宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

冥王星の衛星カロンに地下海はあったのか?

2014年06月21日 | 冥王星の探査
かつては惑星で今は準惑星に分類されている冥王星。
冥王星の衛星から見た風景(イメージ図)。
中央右が冥王星、その右がカロン。

太陽からの距離が、太陽~地球の距離の約30倍から50倍も離れていて、
表面温度は摂氏マイナス229度で、
とても表面に液体の水は存在しそうにありません。

もちろん、冥王星に見つかっている5つの衛星も極寒の世界で、
最初に見つかったカロンは、冥王星に対する質量が8分の1もある大型の衛星なんですねー


現在、冥王星とカロンは常にお互いに同じ面を向け、安定した真円の軌道を回っているのですが、
この状態になるまでにカロンは、細長い楕円軌道を回っていた時期があったと考えられています。

ただ、そのような時期には潮汐変形で熱が発生して、
カロン内部に液体の海が存在した可能性があるんですねー

NASAではカロンの軌道の変化と、それに伴って作られる地表の割れ目がどのようなものかについて、いつかのパターンのモデル作成。

カロンの内部に液体の海がある場合のモデルでは、
軌道がそれほど細長くなくても、冥王星の近くをカロンが公転していれば、
木星の衛星エウロパのような割れ目が作られるそうです。
NASAの探査機“ガリレオ”が撮影した
木星の衛星エウロパ。

エウロパの割れ目(画像2枚目)は、木星との潮汐作用でできたもので、
土星の衛星エンケラドスと同様に、
その内部には広大な液体の海があるのではと注目を集めているんですねー

もしカロンの表面に割れ目があった場合には、その模様をモデルと照合することで、
軌道の変化や割れ目ができた当時の氷殻の厚みや粘度、内部に海がそんざいした可能性などを探ることができるんだとか…

まぁー 割れ目が見つからなくても、やはりカロンの形成史を調べる手がかりにはなるようです。

地上の天体望遠鏡では、遠すぎるうえに小さすぎて見えないカロンの表面が、
実際にはどうなっているのか?
2015年7月に、NASAの探査機“ニューホライズンズ”が冥王星に到着するのが楽しみですね。