CubとSRと

ただの日記

大変動?

2024年12月27日 | 心の持ち様
 
書評 BOOKREVIEW 
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 中国は鎖国状態、「巨大な北朝鮮となる」と大胆な予測
 米国ディープステーツには英国守旧派の暗躍があると指摘

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藤井厳喜『藤井厳喜 フォーキャスト2025』(ワック)
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 政治学者の藤井さん、未来学者でもあり、アメリカ経験が長いうえワシントンに太い情報パイプを持つ。それゆえワシントンの裏情報が間断なく、速射砲のように飛び出す。
 その意味で本書はしられざる重要な情報源、それも日本のメディアのような米国左派論調のコピペではなく、本物の保守思想に裏打ちされたデータだから、これをもとに次の予測も出来る。

 評者(宮崎)が本書で驚いた情報は幾つもあるが、就中、保守系シンクタンクの現在の状況に関する最新情報だった。
 トランプ次期大統領は閣僚の多くを自ら主催するシンクタンク「米国第一研究所」から抜擢し、また選挙運動の中枢にあった忠臣たちと、献金グループから能力とは別に忠誠度と献金額から論功行賞のごとくに選抜した。伝統的な人種別配分、派閥均衡という「組閣」を無視したかたちとなり、歴代政権の特質とされた派閥均衡的な性格を持たない。
 「トランプの政党」となった共和党において、いまや「反主流派」となったのが「旧エスタブリッシュメント」だ。
 かれらをRINOと喚ぶ。共和党の曾ての主流派である。
 それにしても、定番とされたシンクタンクからの抜擢で、トランプが何故、「ハドソン研究所」と「ヘリティジ財団」から、レーガン、ブッシュ親子がそうしたように多くの逸材を起用しないのか、不思議と考えていた。
 藤井氏がこの謎を解いた。ふたつともネオコン、隠れ民主党が支配する似非保守シンクタンクに変貌していたというのだ。

 思い返せば1980年代のレーガン時代、ヘリティジ財団とハドソン研究所が保守政治を牽引していた。ワシントンへ行く度に評者もヘリティジ財団に立ち寄って、多くの出版物を購入してきた。
 ハドソンとは、ハーマン・カーンの高弟らと随分親しく付き合っていたので、東京でもワシントンでも飲み歩いた。
 ハーマン・カーン博士の死後、研究対象がかわり、一時は日高義樹氏らも加勢していた。第一次トランプ政権では、このシンクタンク所長を駐日大使に任命した(議会審議が時間切れとなったため実現しなかった)。もうひとつがAEI(アメリカン・エンタプライズ・インスティテュート)だった。実に多くの研究員と議論したが、何人かがその後、次官、次官補クラスで政権入りした。
 CSISとカーネギーは当時からリベラルなシンクタンクだったので立ち寄りもしなかった(苦笑)。

 さて藤井氏はトランプのつぎの四年をきわめて楽天的に展望し、平和と繁栄がアメリカに活気を呼び戻すだろうと予測している。
 トランプにより、国連、IMF、WTO、世銀など「国際機関」の役割が大きく後退するだろうとし、G7,G20も同様だとする。そのうえで断言的な予測は「脱炭素」が世界的に大きく後退する。日米貿易バランス是正にはアメリカからガスを大量に輸入すれば良いと日米関係の暗転を克服できる提言も含まれる。
 ディープステーツに関しても、藤井的独創的解釈はアメリカのディープステーツには英国守旧派の暗躍があるとの指摘である。ロシアゲートのでっち上げは元英国MI6が絡んだことからも明白だとする(103p)。
 そして民主党がふれてもらっては困る「不都合な真実」は美女売春の島で展開されたエプスタイン事件だが、この背後にも英国守旧派がいるとする。
 アメリカ要人のスキャンダルを握ることによって籠絡するわけでエプスタインはその穢れ役だったという推論になる。エプスタインは獄中死しており、深層は闇に葬られた。ビル・クリントンは近刊のなかで、噂をいまごろになって否定した。
 中国に関する予測はすでに現状が鎖国状態であって中国(藤井さんは「チャイナ」と書く)は「巨大な北朝鮮となる」と大胆な予測である(174p)
 ともかく日本の大手メディアがまるで伝えない裏舞台の動きが掴める。



