宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

初観測の重力波は、原始ブラックホール同士の衝突で発生していた?

2016年08月05日 | 宇宙 space
世界で初めて観測された重力波を放出させたブラックホールは、
宇宙の誕生“ビッグバン”の直後にできた“原始ブラックホール”だったのかもしれません。

この新理論を発表したのは東京大学、京都大学、立教大学の共同研究グループ。

カリフォルニア工科大とマサチューセッツ工科大などの共同研究チームが、
世界で初めて検出した重力波について新理論をまとめています。

重力波は、重い天体同士が合体するなど激しく動いた際に、
その重力の影響で周囲の空間にゆがみが生じ、
さざ波のように遠くまでゆがみが伝わっていく現象です。

その現象の存在は、
アインシュタインが1916年に一般相対性理論で示していたのですが、
地球に届く空間のゆがみは極めて微弱なので検出は難しく、
物理学上の大きな課題になっていました。

その重力波も昨年の9月には、
アメリカの2か所に設置した大型観測装置“LIGO”により検出されるんですねー
ルイジアナ州にある大型観測装置“LIGO”

一辺の長さが4キロに及ぶL字形の“LIGO”で検出したデータを解析して分かったことは、
この重力波が、太陽の約30倍の重さを持つ2つのブラックホールが合体したときに、
放出されたものだということでした。

ブラックホールは、あまりの重力の強さに光さえも出てくることができない天体で、
星が大爆発する超新星爆発で誕生します。

そして原始ブラックホールは、
ビッグバンの直後の高温・高密度の宇宙でできたとされています。

今回の研究では、原始ブラックホールにまつわる理論に基づいて、
2つの原始ブラックホールが合体する頻度を計算。

“LIGO”の観測データで明らかになった2つのブラックホール合体頻度を比較してみると、
この2つは大まかに一致したんですねー

このことから、初観測された重力波の起源は、
原始ブラックホールの合体によるものという新理論がまとめられました。

今後の観測で今回提唱した新理論が正しいことが確かめられれば、
現代宇宙理論に大きな1ページが加わるかもしれないそうです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 重力波から分かるブラックホールが衝突するまでのプロセス