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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

水素の霧が晴れたのかも? 131億年前に突然現れた銀河たち

2014年12月03日 | 宇宙のはじまり?
初期宇宙において、観測される銀河からの光が急激に増えていることが、
すばる望遠鏡の観測から分かりました。

これには、中性水素の“霧”が晴れる現象“宇宙再電離”が関わっている可能性が高く、
初期宇宙の出来事を探る大きな手がかりなるようです。


今回の研究では、すばる望遠鏡での観測で、
水素原子が放つ“ライマンα輝線”という光がとても明るい銀河(LAE銀河)を、
ビッグバンから7億年後の宇宙に7個見つけています。
131億光年先のLAE銀河(2本の白い線の間)

これまでの観測結果からの推測では、
この時代の宇宙にある銀河は、数十個みつかるだろうと予測されていました。

でも、実際に見つかった数はとても少なかったんですねー

これは、観測される銀河の数が、これより後に急増したことを表していて、
誕生間もないころの宇宙で、LAE銀河が突然姿を現したようすが初めて描き出されることになります。
銀河が放つ“ライマンα輝線”の明るさの変化グラフ。
宇宙の年齢が7億年の時代を調べた今回の観測結果は、
8億~10億年の頃の明るさから推測した予測値よりもはるかに低く、
急激に明るくなっていったことが分かる。

LAE銀河が急に現れた理由として、まず考えられるのが、
宇宙に広がっていた中性水素の“霧”が、
星や銀河が放つ紫外線によって電離されて晴れたことです。

“宇宙再電離”と呼ばれるこの現象は、
ビッグバンから約10億年後(約128億年前)に、終ったことは分かっているのですが、
いつ始まり、どのように進んだかは謎のままでした。

その他に、LAE銀河の周りにかたまって存在していた中性水素が消えたことや、
LAE銀河自体が明るくなったという可能性も考えられます。

いずれにしても今回の発見は、
“宇宙再電離”と、その頃のLAE銀河の性質を理解する上で、
大きな手がかりになるんですねー

今後、3つの可能性のうち、どれが正しいかを調べるために、
すばる望遠鏡のさらに広視野のカメラ“Hyper Suprime-Cam”や、
建設中のTMT望遠鏡を用いた観測が計画されているようです。

“宇宙再電離”が、どのようにして起こったのか?
銀河がどのように生まれたのか? 謎の解明に期待したいですね。