 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)12月22日(日曜日)弐
         通巻第8561号 より
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14年前にも「自民党を何とかしなけりゃ国が潰れる」と言っていた。

2024年12月17日 | 心の持ち様
 前回の書評で評者の宮崎氏が書かれていた青嵐会の話、先年も再掲しましたが今回14年前の日記をもう一度。
 部分再掲です。

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  2010.04/11 (Sun) 
     
   (略)
 小説家として若いうちから確固たる地位を築いた氏が次に飛び込んだのは政治の世界でした。
 そしてまだ若い石原慎太郎という人物は同じ若い議員の平沼氏らと共に派閥を超えた「青嵐会」という政治グループを党内で結成したのです。
 代表世話人は故中川昭一氏の父、中川一郎。渡辺喜美氏の父、渡辺美智雄。都知事は当選一回目ながら、幹事長です。
 「若い議員の力が自民党に新風を吹き込む。自民党を変える勢いがある。」私もそう思いました。
 (三島由紀夫氏の事件から三年。私、ただの生意気な大学生でしたが。)

 ニュースの中でその「青嵐会」の名簿が映されました。
 各個人の名前の下に血判が捺されてありました。血判状です。血判状をつくっていたわけです。
 思い出しました。何も知らない当時、私は
「何とまあ。極道じゃあるまいし。血判だなんて」
と思ったのです。

 皆さんはどう思われますか?
 「かための杯に双方一滴の血を落とし、それを啜って義兄弟となる」というのが有名ですが、「この時代に血判なんて」と思いませんか?

 実は本来、日本では当たり前に行なわれていたのです。連判状はみんな血判でするものです。
 やっぱりちょっとでも指を切れば痛いですからね。段々行なわれなくなっては来ましたが今でも誓詞に血判を捺して神前、師匠に呈するところはあります。
(かく言う私も数度血判を捺しています。勿論、政治結社でも極道でもありませんよ、念のため。)

 ちょっと痛いくらいで大して出血するわけでなし、却って寒稽古なんかの方が大変だと思いますが、「覚悟する」という意味ではなかなか効果的なやり方です。
 それを代議士が30名余り集まって、やった。(森喜朗、浜田幸一、野田毅、玉置和郎などもいた)
 三島事件が大きく影響している、とは思います。血判状ではありませんよ、「憂国」の思いが、です。

 田中総理が日中国交樹立のために北京に行こうとするのを、やめてくれと必死になって頼み込んだりした。
 (台湾を切り捨てることになるからです)
 あれから、三十有余年。

 あの時以上に酷い状態になっている。なのに青嵐会に代わるものがいるのか。与党の中でそれを必死になってとめようとする者がいないのなら自民党がやらなきゃいけない。その自民党はどうなのか。

 今日は朝から色々な番組でこれをやっています。
「揶揄して足を引っ張ることなら誰にだってできる」という知事の檄に対し、会見会場がしゅんとなったことを伝えたところはあったでしょうか。伝えたところがあったとすれば、日本の報道、まだ一縷の望みがあるのですが。


 蛇足ながら。
 青嵐会結成の際には血判を押したというのは本当の話で 、「何もそこまでやらなくたって署名で良いじゃないか」とか「時代錯誤だよ」「芝居じゃないんだから」等、色々意見もあったそうですが、「それが大事なんだ。意気込みを『自分』に見せるんだ!」ということで、参加者が集まって署名血判。
 「あいたた!切り過ぎた!」「え?血が出ないぞ」「おい、どの指を切ったらいいんだ?」と、まあ大騒ぎだったとか。何だか体育会系のノリみたいですが。しかし、やっぱり期待以上の結束力が生まれたそうです。

