“ドーン”は2007年に打ち上げられNASAの探査機。
低コストで効率の良いミッションを目指した、太陽系内の探査計画“ディスカバリー”の1つでした。
これまでに小惑星ベスタと準惑星ケレスの周回探査を行い、2016年6月30日の主要ミッション終了後には、小惑星アデオナに向かうという計画案もあったのですが、引き続きケレスの周回探査を続けていました。
その探査機“ドーン”もとうとう燃料切れに…
11年間にわたるミッションも終了し、史上初の小惑星に50年ほどとどまる人工物になるようです。
11年間にわたるミッションの終了は燃料切れが原因
今月初めのこと、NASAの探査機“ドーン”の運用チームは、準惑星ケレスを周回中の探査機“ドーン”から届くはずの通信を受け取ることができませんでした。
“ドーン”が地球と通信をするためには、探査機の向きを変えて地球の方向へ通信アンテナを向けたり、充電に使用する発電パネルを太陽に向ける必要があります。
通信が行えないということは、探査機の向きを変えるために必要な燃料が無くなったということを意味することに… 11年間にわたるミッションは終了することになります。
低コストで効率の良いミッションを目指した“ドーン”ですが、集めた驚異的なデータや画像数々は、太陽系の歴史や進化を理解するうえでとても重要なものになったんですねー
ミッション終了後は小惑星に50年ほどとどまる人工物になる
“ドーン”は2007年9月にデルタIIロケットで打ち上げられ、キセノンイオン・スラスタ3基を使って、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯へ向かいます。
そして、2011年7月から2012年9月まで小惑星ベスタを、その後2015年3月からは準惑星ケレスを、それぞれ周回しながら探査してきました。
これまで3年半にわたってケレスの周回探査を続けてきた“ドーン”ですが、準惑星の周回探査や、同一探査機による2つの天体の周回探査を行った史上初の探査機になり、総航行距離は69億キロにも及ぶんですねー
“ドーン”による探査データから可能になったのが、異なる進化をしてきたと考えられているケレスとベスタの比較研究。
“ドーン”は初期の太陽系における天体の形成と進化の仕方にとって、天体の場所がどれほど重要かを示してくれました。
また、準惑星の歴史において、長期にわたり海が存在していた可能性があるというアイディアを、強く支持する成果ももたらしてくれました。
“ドーン”のミッションには、昨年9月に土星の大気へ突入(グランドフィナーレ)して探査を終了したNASAの土星探査機“カッシーニ”のよな幕引きのシナリオはありません。
一方で“ドーン”は、探査機によってケレスの環境を汚染しないようにするため、少なくとも今後20年間(実際にはほぼ確実に50年以上)はケレスを周回し続けるようですよ。
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準惑星ケレスには、生命体に必要不可欠な有機物が存在している
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これまでに小惑星ベスタと準惑星ケレスの周回探査を行い、2016年6月30日の主要ミッション終了後には、小惑星アデオナに向かうという計画案もあったのですが、引き続きケレスの周回探査を続けていました。
その探査機“ドーン”もとうとう燃料切れに…
11年間にわたるミッションも終了し、史上初の小惑星に50年ほどとどまる人工物になるようです。
11年間にわたるミッションの終了は燃料切れが原因
今月初めのこと、NASAの探査機“ドーン”の運用チームは、準惑星ケレスを周回中の探査機“ドーン”から届くはずの通信を受け取ることができませんでした。
“ドーン”が地球と通信をするためには、探査機の向きを変えて地球の方向へ通信アンテナを向けたり、充電に使用する発電パネルを太陽に向ける必要があります。
通信が行えないということは、探査機の向きを変えるために必要な燃料が無くなったということを意味することに… 11年間にわたるミッションは終了することになります。
低コストで効率の良いミッションを目指した“ドーン”ですが、集めた驚異的なデータや画像数々は、太陽系の歴史や進化を理解するうえでとても重要なものになったんですねー
ミッション終了後は小惑星に50年ほどとどまる人工物になる
“ドーン”は2007年9月にデルタIIロケットで打ち上げられ、キセノンイオン・スラスタ3基を使って、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯へ向かいます。
そして、2011年7月から2012年9月まで小惑星ベスタを、その後2015年3月からは準惑星ケレスを、それぞれ周回しながら探査してきました。
これまで3年半にわたってケレスの周回探査を続けてきた“ドーン”ですが、準惑星の周回探査や、同一探査機による2つの天体の周回探査を行った史上初の探査機になり、総航行距離は69億キロにも及ぶんですねー
2015年3月にケレスに到着した“ドーン”(イメージ図)。 |
“ドーン”は初期の太陽系における天体の形成と進化の仕方にとって、天体の場所がどれほど重要かを示してくれました。
また、準惑星の歴史において、長期にわたり海が存在していた可能性があるというアイディアを、強く支持する成果ももたらしてくれました。
“ドーン”のミッションには、昨年9月に土星の大気へ突入(グランドフィナーレ)して探査を終了したNASAの土星探査機“カッシーニ”のよな幕引きのシナリオはありません。
一方で“ドーン”は、探査機によってケレスの環境を汚染しないようにするため、少なくとも今後20年間(実際にはほぼ確実に50年以上)はケレスを周回し続けるようですよ。
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