El Tren Al Andalus
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スペイン南部アンダルシア の州都セビリアのターミナル駅、サンフスタ駅在来線プラットホームに威風堂々とその身を横たえた、風格漂うシックな列車。
一目見ただけでただの列車ではないことが分かる、気品と格調とそして圧倒的な存在感を放つ、この列車は…
「JR九州の『ななつ星』によく似ているが…間違いない、これは『アル・アンダルス』号だ!!」
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「アル・アンダルス」号は、スペイン国鉄renfe が運行する超豪華クルーズトレイン。
かつてイベリア半島がイスラム世界に支配されていた頃の呼び名を戴くその列車は、またの名を「線路の上の宮殿」 。
ヨーロッパ大陸を縦横に豪華列車「オリエント・エクスプレス」が駆け抜けていた時代、古き良きそして華やかりし1920年代に、英国王室が南仏コート・ダジュールへとバカンスに出かけるための専用列車として製造されたという由緒正しき車輌を集めて編成され、セビリアを起点にアンダルシア地方を1週間かけて周遊するクルーズツアーを行っている「アル・アンダルス」号の運行日に、今日は偶然巡り合わせたようです。
世界に名立たる豪華列車を間近でじっくりと見ることが出来るチャンスに恵まれるとは、何という幸運!
早速、プラットホームを歩きながら「アル・アンダルス」号の編成を見て歩くことにしましょう。
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「アル・アンダルス」号は午後4時50分にセビリアを発車して最初の目的地カディスに向かうようです。
まだ発車時刻まで5時間以上もありますが、その間ずっとサンフスタ駅の在来線乗り場に停車したままなんですね。乗客は今頃、出発前のセビリア市内の観光ツアーにでも出かけているのでしょうか。
全く発車を急がない「アル・アンダルス」号は、発車後ものんびり走って、目的地の駅に着いたら長時間停車します。
そうしてアンダルシア地方のそれほど広くない地域を、短距離走行と長時間停車を繰り返しながら実にゆったりと1週間かけて巡るという運行スタイルは、JR九州がクルーズトレイン「ななつ星in九州」を運行開始する際に参考にしたと言われており、「アル・アンダルス」号は「ななつ星」の先輩、いや先生とも言うべき存在なのです。
車体のデザインも「ななつ星」と「アル・アンダルス」号はよく似ています。
ひょっとしたら、JR九州デザイン顧問の水戸岡鋭治先生は「アル・アンダルス」号をイメージして「ななつ星」をデザインしたのかも…
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クルーズトレイン「ななつ星in九州」阿蘇駅にて
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乗客たちのチェックインを待つエントランス。
ああ、僕もいつか「アル・アンダルス」号に乗ってみたい…でもその前に「ななつ星」に乗らないといけないね(笑)
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エントランスに用意されていたタグです。
ドアが開けっ放しの車輌があったので、ちょっとだけプラットホームから車内デッキを覗いてみます。
インテリアは木目調ですね。
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足元のステップに嵌めこまれたプレート。2012年に改修工事を受けているようです。
「アル・アンダルス」号の車輌は1920年代に「オリエント・エクスプレス」を運行していた国際寝台車会社ワゴン・リがフランスで製造したものだそうなので、実に車齢90年!
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窓からサロンカーの車内を覗き込んでみました。
磨き込まれた木製の調度品が設えられ、「線路の上の宮殿」の名にふさわしい豪華なインテリアデザインです。
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車体側面に掲げられた「アル・アンダルス」のエンブレム。
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車体に描かれたマークには「5つ星」が!おお、星の数では日本の「ななつ星」の方が勝ってるぞ(笑)
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「アル・アンダルス」号を牽引する機関車。
塗装色は客車とは異なっていますが、「アル・アンダルス」のエンブレムのヘッドマークならぬヘッドペイントを施されているので専用機のようです。
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編成の端には、電源車と思しき車輌が連結されています。
アンダルシア地方は真夏には気温40度を超える猛暑に見舞われるので、強力な冷房装置とそれを動かす大電力が必要なんですね。
この電源車、屋根の上にパンタグラフも載せているのが見えます。日本のブルートレインのカニ22形やスハ25形同様に電化区間ではパンタを上げて架線集電も行えるようです。
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こちら側にも機関車が連結されていました。
セビリアからカディスまでは編成両端に機関車をつないでプッシュプル運転となるようです。カディス駅には機回し設備が無いのかな…
そして、スペインの「撮り鉄」諸氏と遭遇(笑)
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鉄道好きの行動は万国共通、世界中どこに行ってもみんな同じことやってるなぁ…
“鉄っちゃん”に国境は無い!(笑)
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「アル・アンダルス」号の隣の在来線乗り場にやって来たローカル急行列車。
車体の年齢差は80年くらいでしょうか?
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サンフスタ駅の高速鉄道乗り場に居並ぶ超特急AVE、S100型車輌は「アル・アンダルス」と同じフランス製。
奇しくも1世紀の時空を超えてスペイン南部で顔を合わせたフランス生まれの列車たち。
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100年近い時を越えて生き続ける幸運な車輌もあれば、使命を終えて消えていく車輌もあり。
サンフスタ駅在来線乗り場の側線で朽ち果てていく、廃車待ちと思われる269型電気機関車。実は何と三菱電機の現地ライセンス生産車。
日本の血統を受け継ぐカマには是非、「アル・アンダルス」号の先頭に立って欲しかった…
さて、もっと「アル・アンダルス」号を見ていたいのですが、発車時刻まで「アル・アンダルス」号のそばにいたら夕方になってしまいます。
名残惜しいのですが、そろそろ“線路の上のアルハンブラ宮殿”に別れを告げることにしましょう。
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bon voyage! Al Andalus,palacio sobre ruedas.
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