繁晴氏が「西郷南洲翁遺訓」にある、「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」を何度も口にされていました。政治家たるもの、かくあるべきではないか、と。
この遺訓は誰しも納得されること、これこそ理想の政治家、となるのでしょうが、能く読むと、これは大変なことです。と言うか、ちっともカッコよくない。下手すると、人格否定どころか存在さえも否定される。国家のために「馬鹿にされ、踏みつけられ、でくの坊と呼ばれ、常に襤褸をまとって、いつでも平気で命を投げ出せる者」。
例えば青山氏は名誉棄損で文春を訴えた。又、親からもらった大事な名前だから、ひらがなで立候補の届け出はしなかった。
これは人間の尊厳、また親孝行そのもので、褒められるべきことではあっても蔑まれる謂れは全くない。
けど、それは「名も要らず」の反対、です。親孝行だって国家のために捨てる。それが「名も要らず」。
以前、こんなことを書きました。
↓
近思録党は、確かに決死の覚悟で改革に取り組みました。
西郷隆盛が「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人」でなければ、国のことはできない、と言ったのは、まずは、近思録党のことだったのでしょう。
でも、西郷は知らなかった。
自分が嫌っていた笑左衛門が、きたない手を使ってまでも、藩の財政を考え、250万両の蓄財をしていたことを。
そして、それを使って、斉彬が自分を育ててくれたことを。
笑左衛門もまた、汚名を着てまで、藩のために命を投げ出したことを。(2010年3月30日の日記)
・・・・・・・
これは500万両もの借金を片づけ(踏み倒し)、藩政を立て直し、逆に密貿易等で250万両の蓄財をし、全責任を取って敢えて卑怯未練に見えるよう、毒をあおいで死んだ調所笑左衛門のことです。おかげで、つい最近まで鹿児島では大変に嫌われていました。
でも、これが「名も要らず」でしょう。藩のために自分は言うまでもなく、一族までもが「石持て追わるる」ことになるようなことだって、平然として行なった。
青山氏は「かくあるべき」と提言しました。たとえ「狡い」、「卑怯」、「叩っ切ってやる!」と言われたって、「国家のためと心安く思い込み」、決断する。この時の岸信介は、確かにそうです。
今の総理は??(私は、やっぱり岸信介の孫、と思いますけど。)
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で、あべ総理は辞任の意向を表明したわけですが、入院治療が必要と言いながらも「準備万端整えて辞めると表明した」のは、祖父岸信介総理が新安保締結を目途に「国政の混乱を招いた」という理由で職を辞したのと、理屈からいえば同じこと。
となれば、「新安保条約締結」に相当する仕事とは「憲法改正」と明言してきたわけですから。それができないまま「準備万端整えて」辞めるということは何を意味しているのか、ですね。