平成22年初夏、種子島宇宙センターから打ち上げられるH-IIAロケット。
これで17回目のH-IIAロケット打ち上げですが、今回のH-IIAはひと味違う!
従前、地球を周回する低軌道や静止軌道に総重量数トンクラスのヘビー級実用衛星を投入するという使命に特化して生まれた日本の大型液体燃料ロケット、H-IIA。
そのH-IIAが初めて月より遠い深宇宙を目指し、持てる能力を駆使して秒速11.2kmの「第二宇宙速度」まで加速して金星へと向かう惑星間軌道に探査機を投入するミッションに挑んだのです!
今回、H-IIAロケット17号機によって打ち上げられるのは、
日本初の金星探査機「あかつき」と世界初の宇宙帆船・小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」。
そして大学の研究者が中心となって創り上げた、ちいさな「あいのり衛星」たち。
そんな何れも個性溢れる魅力的な衛星たちを載せて、地球を翔び立つ「金星ロケット」H-IIAロケット17号機の打ち上げ予定は
平成22年5月18日6時44分14秒(日本標準時)。
平日の火曜日ですが、これは是非とも現地・種子島で打ち上げを見送りたい!
そんな訳で、無理をして休暇をやりくりして、種子島へ渡ったのです。
しかも今回は、インターネットを通じて知り合った宇宙ファン・ロケットファンの方々と事前に連絡を取り合って、行動を共にすることが出来ました。
天燈茶房種子島ロケット打ち上げ見学記初の合同取材特別企画(って、僕が勝手にそう呼んでるだけだけどさw)はしかし、予想外の結果に終わってしまうことになるのですが…
そんなことは知る由も無く、意気揚々と種子島へと出発します!
平成22年5月16日
早朝、熊本県八代郡の自宅から出発。普通列車に乗り、一路九州を南下、先ずは鹿児島を目指します。
今日はまだH-IIAロケット17号機打ち上げの2日前。
夕方に鹿児島港を出る種子島行き高速船に乗ればいいので、時間はたっぷり丸一日あります。
急ぐ必要もないので、九州新幹線ではなく肥薩おれんじ鉄道で、のんびり各駅停車の旅。
「ああ、いい天気だなぁ~!この調子であと2日、晴天が持ってくれるといいけど」
途中の川内でJR鹿児島本線に乗り換えて、鹿児島中央駅に到着しても、まだ昼前。
駅前から鴨池方面行きのバスに乗って、ここへ向かいます。
鹿児島市立科学館ビッグアイです。
ここに、種子島に渡ってH-IIAロケット17号機を見る前に是非、確認しておきたい展示があるのです。
その展示とは、これ!
鹿児島人工衛星(大気水蒸気観測衛星)K-Satに搭載された、宇宙へのメッセージフィルムです。
「あいのり衛星」の一つとしてH-IIAロケット17号機に搭載され、「あかつき」や「IKAROS(イカロス)」と共に宇宙へと向かう鹿児島人工衛星K-Sat。
主に大気水蒸気分布観測実験などを目的に、鹿児島大学が中心となって開発した文字通りの「地元・鹿児島の衛星」です。
一辺10センチ程の、本当に小さな衛星ですが、地元の期待を一身に背負って宇宙へと旅立ちます。
そのK-Satには、メモリアルメッセージが刻まれた小さなフィルムが本体に貼付けられているのですが、募集の知らせに全国各地から集まったメッセージの中には実は僕のメッセージも含まれていたりします。
今回、打ち上げを前に、その宇宙へのメッセージフィルムの実物と同じものが期間限定で展示されるとの知らせがあったので、是非見ておきたいと思ったのです。
フィルムに刻まれた小さな文字は、さすがに虫眼鏡で拡大しても判別することは難しかったですが、脇に添えられた表面拡大コピーパネルにしっかりと僕のメッセージと名前(苗字のみ表記)を見つけて、満足。
おまけに、見知った名前も幾つか発見。これから種子島で合流する予定のあの人らしき苗字もあります。これは後で教えてあげないと!
K-Satの展示を見た後、鹿児島市立科学館を後にバスで鹿児島港へ。
種子島行き高速船の発着する南埠頭から見る、お馴染みの桜島の雄姿。
海の向こうにそびえる桜島を見ると、「さぁ、ロケットを見に行くぞ!」という気分になります。
鹿児島港16:00発の高速船「コスモライン ロケット」に乗船し、いざ種子島へ!
