宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

太陽の1300倍の大きさの黄色超巨星

2014年03月18日 | 宇宙 space
双眼鏡でも簡単に見られる南天の星が、太陽の1300倍もの大きさの黄色超巨星だと分かりました。
伴星がくっついた連星だということや、急激な変化のようすも明らかになっていて、発見例の少ない天体の貴重な観測成果になっているんですねー
黄色超巨星“HR 5171 A”とその周辺
この天体は、ケンタウルス座の方向12000光年彼方にある“HR 5171 A”で、
6.1等から7.3等まで明るさが変わる黄色超巨星です。

黄色超巨星は、恒星の中でもとりわけ明るく巨大な天体です。
そして、これまでに天の川銀河内で10個前後しか見つかっていないんですねー

星の進化のなかで、変化が激しく不安定な段階にあり、噴き出したガス物質が大きく広がる大気を形成しています。
“HR 5171 A”(イメージ図)
ヨーロッパ南天天文台のVLT干渉計を使って観測を行ったところ、
この“HR 5171 A”が、太陽の1300倍もの直径を持つことが明らかになります。

これは、これまでに見つかった黄色超巨星としては最大で、すべての恒星の中でも10本の指に入る大きさなんですねー
ちなみに、最大のものは太陽の1500倍以上ある“たて座のUY星”で、ペテルギウスやアンタレスは700~1000倍程度なんだとか…

観測からは、この星と表面を接する伴星の存在も分かっていて、
1300日周期で回る伴星が、地球から見て“HR 5171 A”の手前や背後に来ることで明るさが変化しているようです。

主星の外層ガスを奪い去る伴星の存在は、星の進化に大きく影響するので、とても重要な発見になるそうです。