 ・・・・・・・・・・・
 (2024/12/17)
 さらに蛇足ですが「署名血判」の「署名」というのは、そのまま自分の氏名を書くことですが、「血判」と言うのは文字通り「血の判子」と言うことではありません。「判子に血を付けて押す」ということではない。
 「指に血を付けて指紋を」ということでもない。それじゃ指紋押捺みたいです。指紋を付ける理由はない。

 約束に用いる指は薬指だったそうで、薬指を傷つけ、その血を署名の下に付けることを、署名血判と言ったそうです。(爪の根元、生え際近くの部分を針などで刺し、出血させる)
 蛇足ですが、極道者が「落とし前をつける」として指を落とすのは本来小指じゃなくて「約束」をあらわす薬指だった、とか。
 (伊藤博文を暗殺したとされる安重根は左手薬指を切り落としています。護国の決心を誓う証拠としてだったそうです)
 実生活では小指がないと大変不自由だけれども、薬指はそれほどでもないそうです。見た方はどっちにしても吃驚しますけどね。

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「バイデンの何が悪かった?」っていう人の方が、まだ多いのかなぁ。

2024年12月16日 | 心の持ち様
書評  
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 永田町から新鮮な産地直送、進行中の政局・同時ドキュメント
  自民党崩壊の現場で、鬼才はみた、聞いた、接した

門田隆将『「左翼革命」と自民党崩壊』(ワック)
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 自民党が保守と勘違いしている人がまだ少しはいるが、この政党はすでに左翼政党であって国益を追求する本物の保守政治家は党内で孤立を余儀なくされたか、或いは選挙で落選に追い込まれた。
 自民党に愛想を尽かした人たちの票は参政党や日本保守党に流れた。
 いま我が国の国会は「去勢された宦官ども」が統治する、怖ろしいほどに末期的な状況にあると言ってよいのではないか。
 さきの自民党総裁選で、「あり得ない逆転」がおきたのは裏舞台で工作が進んだからで、左翼系議員等の裏切りである。そしてイシバとかのトンデモナイのが総理となった。世界から相手にされず、トランプとは五分で電話を切られ、毎日右往左往するおっさんが日本政治のド真ん中にいるという惨状は、日本の国家存続の危機に繋がる。

 総裁選の土壇場逆転の謎を門田氏は次のように解析する。
 「端的にいうなら、2024年自民党総裁選の主役は『高市早苗』であり、この政権の誕生を中国は阻止できるかどうか、逆に言えば、『中国にとって都合が悪い政権』を日本人は自分たちの力でつくることができるのか、ということが焦点だった」(中略)舞台裏では、「高市に総裁選で票を入れるなら、創価学会票は回さない」という噂が永田町でながれていた(36p)
 日本はこのまま滅びて中国の属国になるのか。
 イシバなる政治家は「朝日新聞を代表とする日本の左派メディアの意見を代弁する役を担い、『うしろから味方を打つ男』、『裏切り政治家』など数々の異名を持ち、生前の安倍に『イシバだけは総理にしてはいけない』といわれた人物だ」と著者の門田氏は一刀両断。

 自民党総裁選ではあと11名が高市早苗と書くべきだった。裏切りがおきた。
 「自民党は『左翼革命の完成』を高らかに宣言し、『日本のメルトダウン』がはじまった」と著者は悲嘆に暮れる。
 評者(宮崎)にとって永田町はいかにも遠くなった。
 半世紀前の国会は熱狂と突風が毎日吹き荒れる狂瀾怒濤、とくに暴れん坊の中川一郎、石原慎太郎、ハマコー、渡辺美智雄、中尾栄一、玉置和郎ら一癖も二癖もある役者が揃った青嵐会は「改憲」をうたって血盟した政策集団だった。田中角栄の金権政治に立ちむかった荒武者集団というイメージがあり、国民の期待が集まった。

