宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

スーパーフレアは太陽でも起こる?

2014年03月28日 | 宇宙 space
人間の生活にも大きな影響を及ぼすことがある太陽表面の爆発現象が、太陽フレアです。

もちろん、太陽以外の恒星でもフレアは発生していて、
太陽で見られる史上最大級のフレアを、はるかにしのぐ“スーパーフレア”も観測されています。
その“スーパーフレア”が観測された恒星のうち2つが、太陽とそっくりだということが分かったんですねー
Hα(水素吸収線)で見た、
“スーパーフレア”が起こっている恒星
(イメージ図)

太陽で起こるフレアと呼ばれる現象は、
黒点に蓄えられた磁場のエネルギーが、一気に放出される爆発現象です。

このとき、太陽から大量のプラズマ粒子が放出されるんですねー

大きなフレアで放出された物質が、地球磁気圏に衝突・侵入すると、
巨大な時期嵐を引き起こし、通信システムの障害や大規模な停電など、人間の生活にも大きな支障をきたすことになります。

そして、これまで太陽で見られた最大級フレアの100倍~1000倍ものエネルギーを開放するのが、“スーパーフレア”になります。


NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”の観測データを使った研究では、
太陽と同じタイプの“G型主系列星”で、
この“スーパーフレア”が起こった恒星を150個も探し出しています。

これらの恒星が、太陽と本当にそっくりなのか?
このことを明らかにするため、2013年6月に“すばる望遠鏡”を用いて星の分光観測を行ったんですねー

すると、“KIC 9766237”と“KIC 9944137”の2つが、特に太陽によく似ていることが分かりました。

恒星が連星系である場合や、自転周期が速い場合などには、大規模なフレアが発生しやすくなると考えられています。
でも2つの恒星は、連星系ではなく、自転周期が速くもありませんでした。
“KIC 9766237”と“KIC 9944137”の
スペクトルに見られる鉄の吸収線。
太陽とそっくりであることが分かっている
さそり座18番星のもの(点線)と、
ぴったり重なる。

なので、莫大なエネルギーが放出される“スーパーフレア”現象が、私たちの太陽でも起こりえることになるんですねー

今後は“すばる望遠鏡”に加え、京都大学を中心に開発中の口径3.8m望遠鏡を使って、
“スーパーフレア”星の性質や、長期的な活動性の変化をさらに詳しく調査するそうです。

これらの研究で、巨大なフレアが起こる条件や兆候について分かれば、
太陽活動による人類社会への被害を、防ぐことにつながるかもしれませんね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽フレアの1万倍! 赤色矮星で起こった最強のスーパーフレア