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2013初夏・北欧バルト海紀行 #026:エストニア・タリン街歩き 旧市街路地裏散歩

2013-06-19 | 旅行

#025:Ballet Matinee エストニア国立オペラ劇場“Rahvusooper Estonia”からの続き



午後。
エストニア国立オペラ劇場から、再びタリン旧市街に戻って来ました。
これから夕刻まで、旧市街を散策して過ごすことにします。

旧市街には、たくさんの入り組んだ迷路のような、石畳の小路の路地裏があります。




白昼夢のように中世から時が止まったままの、こんな路地裏をあてもなく彷徨い歩いてみましょう。




路地裏の先に、こんなお店を見つけました。ギャラリーでしょうか。
Sumi-eとは勿論、日本の墨絵のことですね。
軒先に提げられた円盤状の物は、そこが何の店なのか誰でも一目でわかるよう工夫された国際交易都市タリンならではの看板…だと思うのですが、この看板の意匠は何を表してるのかちょっとわかり難いような(笑)


この看板はわかりやすいですね。


もっと立体的でリアルな看板も発見。
お店の人のこだわりが覗えます。


これは寸胴鍋かなぁ?
枠から外して洗えば、そのまま実際に鍋として使えそう。


王冠をかぶった、ねじれプレッツェル?うずまき唐草の支柱もいい感じです。

看板ではなく、国旗を誇らしげに掲揚している建物もあります。

青地に金十字の旗と紋章を掲げたスウェーデン大使館。
タリン旧市街には、世界各国の大使館も集まっているようです。スウェーデン大使館以外にもあちこちで、それぞれの国旗を掲げた大使館を見かけました。

そして勿論、日の丸を掲げた我が在エストニア日本国大使館も…

…いまいち構図が良くなかったので、タリン旧市街に翻る日の丸の写真は撮りませんでしたが、そのかわりこんな素敵なものを見つけました。



日本大使館の前庭には、日本とエストニアの友好を願う桜が植えられていました。
あいにく、冷涼なバルト海地方ではまだこの時期でも桜の花が咲くには早すぎたようですが、きっともうすぐエストニアの遅い春を彩る友好の桜が美しく咲くんでしょうね。
桜の下の東屋では、花見の準備と思しき作業も進められていますよ。

ああ、いつか僕もタリンで花見がしたいなぁ!

ちなみに日本大使館は旧市街の山の手、トームペアの丘の「台所を覗く塔」のすぐ隣にあります。
「台所を覗く塔」からは日本大使館の厨房も覗けるかもしれません…いやまさか(笑)


そしてこちらが、トームペアの丘に建つトームペア城です!
トームペア城の原型は13世紀頃から造られていたそうですが、現存するのは18世紀後半に女帝エカテリーナ2世の命により建てられたバロック様式の宮殿で、帝政ロシア時代は知事公館として、そして現在はエストニア共和国の国会議事堂として使われています。
トームペア城は今でも、エストニアの政治の中枢として機能しているのですね。

昔も今もこの国の表舞台として、観光客から外交官まで世界中から人々が訪れ交流するタリン旧市街。
今もなおバルト海の潮風にのってハンザ同盟都市の自由の薫りが強く漂う、素敵な街歩きを満喫しました。
そろそろ、この街を離れる時間です。名残惜しいのですが…

ホテルに戻り、荷物を受け取ってから旧市街出口の城門へと向かいます。


旧市街の街外れに建つ、可愛らしい色違いの三つ子の建物が見送ってくれました。
その名も「三姉妹」と呼ばれる14世紀の商館で、現在はお洒落な高級ホテルになっているそうです。

「三姉妹」の先はもう沿岸大門(スール・ランナ門)です。
3日前から、この城門を出たり入ったりしていましたが、とうとうこれで最後。沿岸大門を出てタリン旧市街を去ります。



沿岸大門を出ると、お馴染み「太っちょマルガレータの塔」に別れの挨拶です。

さようなら、タリン旧市街。必ず、また来るよ!