 殆ど毎日、国会議員会館をまわって政治特集や企画本を編集していた評者は、あの活気に満ちた空気を肌で感じていた。青嵐会の主要メンバーとはよく酒も酌み交わした。
 今の永田町は空気が淀み、腐臭さえ漂っている。
 議員等は脳幹がなにかに汚染されている。たぶん中国発の悪性ウイルスだろう。日本人なら当然、参拝する靖国神社へ行くことを懼れている。この懼れは中国の無言の威圧から来ている。
 トランプ大統領が次に来日するとき、だまって靖国神社へ参拝したらどうなるか。
「何をしでかすか分からない、予測不能」のトランプゆえに、アメリカ政治は日本の政治のようなよどみもなければ利権に汚れた臭気もしない。
 ワシントンは毎日が地震に襲われたようにガヤガヤと、老獪な議員達の小言なぞ問題にせず、日和見の議員等を徹底して批判し、あるいは熱っぽく説得し、未曾有の保守革命がトランプを中軸に進行している。別の稿でくわしく書いたがトランプの保守革命は明治維新に匹敵するようなコペルニクス的改革である(拙論は12月25日発売の『正論』弐月号で)。

 それもこれもバイデンのあまりに馬鹿げた政治の四年間があったからアメリカ国民はトランプへの期待をはずませるのである。
 同様にイシバ政治がしばらく続き、日本は見るに忍びないほどの惨状となるだろう。高市早苗議員は、そのチャンスを待てばよい。
 鬼才・門田氏は最後に言う。
「平和惚けして現実を直視できない総理ではなく、国民の生命財産、そして領土を守り、『平和を守る抑止力』をきちんと構築できる国家の領袖」が待たれる、と(270p)。

 ともかく本書は、著者の門田氏自身が、総裁選直前まで高市応援団長として全国13ヶ所を行脚しつつ、自民党崩壊の現場で、目撃し、聞いた情報が満載だから、この産地直送は新鮮な同時進行ドキュメントにもなっている。
 本書を通じて、現場の生の声をたっぷりと聞かせて貰った。
     ☆○◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎○☆ 


 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)12月14日(土曜日)
         通巻第8550号 より
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定型  (或いは定石)

2024年12月04日 | 心の持ち様
 台湾統一、尖閣は中国の領土などと政治プロパガンダが喧しいときは
  中国軍の内部で熾烈な権力闘争が闘われている事実を隠蔽する常套手段だ
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 苗華(中国共産党中央軍事委員会委員)が事実上失脚したらしい。苗華は海軍提督である。
 李尚福国防相の失脚は『不在』が数ヶ月続いたあと明らかになり、董軍が新しく国防相と発表され、失脚がわかった。その董軍も取り調べを受けているという情報が行き交う。

 その前は秦剛外務大臣が失脚したが、外相ポストは王毅(政治局員、国務委員、前外相)が兼ね、中国外交を独占している。習外国訪問の時、左隣は王毅の指定席となった。

 苗華の取り調べが明らかになったのは不在となってから一ヶ月以上あとで、中国国防部の呉謙報道官が11月27日の月例記者会見で「調査が進行される間、苗華氏の職務を停止することにした」と述べた。
 その前日には就任したばかりの董軍国防相が「腐敗容疑で調査を受けている」と英紙ファイナンシャルタイムズが報道し、中国外交部の毛寧スポークスマンが否定した。

 苗華は中国人民解放軍における「福建閥」とされ、習近平と同じ釜の飯を食べた間柄だから抜擢したとされる。現在5人に減った軍事委員会メンバーだった。
 同委主席は習近平、副主任が張又侠である。どうも鍵は張又侠の鵺的な言動にあるのではないか。一時、張は失脚したと囁かれ、また反習近平のフィクサーなどと言われたが、習にすり寄って延命をはかったらしい。