…例によって高速船の船内ではぐっすり熟睡し(僕は何故か高速船に乗ると眠くなるのだ…)、気が付けば種子島、西之表港に到着。
ここで、高速船「ロケット」と相前後してして到着する高速船「トッピー」で種子島入りするロケット打ち上げ見学遠征隊のメンバーと合流。
皆さんとは初対面なのですが、何しろTwitterでフォローしあって日常的に会話している方々ですので、お互いにいきなり顔馴染み状態にw
これから、僕も遠征隊のメンバーに加わり行動を共にします。今までは、種子島ロケット打ち上げ見学はいつも単独行だったので、同好の士…いやいや僕以上の情熱を持ってロケットを極めた達人である方々と一緒に行動するのは楽しみです!
「遠征隊」の方が手配して下さっていたレンタカーで今夜の宿に向かう途中、
「あっ!月と金星が…」
写真提供:金木犀さん
「明後日の朝、『あかつき』や『IKAROS(イカロス)』はあそこに向かって飛んでいくんだねぇ…」
食料調達の為に立ち寄った中種子のスーパー「Aコープ」の駐車場で、暫し月に寄り沿う宵の明星を見上げます。
それにしても、さすが「宇宙クラスタ」の方々。
いきなりゴツイ一眼レフのカメラや三脚などの機材がセットされ、そのまま駐車場の片隅で「月と金星観望・撮影会」がスタートしてしまいました(笑)
写真提供:金木犀さん
ロケット打ち上げ見学遠征隊の種子島での定宿である民宿に到着後、
振舞われた豪勢な海鮮鍋(さすが種子島!海の幸が美味い!!)に舌鼓を打ち、さてもう遅いし船旅で疲れてるからやすむか…
とは決してならないのがロケットファンw
再びレンタカーに乗り込み、種子島宇宙センターの大型ロケット発射場を望める場所に向かいます。時刻はもう午前2時過ぎ…
深夜の大型ロケット発射場を睨み、夜が明けたら行われるロケットの「機体移動」の下見です。
遥か数キロ先に、大型ロケット組立棟(VAB)の巨大な建屋に灯された照明が見えます。
あの中に収められているH-IIAロケット17号機が、夜明けと共に実際に打ち上げられる射点へと移動するのです。
僕のコンパクトデジカメでは全く何も写りませんでしたが、ちゃんとした一眼レフのカメラで射点を撮影するとこのような感じになります。
写真提供:金木犀さん
夜明けまであと数時間。
一旦、宿に戻って仮眠を取ります。お疲れ様、おやすみなさい…
→翔べ、金星ロケット!~H-IIA17号機打ち上げ見送り紀行~ その2に続きます
これで17回目のH-IIAロケット打ち上げですが、今回のH-IIAはひと味違う!
従前、地球を周回する低軌道や静止軌道に総重量数トンクラスのヘビー級実用衛星を投入するという使命に特化して生まれた日本の大型液体燃料ロケット、H-IIA。
そのH-IIAが初めて月より遠い深宇宙を目指し、持てる能力を駆使して秒速11.2kmの「第二宇宙速度」まで加速して金星へと向かう惑星間軌道に探査機を投入するミッションに挑んだのです!
今回、H-IIAロケット17号機によって打ち上げられるのは、
日本初の金星探査機「あかつき」と世界初の宇宙帆船・小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」。
そして大学の研究者が中心となって創り上げた、ちいさな「あいのり衛星」たち。
そんな何れも個性溢れる魅力的な衛星たちを載せて、地球を翔び立つ「金星ロケット」H-IIAロケット17号機の打ち上げ予定は
平成22年5月18日6時44分14秒(日本標準時)。
平日の火曜日ですが、これは是非とも現地・種子島で打ち上げを見送りたい!
そんな訳で、無理をして休暇をやりくりして、種子島へ渡ったのです。
しかも今回は、インターネットを通じて知り合った宇宙ファン・ロケットファンの方々と事前に連絡を取り合って、行動を共にすることが出来ました。
天燈茶房種子島ロケット打ち上げ見学記初の合同取材特別企画(って、僕が勝手にそう呼んでるだけだけどさw)はしかし、予想外の結果に終わってしまうことになるのですが…
そんなことは知る由も無く、意気揚々と種子島へと出発します!
平成22年5月16日
早朝、熊本県八代郡の自宅から出発。普通列車に乗り、一路九州を南下、先ずは鹿児島を目指します。
今日はまだH-IIAロケット17号機打ち上げの2日前。
夕方に鹿児島港を出る種子島行き高速船に乗ればいいので、時間はたっぷり丸一日あります。
急ぐ必要もないので、九州新幹線ではなく肥薩おれんじ鉄道で、のんびり各駅停車の旅。
「ああ、いい天気だなぁ~!この調子であと2日、晴天が持ってくれるといいけど」
途中の川内でJR鹿児島本線に乗り換えて、鹿児島中央駅に到着しても、まだ昼前。
駅前から鴨池方面行きのバスに乗って、ここへ向かいます。
鹿児島市立科学館ビッグアイです。
ここに、種子島に渡ってH-IIAロケット17号機を見る前に是非、確認しておきたい展示があるのです。
その展示とは、これ!