#027:エストニア・タリン郊外の駅と近郊電車に続く

2013初夏・北欧バルト海紀行 #025:Ballet Matinee エストニア国立オペラ劇場“Rahvusooper Estonia”

2013-06-19 | 映画・演劇・コンサートを観る
Rahvusooper Estonia


#024:エストニア・タリン街歩き 朝の旧市街散歩、教会巡りからの続き


タリンの旧市街と新市街の境目にある、公園に囲まれて建つネオクラシック様式の建築。
タリンのオペラハウス、エストニア国立オペラ劇場“Rahvusooper Estonia” です。
帝政ロシアの末期、1913年に建てられたそうなので、今年でちょうど100周年を迎える歴史ある劇場です。
建屋はそれ程大規模ではないのですがオペラ座とコンサートホールの両方を備えた、大変立派な施設を持つ劇場となっています。

今日はこれから、エストニア国立オペラ劇場でバレエのマチネ公演(昼間の公演)を観ます。

…本当は夜の公演でオペラを観てもよかったのですが、今夜は旧市街ではなく郊外の空港近くのホテルに移って泊まることになっているので、公演終了後の夜中になってからの空港ホテルへの移動を避けたくて、この時間帯の公演を予約したのです。
とりあえず、歴史あるエストニアの歌劇場でのステージを一目観ておきたかった為、演目もろくに確認せずにネットでチケットを手配してしまいました。

さて、特に意識せずに観ることになった今日のマチネ公演の作品は…
世界中の誰もが子供の頃から知っている名作中の名作、お馴染みのグリム童話を基にしたバレエ作品
「白雪姫と七人の小人(Snow White and the 7 Dwarfs)です!
…思いっきりお子様向けの作品ですね、何しろパンフレットにもハッキリ“Children’s ballet”って書いてありますから。

劇場のホワイエもご覧の通り、白雪姫のバレエを観に来た地元タリンの子どもたちで一杯でまぁ賑やかなこと!(笑)
それにしても、子どもたちばかりの観客の中に何故か紛れ込んでる、いい歳した東洋人男性の一人客は悪目立ちしまくりです。
引率の先生方や保護者のちょっと不審そうな視線が痛いぜ…


オペラ座の中に入って座席に着いたら、周囲を完全に子どもたちに囲まれてしまいました。
前列の席に座った女の子たちが興味津々といった顔で僕の方を覗き込んでくるので、思わず苦笑い。でも、面白いものを見つけた子どもたちの表情は、世界中どこに行っても変わりませんね。みんないい笑顔してます!
僕もつい、子供の頃に母に連れられて市内の劇場に人形劇を観に行った時の、遠い記憶を想い出してちょっと切なくなってしまいました。

童心に戻って観た、エストニア国立オペラ劇場のバレエ「白雪姫と七人の小人」


…面白かった!それに、とても本格的で素晴らしいバレエでした!
子供向けとはいえ、侮れません。白雪姫役バレリーナの儚さと優雅さ、七人の小人たちのコミカルでダイナミックなダンス…
バレエに関しては全くの素人で初心者(何しろ、バレエは高校生の頃にロシアのバレエ団の巡業で「白鳥の湖」を観て以来、実に二十年ぶりの鑑賞!嗚呼…)の僕でも解ります。躍動する全身で表現されるバレエの美しさと楽しさ、しっかりと感じました!
「白雪姫と七人の小人」って、こんなに面白い物語だったんだねぇ…!

パンフレットをよく読み直すと、この作品はブダペストのハンガリー国立歌劇場のバレエ監督や美術スタッフが参加しているそうです。
優秀なスタッフがエストニア国立オペラ劇場に集まって、質の高い舞台を創り出していたんですね。納得!




そう言えば今日は、いつも座る天井桟敷のバルコニー席ではなく平土間のほぼ中央という、随分と上等な席で観ることが出来ました。
実はオペラ劇場で平土間に座るのは、これが初めてだったりします。
オーケストラピットは平土間からだと、公演中着席してると一切見えないんですねぇ(ホントに知らなかった…(笑))
でも、僕の周りは小さな子どもたちばかりだったので、ひょっとしたら後列の子どもたちには視界を遮っちゃって悪い事したかな…?もしそうならゴメンね。
でも、座高の高い東洋人男性のせいでバレエやオペラ劇場のことを嫌いになったりはしないで欲しいな…


マチネ公演は、真昼の短い夢。
終演後オペラ劇場の外に出ると、明るい午後の陽射しと日常が変わらずそこにありました。
でも、ここは中世以来の夢を今でも見続けることが出来る街、タリン。
旧市街に戻って、もう少しだけこの最北のハンザ同盟都市の歴史を感じ、夢見ることにしましょうか。

#026:エストニア・タリン街歩き 旧市街路地裏散歩に続く