 中国軍では戦略核ミサイルを専管する「ロケット軍」などで大規模な汚職調査が行われ、2024年6月には、前国防相の李尚福、その前の国防相だった魏鳳和が党籍剥奪となった。
 2023年には李玉超ロケット軍司令官が党籍剥奪処分、周亜寧初代ロケット軍司令官も退いた。李尚福国防相は就任7カ月で失脚した。ロケット軍高官に処分が集中したのは、試験発射の失敗、ミサイルの機能不全、システムの整合性の欠如などで、習が焦る「軍事大国」は夢幻ではないかという強迫観念が心理的に潜在するようである。

 中央軍事委員会の職権は、「中華人民共和国国防法」(1997年3月14日採択)に明記され、次のようである。

・全国の武装力(中国人民解放軍現役部隊・予備役部隊、中国人民武装警察部隊、民兵)を統一して指揮し、国境警備、海防、防空などの防衛活動を指導する。
・軍事戦略および武装力作戦に関する方針の決定。
・中国人民解放軍の建設を指導・管理し、計画を策定して組織的に実施する。
・全人代および全人代常務委員会に議案を提出する。
・憲法・法律により、軍事法規を制定し、決定と命令を発布する。
・中国人民解放軍の編制を決定し、本部および軍区、陸海空軍の種類およびその他の区級単位の任務・職責を定める。
・法律・軍事法規の規定により、武装力構成員の任免・試験・賞罰・研修を管掌する。
・武装力の武器装備体制および武器装備発展計画の批准。
・国務院の活動を補佐し、国防における科学研究の成果を管理して必要な措置をとり、国防教育活動を強化する。

 習をトップとする軍事委員会は七名で構成されたが、李尚福と苗華の失脚により、習のほかは副主席の張又侠、同 何衛東、劉振、張昇民の五人となった。


 ▼なぜ軍高官の失脚が続くのか

 習が事実上の権力掌握は2013年からだ。粛清、汚職追放キャンペーンは徐々に本格化して、今日までに高官数百、戒告処分など末端にまで影響し、百万人ほどが降格、左遷などの処分対象になったという。
 習近平はキャンペーンを「虎から蠅まで」とした。或る観察者は、この遣り方は「粛清でスターリンの道を行く」ものだと解析した。

 経済停滞、若者の失業、中流階級の不満の高まりなど、中国が抱える諸問題は、たとえば公務員ひとりの募集に四百人が列を作るというような経済の落ち込み現象に顕著だ。そこから生まれた不安、トラウマ、政府への不信と不満に繋がり、人民解放軍が弱体化、あるいは不安定化すれば、習近平主席の権威が損なわれることになる。

 習近平は忠誠のつよい軍人をトップに抜擢し、能力は後回し、結局は歴代皇帝がそうであったように周囲はイエスマンと茶坊主、軍人はばかばかしくて闘わない。
 そもそも人民解放軍は国軍ではなく、共産党のプライベートアーミーだから愛国心は希薄なのである。

 処分理由はいつも「党規違反」とか「汚職」である。軍内の汚職は誰もがやっていることで、腐敗体質は数千年変わらないシナの文化である。
 台湾統一、尖閣は中国の領土などと政治プロパガンダが喧しいときは中国軍の内部で熾烈な権力闘争が闘われている事実を隠蔽する常套手段なのである。



 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)12月2日(月曜日)弐
         通巻第8533号 より  
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ボケてる

2024年11月28日 | 心の持ち様
 書評 BOOKREVIEW
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 洒脱にして皮肉たっぷり、悠揚迫らぬ批判は中国古典で締めくくられる
   長い歴史のスパンから泡のような時局を論じ、本質を抉る

