系外惑星探査衛星“ケプラー”とハッブル宇宙望遠鏡による観測から、初めて太陽以外の恒星を回る惑星に衛星が見つかったんですねー
はるか彼方の惑星を見つけるのも大変なのに、これほど遠く離れた衛星はどうやって見つかったのでしょうか。
見つかった衛星は海王星並みに大きくて、約4000光年先にある巨大惑星の周りを回っているようです。
恒星のわずかな減光から惑星の存在を検出する
地球から見て、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)するときに見られるわずかな減光から、惑星の存在を知ることができます。
このトランジットと呼ばれる現象の観測から、これまでに数多くの系外惑星が発見されています。
また、原理的には、同じ手法によって惑星の周りを公転する“系外衛星”の存在も調べることが可能なんですねー
惑星の存在を知る方法には、他にもドップラーシフト法というのがあります。
この方法は、恒星の周りを公転している惑星の重力で、恒星が引っ張られることによる“ゆらぎ”を光の波長の変化から読み取ることで、惑星の存在を検出しています。
発見できたのは衛星の重力によって惑星の位置がズレたから
今回の研究では、系外惑星を探すために公転周期が30日以上の比較的大きな軌道を持つ惑星284個のデータを分析しています。
NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”が発見した系外惑星のデータが用いられている。
そして、コロンビア大学の研究チームは、はくちょう座の方向約8000光年の距離に位置する恒星“Kepler-1625”を巡る巨大ガス惑星“Kepler-1625b”に目を付けます。
それは、“Kepler-1625b”のデータから衛星とみられる天体が存在する可能性に気付いたからでした。
研究チームはハッブル宇宙望遠鏡を使って“Kepler-1625”が減光する様子を追加で観測。
すると、惑星のトランジットの終了から約3.5時間後に、恒星の明るさがごくわずかに暗くなる様子が検出されます。
他にも、惑星のトランジットが始まると予測された1時間以上も前から恒星が暗くなり始めるという現象も見られました。
この現象から考えられるのは、衛星の重力によって惑星の位置がズレたということ。
光度曲線に見られた2度目の減光と、タイミングのズレという2つの現象を、最もシンプルかつ最も自然に説明するのが衛星の存在なんですねー
ただ、未発見の別の惑星がズレを引き起こしている可能性もあるようです。
大きな惑星を回る巨大衛星だけど質量比は地球と月に近い
研究チームによると、今回存在が示唆された衛星は、海王星に匹敵するほどの大きさのようです。
また、惑星“Kepler-1625”の質量は木星の10倍ほどと見積もられていて、衛星の質量はその1.5%ほどと推測されています。
この惑星に対する衛星の質量比は、地球と月の比(月は地球の約1.2%)と近い値になるんですねー
ただ、衛星の主成分は岩石質ではなくガスと見られていて、太陽系にある惑星の衛星とは異なるプロセスで形成されたものと考えられています。
この天体が本当に衛星かどうかは、今後さらに詳しく観測して確認する必要があります。
その観測や研究から、惑星系の進化に関する新たな知識を得ることができ、衛星の形成や組成に関する理解が進むことになるのでしょうね。
こちらの記事もどうぞ
探査衛星“ケプラー”の観測データから系外惑星を一度に44個も発見!

はるか彼方の惑星を見つけるのも大変なのに、これほど遠く離れた衛星はどうやって見つかったのでしょうか。
見つかった衛星は海王星並みに大きくて、約4000光年先にある巨大惑星の周りを回っているようです。
恒星のわずかな減光から惑星の存在を検出する
地球から見て、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)するときに見られるわずかな減光から、惑星の存在を知ることができます。
このトランジットと呼ばれる現象の観測から、これまでに数多くの系外惑星が発見されています。
また、原理的には、同じ手法によって惑星の周りを公転する“系外衛星”の存在も調べることが可能なんですねー
惑星の存在を知る方法には、他にもドップラーシフト法というのがあります。
この方法は、恒星の周りを公転している惑星の重力で、恒星が引っ張られることによる“ゆらぎ”を光の波長の変化から読み取ることで、惑星の存在を検出しています。
発見できたのは衛星の重力によって惑星の位置がズレたから
今回の研究では、系外惑星を探すために公転周期が30日以上の比較的大きな軌道を持つ惑星284個のデータを分析しています。
NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”が発見した系外惑星のデータが用いられている。
そして、コロンビア大学の研究チームは、はくちょう座の方向約8000光年の距離に位置する恒星“Kepler-1625”を巡る巨大ガス惑星“Kepler-1625b”に目を付けます。
それは、“Kepler-1625b”のデータから衛星とみられる天体が存在する可能性に気付いたからでした。
研究チームはハッブル宇宙望遠鏡を使って“Kepler-1625”が減光する様子を追加で観測。
すると、惑星のトランジットの終了から約3.5時間後に、恒星の明るさがごくわずかに暗くなる様子が検出されます。
他にも、惑星のトランジットが始まると予測された1時間以上も前から恒星が暗くなり始めるという現象も見られました。
この現象から考えられるのは、衛星の重力によって惑星の位置がズレたということ。
光度曲線に見られた2度目の減光と、タイミングのズレという2つの現象を、最もシンプルかつ最も自然に説明するのが衛星の存在なんですねー
ただ、未発見の別の惑星がズレを引き起こしている可能性もあるようです。
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系外惑星“Kepler-1625b”と、手前は衛星と思われる天体(イメージ図) |
大きな惑星を回る巨大衛星だけど質量比は地球と月に近い
研究チームによると、今回存在が示唆された衛星は、海王星に匹敵するほどの大きさのようです。
また、惑星“Kepler-1625”の質量は木星の10倍ほどと見積もられていて、衛星の質量はその1.5%ほどと推測されています。
この惑星に対する衛星の質量比は、地球と月の比(月は地球の約1.2%)と近い値になるんですねー
ただ、衛星の主成分は岩石質ではなくガスと見られていて、太陽系にある惑星の衛星とは異なるプロセスで形成されたものと考えられています。
この天体が本当に衛星かどうかは、今後さらに詳しく観測して確認する必要があります。
その観測や研究から、惑星系の進化に関する新たな知識を得ることができ、衛星の形成や組成に関する理解が進むことになるのでしょうね。
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