鹿児島人工衛星(大気水蒸気観測衛星)K-Satに搭載された、宇宙へのメッセージフィルムです。
「あいのり衛星」の一つとしてH-IIAロケット17号機に搭載され、「あかつき」や「IKAROS(イカロス)」と共に宇宙へと向かう鹿児島人工衛星K-Sat。
主に大気水蒸気分布観測実験などを目的に、鹿児島大学が中心となって開発した文字通りの「地元・鹿児島の衛星」です。
一辺10センチ程の、本当に小さな衛星ですが、地元の期待を一身に背負って宇宙へと旅立ちます。
そのK-Satには、メモリアルメッセージが刻まれた小さなフィルムが本体に貼付けられているのですが、募集の知らせに全国各地から集まったメッセージの中には実は僕のメッセージも含まれていたりします。
今回、打ち上げを前に、その宇宙へのメッセージフィルムの実物と同じものが期間限定で展示されるとの知らせがあったので、是非見ておきたいと思ったのです。
フィルムに刻まれた小さな文字は、さすがに虫眼鏡で拡大しても判別することは難しかったですが、脇に添えられた表面拡大コピーパネルにしっかりと僕のメッセージと名前(苗字のみ表記)を見つけて、満足。
おまけに、見知った名前も幾つか発見。これから種子島で合流する予定のあの人らしき苗字もあります。これは後で教えてあげないと!
K-Satの展示を見た後、鹿児島市立科学館を後にバスで鹿児島港へ。
種子島行き高速船の発着する南埠頭から見る、お馴染みの桜島の雄姿。
海の向こうにそびえる桜島を見ると、「さぁ、ロケットを見に行くぞ!」という気分になります。
鹿児島港16:00発の高速船「コスモライン ロケット」に乗船し、いざ種子島へ!
…例によって高速船の船内ではぐっすり熟睡し(僕は何故か高速船に乗ると眠くなるのだ…)、気が付けば種子島、西之表港に到着。
ここで、高速船「ロケット」と相前後してして到着する高速船「トッピー」で種子島入りするロケット打ち上げ見学遠征隊のメンバーと合流。
皆さんとは初対面なのですが、何しろTwitterでフォローしあって日常的に会話している方々ですので、お互いにいきなり顔馴染み状態にw
これから、僕も遠征隊のメンバーに加わり行動を共にします。今までは、種子島ロケット打ち上げ見学はいつも単独行だったので、同好の士…いやいや僕以上の情熱を持ってロケットを極めた達人である方々と一緒に行動するのは楽しみです!
「遠征隊」の方が手配して下さっていたレンタカーで今夜の宿に向かう途中、
「あっ!月と金星が…」
写真提供:金木犀さん
「明後日の朝、『あかつき』や『IKAROS(イカロス)』はあそこに向かって飛んでいくんだねぇ…」
食料調達の為に立ち寄った中種子のスーパー「Aコープ」の駐車場で、暫し月に寄り沿う宵の明星を見上げます。
それにしても、さすが「宇宙クラスタ」の方々。
いきなりゴツイ一眼レフのカメラや三脚などの機材がセットされ、そのまま駐車場の片隅で「月と金星観望・撮影会」がスタートしてしまいました(笑)
写真提供:金木犀さん
ロケット打ち上げ見学遠征隊の種子島での定宿である民宿に到着後、
振舞われた豪勢な海鮮鍋(さすが種子島!海の幸が美味い!!)に舌鼓を打ち、さてもう遅いし船旅で疲れてるからやすむか…
とは決してならないのがロケットファンw
再びレンタカーに乗り込み、種子島宇宙センターの大型ロケット発射場を望める場所に向かいます。時刻はもう午前2時過ぎ…
深夜の大型ロケット発射場を睨み、夜が明けたら行われるロケットの「機体移動」の下見です。
遥か数キロ先に、大型ロケット組立棟(VAB)の巨大な建屋に灯された照明が見えます。
あの中に収められているH-IIAロケット17号機が、夜明けと共に実際に打ち上げられる射点へと移動するのです。
僕のコンパクトデジカメでは全く何も写りませんでしたが、ちゃんとした一眼レフのカメラで射点を撮影するとこのような感じになります。
写真提供:金木犀さん
夜明けまであと数時間。
一旦、宿に戻って仮眠を取ります。お疲れ様、おやすみなさい…
→翔べ、金星ロケット!~H-IIA17号機打ち上げ見送り紀行~ その2に続きます