  加地伸行『平和ボケ日本 偽善者白書』(ワック)
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 平和惚けばかり、石破首相を筆頭に岸田文雄、野田聖子、三木谷浩史、浅田彰、辺見庸など偽善者を軽くいなしたうえでばっさり斬り捨てる。
(それにしてもトランプに早期に会いに行くと言っている石破総理よ、行くと馬鹿にされるから止めた方がいいよ)
 韓国、中国の肩を持って政治宣伝の片棒をかつぐ学者、文化人、ジャーナリストなどは「三流のチンドン屋である」と加地氏は一刀両断。
 カマラ・ハリスが勝つと民主党贔屓のチンドン屋も目立ったが、トランプ大勝のあとは沈黙している。
 左の「オピニオンリーダー」なんて偽善者の最たる類いだろう。

 平明な形容だが、肺腑を抉り出す批判の連続、しかもまったく嫌みがない、感情的ではない。すっきりとしているのだ。
 洒脱にして皮肉たっぷり、悠揚迫らぬ批判の文章は中国古典でしめくくられる。左翼偏向のメディアは『アホ・バカ』の一言でお終い。
 だから後味も清涼飲料のごとし。

 さて本書の核心のひとつが学制改革と国防である。
 「本来なら、肉体労働やサービス業等に進んで幸福な生活ができる者の大半が、なんと高校や大学に進学して不幸になってしまっている」。
 その通りである。学歴偏重社会が日本から活気をうばったのだ。
 「このような不幸な人生を歩む予備軍をつくっているのが、現在の高校や大学の大半なのである」。
 嗚呼「不幸な人生」という表現はじんときますね。

 率直に言って大學へ行くのは時間の無駄、そもそも看護士がなぜ四大を卒業しなければ資格が得られないのか。文科行政の利権だからか。

 関連して加地氏は外国人対策として、「彼らの安全を日本が担っている以上」、この人たちから年間二十万円ほどの「国防税」を取れ、現にスイスは外国人の長期滞在者らから年間三十万円ほどの「国防税」を徴収しているではないかとする。

 ここで評者(宮崎)の提言をくわえておくと、大學授業料を自衛隊に最低二年つとめた若者には免除にすると良い。自衛隊の恒常的人員不足がおぎなえるうえ若者に国を護るとはいかなることかを体験させられるではないか。
 自主防衛についても加地先生はこう言われるのだ。
 「自国が侵略されたとき、反撃を外国軍に頼るなどという国家に対して、だれが共に闘ってくれるというのだ。アメリカの青年兵が、生死の境に在るというとき、日本の青年は、喫茶店で珈琲を飲み音楽を聴いていて良い、というのか。それで良いのか、それこそ人間として」(168p)

 ここで詩経からの抜粋がある。
「他山の石 以て玉を攻(みが)くべし」
☆○◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎○☆ 


「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)11月26日(火曜日)
         通巻第8522号 より


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 同号の読者欄に
 「集合写真撮影欠席はフジモリ大統領の墓参で渋滞に巻き込まれたためと言い訳。(一部抜粋)」(PB生、千葉)
 とあって、宮崎氏からのコメント。
 「故フジモリ大統領のお墓参りで、儀式的な集合写真を欠席したとすれば、それはそれで快挙では?ラストサムライを弔うことが烏合の衆の集まりより大事だと密かに示唆したかも。考えすぎ?」。

 この話は何度もネット記事で目にしましたが、勿論、「考え過ぎ」でしょう。宮崎氏、冗談で言っていると思います。実際に交通渋滞で遅れたらしいですから。
 この件について
「墓参りをするなら、大使館を守って殉職した兵士の墓にこそ参るべきではないのか」と言う意見や「大事な集合写真に遅れるとは何事か!(こっちがほとんどだったけど)」等の意見が見られました。
 けど、「烏合の衆の集まりである儀式的な集合写真よりラストサムライを弔うことの方が大事だ」、なんて考えもしなかった。
 遅れた云々は別にして、これこそが本筋。そして殉職した兵士は国のために戦ったわけだから、まずはその時の大統領が代表して墓参の栄誉を受けるのが当たり前。それが順序です。

 そんなことを考えもしなかった。ボケの一員だと自分でも思います。

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