←エジプトでパスポートを失ってから、帰国するまで 4日目からの続きです
2009年8月18日火曜日
少し遅めに起きて、ゆっくりビュッフェの朝食を食べてからNOVOTELカイロエアポートを正午にチェックアウト。
送迎バスで東京成田空港行きのエジプト航空964便の出るカイロ国際空港ターミナル3へと向かう。
出国ゲートに並び、イミグレで僕の「帰国のための渡航書」を手にした審査官は一瞬「おや?」という顔をしたが、すぐに出国のスタンプをポンと押してくれた。
当初の予定から4日遅れで、やっとエジプトを出国することが出来たのだ。
「終わった…」
搭乗ゲート前のカフェテリアでエジプト国産ビール「ステラ」と「サッカラ」を買って、ゆっくり飲む。
暫らく振りのアルコールが、じんわり沁みていく。
「いろんな人に会ったな…」
この数日間で本当にたくさんの人たちに会った。
パスポートを失うという重大ミスを犯して立ち往生している見知らぬ外国人の僕に、親身に応じてもらい励ましてもらい、そして時には相手に呆れ時には相手に大声を張り上げながらも、僕はたくさんたくさんの人たちに助けてもらった。
「こうして無事に生きて日本に帰れるのは、みんなのおかげです。みなさん、本当にありがとうございました。」
大変な目に遭ったが、その分たくさんの大切なものをもらえた。
今となっては、そう思えてならない。
…まぁ正直言うと、昨日まで、日本に帰るべくカイロ市内を右往左往駆け回って手続きをしていた間は、とてもそんなことを考える余裕は無かったけどね。
ともあれ、終わったんだ!さぁ日本に帰ろう!!そして…帰ったら、迷惑掛けた人たちに謝らなきゃいけないね。
2009年8月19日水曜日
エジプト航空964便は定刻に成田空港に着陸した。
入国審査窓口に「帰国のための渡航書」を渡すと、ここでも「おや?」という顔をされる。
苦笑しながら「スミマセン、パスポートを盗まれまして…」と伝えると、VIP用?のような広々とした審査ゲートに誘導された。
パスポートを失った間抜け旅行者なのに、随分丁重に出迎えてくれるんだな、やっぱり祖国は有り難い。
ああ、素晴らしき我が母国ニッポン。僕はとうとう帰って来たぜ~。
帰国の感動を味わっている僕の目の前で、「帰国のための渡航書」に丸い帰国スタンプがポンと押されたのと同時に、渡航書は失効した。
帰国のための事務手続きのすべてが、事実上完全に終了した。
帰国後すぐに家族や勤め先に電話して「たった今、無事帰国しました」の報告をする。
皆、僕をからかったり笑っていたり。「笑い話」として済ませてくれる優しさが本当に嬉しい。
さぁ、明日からは頑張って働くぞ。何しろ3日も欠勤してしまったからね。
今、僕の手許には、3つのスタンプが押された失効済みの「帰国のための渡航書」が残っている。
この渡航書は、今後新しいパスポートを作成する際に事務方に提出することになると思うのだが、出来れば無効印か何かを押してもらって一生持っておきたいと思う。
そして、今後旅に出る度、出発前に取り出して見るようにしたい。
エジプトのカイロ市内でパスポートを失ったことを、その都度思い出すようにしたい。慢心が招いたミスを、そして多くの人たちに迷惑を掛け、助けられたことを一生忘れない為に。
(でも、今後暫らくは自戒の意味で海外渡航は自粛します)
…以上、僕がエジプトでパスポートを失ってからどうやって帰国したかの顛末でした。
最初にも書きましたが、今回の事はやはり僕の油断と慢心からきた、ある意味“起こるべくして起きた失敗”だと思います。
僕は10年前、海外個人旅行を始めた頃は、パスポートを「腹巻」に入れて所持していました。しかしいつの間にか「暑苦しい」「動きづらい」という理由でパスポートをポーチに入れるようになり、内ポケットに入れるようになり…盗まれた時点ではズボンのポケットに入れていました。
もし腹巻に入れていたら、多分盗まれることは有り得なかったでしょう。 10年間も何事も無く世界中を旅してきたという自信が何時しか慢心となり、「僕は大丈夫」という傲慢さが大事なパスポートをポケットに入れて平気で街を歩き回るという危険な愚行に走らせてしまったのだと、今にして思います。
僕の体験を間抜けな旅行者の苦労談として笑って頂いて、そして皆さんの今後の旅の危機管理に役立てて頂ければ僕としても幸いです。
皆さん、どうぞよい旅を!
