200万歳という幼い星を取り巻くガスやチリの円盤“原始惑星系円盤”に、3本のはっきりした隙間が見つかりました。
この隙間は、複数の巨大ガス惑星によって作られたと考えられていて、もっとも外側の惑星は、私たちが知っている巨大ガス惑星と比べて1000倍も遠いところに存在しているんですねー
一体どのようにして、この惑星系が形成されたのでしょうか? 興味深い謎ですね。
若い星のすぐ近くを回る巨大ガス惑星
今回の研究対象は“おうし座CI星(CI Tau)”。
地球から約500光年彼方に位置する、誕生からわずか200万年しか経っていない幼い星です。
この星の周りには、10日弱で公転する巨大な系外惑星が見つかっています。
主星のすぐ近くを公転する高温の巨大ガス惑星“ホットジュピター”に分類される惑星で、これほど若い星の周りにホットジュピターが発見されたのは初めてのことでした。
軌道が大きく異なる4つの巨大ガス惑星
今回、イギリス・ケンブリッジ大学の研究チームは、“おうし座CI星”のホットジュピターの兄弟惑星を探す観測をアルマ望遠鏡を使って行います。
すると、星の周りに広がるチリやガスでできた原子惑星系円盤の中に、3本のはっきりした隙間が見つかります。
理論モデルから考えられることは、まだ発見されていない巨大ガス惑星によって、それぞれの隙間が作られた可能性が最も高いということ。
すでに発見されている惑星は最も内側を回っていて、太陽系で言うと水星よりも近い軌道を回っています。
一方、最も外側の惑星の軌道は、太陽から海王星までの3倍以上も主星から離れていて、主星から最も内側の惑星までの1000倍にもなります。
そう、“おうし座CI星”で発見された4つの惑星の軌道は大きく異なっているんですねー
惑星の質量は、最も内側のものが木星の約10倍、その次が木星と同程度で、外側の2つは土星程度(木星の3割ほど)になるそうです 。
謎の多い幼い惑星系
巨大ガス惑星は中心星からある程度離れたところで形成されると考えられています。
なので、中心星に近すぎる領域に位置するホットジュピターは、研究者にとって厄介な存在なんですねー
今回のように兄弟惑星が存在し、それらが最も内側の惑星を、極端に中心星に近い軌道へと追いやったのでしょうか?
そして、このようなことが一般的にホットジュピターの形成時に働くメカニズムなのでしょうか?
今回見つかった変わった惑星系が、ホットジュピターの存在する惑星系として普通なのかどうかすら、現時点では分かっていません。
それは、ホットジュピターが存在する惑星系のほとんどは、もっと年齢が進んでいるからです。
これらの惑星系には、すでに原始惑星系円盤が存在しないので、同じ手法で惑星を見つけることは出来ません。
また、もっと深い謎は、外側の2つの惑星がどのように形成されたのかです。
現在のモデルは、これまでに発見されているタイプの惑星を再現することにフォーカスする傾向があります。
なので、新たに発見される惑星が、必ずしもそのモデルにあるとは限らないんですねー
土星質量の惑星は、まず個体の核が形成され、その周りにガスを集めて作られたと考えられます。
でも、主星から遠く離れたところでは、このプロセスではとても時間がかかることになります。
ほとんどのモデルは、200万歳の惑星系で中心から遠く離れたところに土星質量の惑星を作るのに苦労することになります。
これからの課題は、謎の多いこの惑星系を多波長で観測して、円盤や惑星の特徴についてさらに手掛かりを得ること。
アルマ望遠鏡で形成中の惑星系を観測していけば、惑星形成の新しい発見があるかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ
ずっと早い段階で惑星が作られ始めている証拠? を100万歳の若い星で発見
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若い星のすぐ近くを回る巨大ガス惑星
今回の研究対象は“おうし座CI星(CI Tau)”。
地球から約500光年彼方に位置する、誕生からわずか200万年しか経っていない幼い星です。
この星の周りには、10日弱で公転する巨大な系外惑星が見つかっています。
主星のすぐ近くを公転する高温の巨大ガス惑星“ホットジュピター”に分類される惑星で、これほど若い星の周りにホットジュピターが発見されたのは初めてのことでした。
軌道が大きく異なる4つの巨大ガス惑星
今回、イギリス・ケンブリッジ大学の研究チームは、“おうし座CI星”のホットジュピターの兄弟惑星を探す観測をアルマ望遠鏡を使って行います。
すると、星の周りに広がるチリやガスでできた原子惑星系円盤の中に、3本のはっきりした隙間が見つかります。
理論モデルから考えられることは、まだ発見されていない巨大ガス惑星によって、それぞれの隙間が作られた可能性が最も高いということ。
“おうし座CI星”の原始惑星系円盤 |
一方、最も外側の惑星の軌道は、太陽から海王星までの3倍以上も主星から離れていて、主星から最も内側の惑星までの1000倍にもなります。
そう、“おうし座CI星”で発見された4つの惑星の軌道は大きく異なっているんですねー
惑星の質量は、最も内側のものが木星の約10倍、その次が木星と同程度で、外側の2つは土星程度(木星の3割ほど)になるそうです 。
“おうし座CI星”を取り巻く原始惑星系円盤と4つの巨大惑星(イメージ図) |
謎の多い幼い惑星系
巨大ガス惑星は中心星からある程度離れたところで形成されると考えられています。
なので、中心星に近すぎる領域に位置するホットジュピターは、研究者にとって厄介な存在なんですねー
今回のように兄弟惑星が存在し、それらが最も内側の惑星を、極端に中心星に近い軌道へと追いやったのでしょうか?
そして、このようなことが一般的にホットジュピターの形成時に働くメカニズムなのでしょうか?
今回見つかった変わった惑星系が、ホットジュピターの存在する惑星系として普通なのかどうかすら、現時点では分かっていません。
それは、ホットジュピターが存在する惑星系のほとんどは、もっと年齢が進んでいるからです。
これらの惑星系には、すでに原始惑星系円盤が存在しないので、同じ手法で惑星を見つけることは出来ません。
また、もっと深い謎は、外側の2つの惑星がどのように形成されたのかです。
現在のモデルは、これまでに発見されているタイプの惑星を再現することにフォーカスする傾向があります。
なので、新たに発見される惑星が、必ずしもそのモデルにあるとは限らないんですねー
土星質量の惑星は、まず個体の核が形成され、その周りにガスを集めて作られたと考えられます。
でも、主星から遠く離れたところでは、このプロセスではとても時間がかかることになります。
ほとんどのモデルは、200万歳の惑星系で中心から遠く離れたところに土星質量の惑星を作るのに苦労することになります。
これからの課題は、謎の多いこの惑星系を多波長で観測して、円盤や惑星の特徴についてさらに手掛かりを得ること。
アルマ望遠鏡で形成中の惑星系を観測していけば、惑星形成の新しい発見があるかもしれませんね。
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