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝
2009年8月18日火曜日
少し遅めに起きて、ゆっくりビュッフェの朝食を食べてからNOVOTELカイロエアポートを正午にチェックアウト。
送迎バスで東京成田空港行きのエジプト航空964便の出るカイロ国際空港ターミナル3へと向かう。
出国ゲートに並び、イミグレで僕の「帰国のための渡航書」を手にした審査官は一瞬「おや?」という顔をしたが、すぐに出国のスタンプをポンと押してくれた。
当初の予定から4日遅れで、やっとエジプトを出国することが出来たのだ。
「終わった…」
搭乗ゲート前のカフェテリアでエジプト国産ビール「ステラ」と「サッカラ」を買って、ゆっくり飲む。
暫らく振りのアルコールが、じんわり沁みていく。
「いろんな人に会ったな…」
この数日間で本当にたくさんの人たちに会った。
パスポートを失うという重大ミスを犯して立ち往生している見知らぬ外国人の僕に、親身に応じてもらい励ましてもらい、そして時には相手に呆れ時には相手に大声を張り上げながらも、僕はたくさんたくさんの人たちに助けてもらった。
「こうして無事に生きて日本に帰れるのは、みんなのおかげです。みなさん、本当にありがとうございました。」
大変な目に遭ったが、その分たくさんの大切なものをもらえた。
今となっては、そう思えてならない。
…まぁ正直言うと、昨日まで、日本に帰るべくカイロ市内を右往左往駆け回って手続きをしていた間は、とてもそんなことを考える余裕は無かったけどね。
ともあれ、終わったんだ!さぁ日本に帰ろう!!そして…帰ったら、迷惑掛けた人たちに謝らなきゃいけないね。
2009年8月19日水曜日
エジプト航空964便は定刻に成田空港に着陸した。
入国審査窓口に「帰国のための渡航書」を渡すと、ここでも「おや?」という顔をされる。
苦笑しながら「スミマセン、パスポートを盗まれまして…」と伝えると、VIP用?のような広々とした審査ゲートに誘導された。
パスポートを失った間抜け旅行者なのに、随分丁重に出迎えてくれるんだな、やっぱり祖国は有り難い。
ああ、素晴らしき我が母国ニッポン。僕はとうとう帰って来たぜ~。
帰国の感動を味わっている僕の目の前で、「帰国のための渡航書」に丸い帰国スタンプがポンと押されたのと同時に、渡航書は失効した。
帰国のための事務手続きのすべてが、事実上完全に終了した。
帰国後すぐに家族や勤め先に電話して「たった今、無事帰国しました」の報告をする。
皆、僕をからかったり笑っていたり。「笑い話」として済ませてくれる優しさが本当に嬉しい。
さぁ、明日からは頑張って働くぞ。何しろ3日も欠勤してしまったからね。
今、僕の手許には、3つのスタンプが押された失効済みの「帰国のための渡航書」が残っている。
この渡航書は、今後新しいパスポートを作成する際に事務方に提出することになると思うのだが、出来れば無効印か何かを押してもらって一生持っておきたいと思う。
そして、今後旅に出る度、出発前に取り出して見るようにしたい。
エジプトのカイロ市内でパスポートを失ったことを、その都度思い出すようにしたい。慢心が招いたミスを、そして多くの人たちに迷惑を掛け、助けられたことを一生忘れない為に。
(でも、今後暫らくは自戒の意味で海外渡航は自粛します)
…以上、僕がエジプトでパスポートを失ってからどうやって帰国したかの顛末でした。
最初にも書きましたが、今回の事はやはり僕の油断と慢心からきた、ある意味“起こるべくして起きた失敗”だと思います。
僕は10年前、海外個人旅行を始めた頃は、パスポートを「腹巻」に入れて所持していました。しかしいつの間にか「暑苦しい」「動きづらい」という理由でパスポートをポーチに入れるようになり、内ポケットに入れるようになり…盗まれた時点ではズボンのポケットに入れていました。
もし腹巻に入れていたら、多分盗まれることは有り得なかったでしょう。 10年間も何事も無く世界中を旅してきたという自信が何時しか慢心となり、「僕は大丈夫」という傲慢さが大事なパスポートをポケットに入れて平気で街を歩き回るという危険な愚行に走らせてしまったのだと、今にして思います。
僕の体験を間抜けな旅行者の苦労談として笑って頂いて、そして皆さんの今後の旅の危機管理に役立てて頂ければ僕としても幸いです。
皆さん、どうぞよい旅を!
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